10月10日(日)にスタートする日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』(TBS系 毎週(日)後9・00~9・54※初回25分拡大)の制作発表会が行われ、主演の小栗旬のほか、松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士、中村アン、國村隼、比嘉愛未、石橋蓮司、仲村トオル、香川照之が出席した。
「信じられるリーダーはいるか」というキャッチコピーの本作。主人公・天海啓示を演じた小栗は「信じられるリーダー」とは何かと聞かれると、「信じる力が強い人なのかな、と自分の中で結論が出ました。自分一人では何もできないので、自分を支えてくれる人たちを信じて、最後まで信じ抜く、という力を持った人が信じられるリーダーなのかなと思いましたね」と話した。
また、小栗は自身をリーダーっぽいなと思うことはあるかと聞かれ、「ないです(笑)。全然ないです」と謙遜。小栗と親交があるというウエンツは「僕は小栗さんはリーダーだと思ってますよ。基本かまってほしいタイプだと思うので、僕が、僕がって。実際小栗さんを頼ると頼りがいのある男であることは間違いない。今回僕が演じる役も、天海さん(小栗)に心酔していって、共に日本の危機を乗り越えるという部分があるので、それは天海の役どころでもあり、小栗さんの背中でもあるなと思いました」と語った。
主人公・天海の同期であり、大企業を束ねる父親を持ち、政財界にも顔が利く有力な若手官僚・常盤紘一を演じた松山は、演じるにあたって気を付けたことを聞かれ、「天海はどちらかというと前に進んでいくタイプですけど、常盤は周りとのバランスを調整していく立場だと思っています。必ず天海のような、前に進んでいく人っていうのは必要で、そういうリーダーシップを持った人をどうやったら生かしていけるのかいけるのかっていう。その調整をとっていく、というのが、わりと客観的に物事を見る立場の人間なんじゃないかなと思ってます」と。ムードメーカーのような場面も多い役どころだが、「会議とかでは重い話とかも出てくるので、その場の空気を重くさせすぎず、ゆるさも入れながら、そういうところもバランスとってやれたらいいなと思ってやってました」と話した。
小栗とは17年ぶりの共演となる松山。そのことについて小栗は「楽しかったです。いっぱい支えてもらいました。常盤にもマツケンにも」と。松山は「僕自身が常盤と全然違うタイプなんですよね。自分のことしか考えてない人間なので(笑)。だから、どうやったら客観的に物事を見ていけるのかっていうのを、どうしようかなって考えてた時に、小栗君を見てたんですね。小栗君は現場にいて、いろんな人と話してる。そしていろんな人のこと見てる。一人でぼーっとしてる人に近づいて行って、何してんの? とか言ってたり。あ、これだなと思って。そういうアンテナの張り方とか、立ち振る舞いがすごく参考になりました。ある意味常盤的な部分も持ち合わせてるんですよね。だから今回共演させていただいて、勉強になりましたし、天海が小栗君で本当に良かったと思いました」と語った。
そういった行動は誰かから教わったことなのかと聞かれた小栗は「結構そういうのを意識するようになった始まりは、香川照之さんですかね。自分がまだ20代前半だった時に、父の影響もあって、ちゃんと人の名前は覚えなさい、というふうに言われていて、現場に行ったときに自分よりも先にスタッフの名前を覚えていた方が香川さんで。その時に、上には上がいるもんだなと思って。それ以来そういうことは気を付けるようになったかもしれないですね」と明かした。
また、厚生労働省、外務省の官僚を演じたウエンツ、中村。役どころについて聞かれると、ウエンツは「若手官僚で、未来推進会議に抜擢されるということで。各省庁から能力のある人間が集まる中で、人柄としては、日本沈没というにわかに信じがたい出来事が迫っているということを知った時に、どれほどそれをリアルに感じられるか。信じるのが良くて信じないのが悪いというわけではなく、官僚として、国民を救うためにどれだけ準備をするのか。各省庁で違いがあって、そのバランスが楽しい部分になるかなと。あと、もともと持っている各省庁のパワーバランス。発言権だったり言葉の重さに関わってきていたので、一致団結するまでの各省庁間の争いというのもすごく見どころになるんじゃないかなと思います」と語った。
外務省の官僚を演じた中村は「私は帰国子女という役で、ちょっと自信のある向上心の強い役だったのですが、怒ったりすると英語が出ちゃうっていうところがあって、いきなり英語を単語で発しているんですけど、そこだけはどうしてもカットしてほしいなと思っております」と発言。
