11月13日(土)、年内に閉館がアナウンスされた東京・台場のZepp Tokyoにて新たなギターロックイベント『BACK TO STAGE』が開催される。
BACK TO STAGEは、コロナ禍以降にステージの機会が減ってしまった音楽業界の応援企画。夏に配信ライブやYouTube上でのアーティストインタビュー企画を行ってきた、BACK TO STAGE初のリアルイベントでは、いま日本のロックシーンの第一線で活躍するアーティスト、また今後のシーンを支えるであろうアーティストも含めた豪華4組のラインナップが出演する。
本記事では、いちガールズバンドから独自の世界観を描く無二のバンドへと進化している「yonige」について紐解いていく。
yonige
●大阪寝屋川出身。2013年結成。牛丸ありさ(Vo&Gt)、ごっきん(Ba&Cho)の2人からなるバンド。2021年8月に最新EPとなる「三千世界」をリリース。
“ヨニゲ”という不穏な響きを持つバンド名は、名前を考える際に目を閉じてキーボードを叩いたら“y”“n”“g”という文字列になったことに由来する。ヴォーカル&ギターの牛丸ありさとベースのごっきんは大阪府寝屋川市の出身で2013年に結成。当時はドラムも在籍し、3ピースだったが15年に脱退して、現在の牛丸とごっきんの二人体制となる。
14年6月にシングル「女の子の逆襲」を、同年11月には「恋と嘘と帰り道」をリリース。J-POPの定型句である「翼」「扉」「桜」「奇跡」とは無縁の10代、20代の女性の身近で起こることや心象風景を描いた歌詞を切れ味鋭いオルタナティヴ・ロック・サウンドと共に包み隠さずに差し出し、多くの人の共感を得ていくことになる。
そして、15年8月発表のミニ・アルバム『Coming Spring』収録の「アボガド」は、その共感をさらに押し広げ、yonigeという耳慣れない名前も手伝って、関西圏から全国区で注目を集めるように。恋人とケンカをしてアボガドを相手に投げつけ、その後別れることになった女性がその時の回想や思いをぶつける赤裸々な歌詞と疾走感のあるサウンドがシンクロし、まるでその場で傍観しているような感覚に引きずり込まれる。この曲で大きな話題を呼んだことをきっかけとして、ワーナーミュージックジャパンのレーベル「unBORDE」と契約を結ぶことになり、アルバム『girls like girls』でメジャー・デビューを果たすことになった。
メジャーというフィールドに上り詰めたが、音が大人しくなることも、ドキュメンタリーのような歌詞がフィクションになったりすることはなく、yonigeはyonigeとばかりに厚みを増したサウンドと共に躍進していくことになる。自身のツアーはもとより、各地のイベントや夏フェスで引っ張りだことなり、多くの経験を積んできた彼女たち。19年8月に日本武道館公演も実現させ、ひとつのピークにたどりついた。
いつしか恋愛の代弁者的なポジションにも祭り上げられたが、20年発表の2ndアルバム『健全な社会』は自分や近しい人の経験をベースにするのではなく、客観的な視点で人間関係を捉えた作品となり、彼女たちの成長を伺わせる内容となった。21年8月には6曲入りのミニ・アルバム『三千世界』を発表。それぞれの曲が異なる世界観を投影しており、今後のyonigeが進んでいく道を照らしているようだ。
コロナ禍でライヴの延期や中止がありつつも、感染対策をしっかりと行った上で可能な限りステージに立ってきたyonige。まさにBACK TO STAGEというタイトルにふさわしいパフォーマンスを見せてくれそうだ。
「BACK TO STAGE公演内容」
公演タイトル:NUARL MUSIC LIVE「BACK TO STAGE」
開演日時:2021年11月13日(土)開場16時/開演17時(予定)
会場:Zepp Tokyo 東京都江東区青海1-3-11
チケット代:5900円(税込)+1ドリンク代
チケット受付URL:https://w.pia.jp/t/backtostage/
出演アーティスト:サニーデイ・サービス、yonige、リーガルリリー、オレンジスパイニクラブ
NUARL MUSIC LIVE「BACK TO STAGE」公式HP https://nuarl.com/backtostage/