9月10日(金)に全国公開される映画「浜の朝日の嘘つきどもと」の公開直前イベントが行われ、高畑充希、大久保佳代子、主題歌を歌うHakubiが登壇した。
「百万円と苦虫女」(08)、「ロマンスドール」(20)など多くの話題作を世に送り出して来たタナダユキ監督が、主演に高畑を迎えオリジナル脚本で挑んだ本作。福島県・南相馬に実在する映画館・朝日座を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ)が恩師と約束した“朝日座再建”のため、小さな“嘘”をついても映画館を守ろうと奮闘する物語。
イベント前に、映画の役柄である朝日座のもぎり嬢「茂木莉子」にちなみ、劇場で観客を出迎えた高畑。その感想を聞かれ「普段は映画を見てくれる方と直接お会いできないので、すごく新鮮でした。撮影時の朝日座のもぎり席を思い出して懐かしかったです。まさに“もぎり子”でした」と話した。
続いて先日、撮影から1年ぶりに福島を訪れた思い出を聞かれると、高畑は「去年も今年も変わらず、時間がゆっくりと流れていると感じ、とても癒やされました。あと、死んでも桃は食べて帰ると決めていたのですが、桃のスープを飲めてすごくうれしかった」と思い出を振り返った。大久保は「朝日座、すごくかっこよかったです。佇まい、雰囲気など、1年前を思い出し、ソファが破れているのですらかっこいい」と笑いを誘った。
Hakubiのボーカル・片桐は、主題歌を担当することが決まった時の気持ちを聞かれ「驚きや不安もありましたが、映画館のエンドロールに流れると思うとワクワクして取り組めた」と吐露。主題歌「栞」については「実際に本作の茉莉子先生のように、苦しくなった時に支えてくれた人がいて、その人を思い浮かべて作った」という曲に込めた思いを明かした。
以前の本作のイベントで「長ぜりふが大変だった」と撮影を振り返った大久保。バラエティと芝居の違いについて聞かれると「役者すごいって、出演するたびに思う。特に主役を張っている人は、瞬発力もあるし。バラエティも大変ですけど、ある程度適当にやっても時間が流れていくから。そんな感じで仕事しているのは反省しないとですけど」と語り、またも会場を笑わせた。
高畑は「例えばスタジオで芸人さんがたくさんいる撮影なんかは、始まった瞬間に皆さん、“パーン!”と、テンションが上がるので、驚くとこから始まります。皆さん本当に明るいので、自分的には楽しくいたのに、映っている自分を見返すと暗くて楽しくなさそうで、自分のテンションが行方不明になります」と告白した。
続いて話題は、コロナ禍で感じたそれぞれのエンターテインメントへの思いについて。片桐は「コロナ禍を通して、エンターテインメントはとても大切なものだと感じました。自分の心のよりどころだったと思うことが多くありました」と話し、高畑は「酸素という感じです。去年まであるのが当たり前だったので、無くなった時に苦しいと思った。エンタメが無くなっても死なないというけれど、私は死ぬのではないかと思います…こんな状況の中でもなんとかやれてますけど、良い流れになっていけばいいなと思うので、私たちは火が消えないように頑張らないとなと思っています」と語った。
イベントでは、Hakubiが主題歌「栞」スペシャルバージョンを披露。高畑は感動した様子で「あらためて歌詞もじっくり聴かせていただきましたが、あさひを思い出して、ウルッときました」とコメント。大久保も「すごくすてきでした。この曲が最後に待っている映画なんだからすてきに決まっている、皆さん大丈夫ですからね」と今から鑑賞する観客に呼びかけた。
最後に高畑は「1年前の夏に撮影をし、自粛空け最初の仕事で不安定な部分もあったので、映画の中にちりばめられているタナダ監督のせりふは自分に刺さるものが多かったです。いいタイミングでいい映画に携われたと思います。映画愛にあふれていて、メッセージ性もあるけど、気軽に見られたり、あとは大久保さんのかわいさに浸ったり…とてもほっこりするすてきな映画になりましたので、できれば映画館で見ていただけたらなと思います」と思いを語り、イベントを締めくくった。
イベント概要
映画「浜の朝日の噓つきどもと」公開直前イベント
2021年9月1日(水)ヒューマントラストシネマ渋谷 スクリーン1
登壇者:高畑充希、大久保佳代子、Hakubi(片桐、ヤスカワアル、マツイユウキ)
作品情報
「浜の朝日の嘘つきどもと」
2021年9月10日(金)全国公開/福島県先行公開中
公式サイト:hamano-asahi.jp
公式SNS:@hamano_asahi