先日約7か月ぶりとなる配信シングル「18の東京」をリリースした安斉かれんさん。本作は18歳の時に都会の片隅で新たな自由を見出そうとする主人公が感じた屈折と野望を描いた曲。インタビューでは本作がリリースされるまでの背景や特にこだわった点などについて聞きました。
◆9月を皮切りに7作品連続でリリースするそうですが、第一弾として「18の東京」を選んだことについては何か特別な思いがあったのですか?
前作から7か月ぐらい期間が開いていたこともあり、心機一転の意味も込めて連続リリースをすることになりました。まず、その第1作目として「これまでの安斉かれんとは違う側面を見せたい」という考えがあったんです。初めてこの曲を聴いた時に疾走感のあるメロディーと今までとは違うキャッチーさを感じたので、ここからまたさらに加速をつけていくぞという決意も込めてこの曲を選びました。
◆この7か月間というのは安斉さんにとってどんな期間でしたか?
第二章の安斉かれんに向けた準備期間みたいな感じでしたね。今まではわりと頻繁にリリースするタイミングがあったんですけど、7か月間空いたことで、いい意味で立ち止まっていろんなものとじっくり向き合うことができたんです。みんなで新たなものに取り組んでいく中で、今まで以上に成長ができた期間でもあったと思います。
◆「18の東京」というタイトルに込めた思いは?
全国からいろんな人が夢や希望、キラキラしたものを求めて東京に来ると思うんですけど、その中で壁にぶち当たったりしながら、現実の厳しさを知って、良くも悪くも東京という街に染まり、馴染んでいくと思うんです。私も18歳の時に上京して、渋谷でショップ店員として働きながら歌手になるという夢を叶えるために頑張ってきたんですけど、いろんな試練や感情に押し潰されそうになりながらも、自分で答えを見つけてきたことで、ここまでたどり着くことができたんだなと思っていて。歌詞を書きながら、当時の気持ちを思い出して、原点に戻ることができて、ここから新たなスタートする私には「18の東京」というタイトルが一番しっくりきたんです。
◆18歳の時に感じた東京と今とはどのような違いがありますか?
もう、全てが違いますね。言い方が悪いかもしれないですが、東京って人間の汚い部分が一番見えてしまう街でもあると思っていて。でも、まっさらな気持ちで上京してきた18歳の自分がそれを身をもって知ったことで、今があると思うんです。東京というさまざまなものが渦巻く街の中で傷ついたり、落ち込んだりしながらも、希望を見つけて夢に向かって突き進んでいく成長過程のような感じで、私自身がどう変化していったのか、歌詞を通して知っていただけたらいいなと思います。あと、具体的に感じる違いで言うと、東京から離れて仕事をしてきた後に東京タワーを見たりすると「あ~帰ってきたな」ってどこか安心するのは18歳の時にはなかった感覚です。東京って窮屈なようで一番自由で、他人に対して冷めているけど、どこか温かみもある、なんだかんだ居心地がいい街だなと思います。そこは自分にも通じるところがあるような気がしますね。