そして、日本未来推進会議を発足した張本人であり、東山総理大臣を演じた仲村は、役どころについて聞かれると「最高の責任者でありながら、実は最大の実力者ではないというような、物語の序盤は特に弱さや人としての小ささみたいなものが垣間見えるところからスタートして、最終回に向かって成長していく総理大臣のつもりで演じました。終わってみて自分の中でちょっと変わったなと思うのが、現役の政治家の方を見ると、とても優しいまなざしで見るようになりました。きっといろんな事情があるんだろうなとか、言えないことがたくさんあるんだろうなと思いながら政治家の先生を見るようになりました(笑)」と明かした。
その総理大臣が忖度をする、与党の最大派閥を率いる守旧派勢力のドン、副総理の里城を演じた石橋は「総理である仲村さんと対立することが多いんですけど…昔から共演していますが、今回の役を通してじっくりいじめさせていただきました。非常に快感でした(笑)」と冗談交じりに話した。
石橋の役に対して小栗は「今回の日本沈没の見どころは石橋蓮司だと思ってるんで。最初は怖い里城副総理が、だんだんチャーミングに見えてきて、途中駄々こねてる子供みたいに見えてくることもあって(笑)」と。香川も「今回のドラマの見どころは? って残り5秒くらいで言わされるじゃないですか。そしたらもう『石橋蓮司』ってこれしかないんです」と共感した。
政界のスクープを狙っている週刊誌記者・椎名実梨を演じた杏は「記者は、何かあるものを暴き出す、引っ張り出すというような職業だと思うんですけど、今回つかんだものが自分の思っていたものよりもずっとずっと重かったり、大きかった時に感じる事の重大さの衝撃みたいなものは演じていてすごく感じました。普段報道されているニュースとか記事は、いろんな思いが込められていたり、あるいはタイミングだったり言い方だったり一つ一つ考えられて世に出ているんだと普段の生活でも思うようになりました」と撮影後の心境の変化についても語った。
天海の妻を演じた比嘉は「どんな立場の方でも家族や大切な人がいて、日々いろんな心の葛藤があるじゃないですか。天海も官僚として、日本を沈没から守らなければいけない使命感と、一個人としての心の葛藤や孤独を抱えてるっていうのを、小栗さんは本当に繊細に、丁寧に演じてらっしゃって、きっとこれはたくさんの方に共感していただけるんじゃないかな、と妻の目線で感じたので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」と話した。
日本沈没説を真っ向から否定して、総理からは災害の専門家として信頼されている世良教授を演じた國村は「世良教授は原作にはないキャラクターで、学会の権威がある役ではあるんですけど、実は田所さん(香川)の才能に嫉妬している、逆に言うと非常に認めているというか。彼が主張する沈没説も、否定する中でどこかで『あるかも』と思っていたり。学者と政治的な立場と二足の草鞋を履かねばならぬ人の葛藤を実感しました」と役について話した。
日本地球物理学会の異端児の地震学者である田所雄介博士を演じた香川は「いろいろな環境の変化に国民が100%影響を受けていく中で、田所だけは一貫して同じことを言い続けて、影響を受けない、という意味ではこの中では一番やりやすい役だったのかもしれません。自分勝手な役はフィクションの上では作り出しやすいので、チャーミングで小ずるいところもいれながら、芸能界で如才なく生きているウエンツ君のキャラクターを参考にさせていただきました(笑)」と役どころについて話し、また「立場がある人は言いたいことでも言えないことがあって、失うものがない人はなんでも言える。このドラマの面白いところは、言えない立場である天海が、正しい方にいくために立場があるのに発言していくところ。そして動かしていく、というところがこのドラマの面白さだと思います」とドラマの見どころについても語った。
また、10月8日に誕生日を控えたウエンツ。会場ではウエンツを祝うサプライズが行われ、ウエンツは「10月8日に36歳になり、10月9日に『オールスター感謝祭』に出て、10月10日にドラマがスタートになるということで、非常にすてきな36歳になると信じております。イギリスに行ってお芝居をたくさん学んだので、36歳もお芝居がたくさんできる1年にしたいと思います」と意気込んだ。
最後に小栗は「さっき香川さんが言ったことが全てのような気もしますが…。なかなか言えない立場の人と、言える立場の人の中で、言えない立場の天海が一言一言さしていくことで、それぞれみんなとの関係性が変わりながら、未曾有の災難に立ち向かっていくというドラマになっています。ぜひ、最後まで見ていただけたらうれしいなと思っております」と見どころを語った。
日曜劇場『日本沈没-希望のひと-』
TBS系
2021年10月10日(日)スタート
毎週日曜 後9・00~9・54
初回25分拡大 後9・00~10・19
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