【インタビュー】「0.5ミリ」「百円の恋」主演 安藤サクラインタビュー

特集・インタビュー
2015年06月27日

サワちゃんは演じるのに憧れるキャラクター

――「百円の恋」はオーディションに参加したそうですが、この作品に出演したいと思った理由は?

やりたいと思ったのは、後半の試合のシーンを読んだときです。ぐちゃぐちゃになりながら闘っている主人公に惹かれました。私も彼女のように闘いたいと思ったんです。

――ものすごく体を作りこまれていますよね。相当大変だったのでは?

そうですね。大変でした。何よりも、体を変えるのに日数がなかったのがプレッシャーでしたね。
オーディションで決まったからには、自分が最初に思い描いた理想の「百円の恋」に近づきたかったんです。やはり日数や時間が制限されているから、具体的にどこまで肉体を変えていけるのかっていうのは私次第なので。

――ほかの作品に関しても「ここを演じたい」というような思いはありますか?

「百円の恋」に関しては、“一子さんがどう変わっていくか”というところに惹かれたんですが、作品によっては「このセリフが言いたいな」って思うこともあります。作品のどこに魅力を感じるのかっていうのは作品それぞれですね。まったく自分が想像できないなとか、分からないことでも、私は現場でどういうものが出来ていくのかっていう力を信じているので、その作品に対する意欲が変わるということはないですね。
「百円の恋」は、物語前半の一子さんがとても難しくて。一子さんというキャラクターに自分が思い描く理想があって、そこにどう近づけるのかというところで勝手に自分にプレッシャーをかけていましたね。
「0.5ミリ」のサワちゃんというのは、主人公像としてはすごく憧れる、ヒーロ-のような役柄です。生き方といい、佇まいといい、演じるのに憧れるキャラクターでした。

大先輩が“とっかえひっかえ”目の前に現れるんです

――「0.5ミリ」では、坂田利夫さん、津川雅彦さんら錚々たる面々と共演されました

なかなかないですよね、こんな大先輩方と共演させていただくことは。それが毎日のように、言葉がちょっとあれですけど“とっかえひっかえ”(笑)で、すばらしい大先輩が目の前に現れるわけです。
サワちゃんは、本当にスーっと、いつの間にかおじいちゃま方の心の中に入り込む能力というか、コミュニケーション能力に長けている女の子。ですから、私自身が委縮したりとか、変なふうに気を張ったりすると、サワちゃんが“どうしてこういうおじいちゃんたちの所で、こういうふうに過ごせるのか”というのは演じられないと思ったんです。
初日の前日は、やはり大先輩と一緒にお芝居することがとにかく怖かったんです。自分にサワちゃんほどの器はないし…と思ってとても緊張していたんですけど、すごい方々だけど、“おじいちゃん”どころか“ジジイ”くらいの気持ちで挑もうって(笑)。私自身、コミュニケーションを大切に演じました。
監督はサワちゃんのような魅力のある人ですし、スタッフの方々もよく知っている方が多かったので、そこは少し無駄な気を張らずに現場にいられたのかなって思っています。

――これまでもさまざまな役柄を演じてこられましたが、安藤さんにとって、演じる楽しさ、作品を作る楽しさはどんなところでしょうか?

自分が普通に過ごしていたら絶対に気づかないことだったり、経験しないであろうこと、具体的な体験もそうですけど、精神的な経験というのも必ずあるんです。とても辛い経験になることもありますが、作品を通しての経験というのは何か不思議な感覚ですし、そこから学ぶことがたくさんあるんです。それは幸福なことだと感じますね、いつも。

すごく“生きる力”のある作品になっています

――それでは最後になりますが、この2つの作品をご覧になる方々にメッセージをお願いします

舞台挨拶で全国を回った際に、年齢・性別問わず、いろいろな方々とこの2つの作品を通してすごく共有できた感覚がありました。「百円の恋」は“今を生きるエネルギー”につながるし、「0.5ミリ」は“生きてゆくエネルギー”につながると思うんです。自分とどう向き合うか、人とどう関わるかっていうのを、この2つの作品を通して感じていただきたいです。すごく壮大な言葉になるけど、“人間で生まれてきてよかったな”って思える作品です。
個人的には「百円の恋」と「0.5ミリ」を2本立てで観ていただくのがおすすめです。

