惜しまれつつも、2000年に解体という道を選んだロックバンド・WANDS。再始動を望む多くの声を受け、2019年に活動再開と三代目のVo.上原大史加入の発表を行うと、たちまち大きな話題を呼んだ。そして、Vo.上原大史、Gt.柴崎浩、Key.木村真也(活動休止中)からなる“第5期”WANDSの活動が満を持して始動。「試練だった」と上原が語るように、決して平たんではなかった道のりを越え、11月には活動3年目に突入する。そんな彼らが、11月3日(水)にニューシングル「YURA YURA」をリリース。「真っ赤なLip」以来、2度目となる『名探偵コナン』(日本テレビ系)のOPテーマに抜てきされた本作の聴きどころや制作秘話、WANDSへの思いなどをお聞きしました。
◆まず、「YURA YURA」の注目ポイントを教えてください。
柴崎浩:この1曲の中に、音楽的なアイディアがふんだんに盛り込まれているところですね。とにかくこだわって作ったので細部までじっくり聴いていただけるとうれしいなと思っています。通して聴いていただくのはもちろんですが、「この部分のこの音が好き!」といった感じで、じっくり聴きながら楽しんでもらうのもいいかなって。
上原大史:確かに。僕はシングル曲なので、いつもよりも開けた感じに聞こえるようにということを意識しながら歌いました。今までに聴いたことのない“上原大史の声”になっていると思うので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
◆『名探偵コナン』のOPテーマとなるのは本作で二度目となります。以前のOPテーマ「真っ赤なLip」とはまた違った雰囲気の楽曲ですね。
上原:そうですね。「真っ赤なLip」は始動する前にレコーディングをしたので、分からないことも多く、力を出しきれなかった部分があって。でも、「YURA YURA」はWANDSとしての活動を経て見つけてきたものを活かせましたし、あの時よりもいいテイクが録れたなと感じています。
◆“いいテイク”とは、特にどのような点ですか?
上原:先程の開けた感じという点もそうなのですが、勢いがあって、いい意味でレコーディングスタジオで録った感じにはなっていないんじゃないかなと。まるでステージでハンドマイクを使って歌っているような、そんな雰囲気を感じていただけると思います。
◆「YURA YURA」の制作にあたって、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
柴崎:落ちサビで歌とキーボードだけになる部分があるのですが、上原が歌入れをしている最中に、自然と新たなメロディーが生まれたんです。なので、他のサビとはメロディーが違う部分があるのですが、それが次のシーンに展開するのにすごくいい役割を果たしてくれていて。
◆確かに、とてもドラマチックに感じます。
柴崎:あと、曲の終盤にフェイクが入っているのですが、そこは「何かフェイク的なものを入れてくれ」というのを上原にリクエストして、丸ごとお任せしました(笑)。
◆それを受けて、上原さんがこだわった点などはありますか?
上原:僕が一番悩んだのは、サビの高音で伸ばす部分ですね。どのような歌い方が合うのだろうと試行錯誤していたら、とある方から「ライブでパフォーマンスしやすい歌い方で歌ってみたら?」というアドバイスをいただいて。自分なりに歌ってみたところ、結果として「サビがいい」と言ってくださる方が多かったので、今後もこういった歌い方を取り入れていきたいなと思いました。