――私も2本続けて拝見しましたが、ぜひおすすめです

撮影時期は違えど、同じ時期に公開されたというのは何かのきっと縁がある2つの作品だと思います。実際に2つを合わせて見ると、違うベクトルですごく“生きる力”のある作品になっています。

 

PROFILE

TVLIFE Web安藤サクラインタビュー

安藤サクラ
あんどう・さくら…1986年2月18日生まれ。東京都出身。
2009年映画『愛のむきだし』で第31回ヨコハマ映画際助演女優賞受賞。
2014年、『0.5ミリ』で「第38回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞」「第29回高崎映画祭 最優秀主演女優賞」「第69回毎日映画コンクール 女優主演賞」「第19回日本インターネット映画大賞 主演女優賞」、『0.5ミリ』『百円の恋』で「第88回キネマ旬報ベスト・テン 主演女優賞」「第57回ブルーリボン賞 主演女優賞」「第24回日本映画批評家大賞 主演女優賞」とさまざまな賞に輝く。
最新作となる原作・よしもとばなな、監督・若木信吾の映画『白河夜船』が公開中。

公式サイト(http://www.humanite.co.jp/actor.html?id=16


作品情報

「0.5ミリ」

「0.5ミリ」DVD
好評発売中

公式サイト(http://www.05mm.ayapro.ne.jp/

特別限定版
5800円+税

映像特典(予定):劇場予告編
ボーナスディスク:メイキング、初日舞台挨拶

通常版
3800円+税

映像特典(予定):劇場予告編

★DVDレンタル同時スタート

■キャスト
安藤サクラ
織本順吉 木内みどり 土屋希望 井上竜夫 東出昌大 ベンガル
角替和枝/浅田美代子/坂田利夫
柄本明/草笛光子/津川雅彦

■スタッフ
監督・脚本:安藤桃子
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田瑛二
プロデューサー:長澤佳也
アソシエイト・プロデューサー:畠中鈴子
原作:「0.5ミリ」安藤桃子(幻冬舎文庫)
主題歌:「残照」寺尾紗穂
作詞・作曲:寺尾紗穂(アルバム「残照」収録)
企画:ゼロ・ピクチュアズ
制作:リアルプロダクツ
製作:ゼロ・ピクチュアズ リアルプロダクツ ユマニテ

発売元:「0.5ミリ」製作委員会
販売元:東映 東映ビデオ

(C)2013 ZERO PICTURES/REALPRODUCTS


「百円の恋」「百円の恋」Blu-ray&DVD
好評発売中

公式サイト(http://100yen-koi.jp/

特別限定版(Blu-ray)
6800+税

特別限定版(DVD)
5800円+税

特典(Blu-ray、DVD共通)
映像特典:予告(予定)
ボーナスディスク:ドキュメンタリー・オブ 「百円の恋」、「百円の恋」in東京国際映画祭、公開初日舞台挨拶、「武正晴×尾崎世界観」酒場対談
メイキング・オブ「100円の恋」(予定)、「100円の恋」in東京国際映画祭(予定)(レッドカーペット、舞台挨拶、Q&A)、公開初日舞台挨拶(予定)
初回特典(予定):豪華スリーブ、オリジナルブックレット
※初回特典は限定生産品。在庫がなくなり次第、通常の仕様での販売となります。

通常版(DVD)
3800円+税

映像特典:予告(予定)

■キャスト
安藤サクラ 新井浩文
稲川実代子 早織 宇野祥平 坂田聡 沖田裕樹
吉川界人 松浦慎一郎 伊藤洋三郎 重松収 根岸季衣

■スタッフ
監督:武正晴
脚本:足立紳(「第一回松田優作賞」グランプリ受賞作)
音楽:海田庄吾
主題歌:クリープハイプ「百八円の恋」(ユニバーサルミュージック)
企画協力:セントラル・アーツ オフィス作 ブレス
製作プロダクション:スタジオブルー
製作:東映ビデオ

販売元:東映株式会社
発売元:東映ビデオ株式会社

(C)2014東映ビデオ

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