吉田沙世インタビュー「橘は刺激を与えるスパイスみたいな存在」『それでも愛を誓いますか?』

特集・インタビュー
2021年11月13日

吉田沙世インタビュー

松本まりかさん主演のドラマ『それでも愛を誓いますか?』(テレビ朝日/ABCテレビ)に出演中の吉田沙世さんにインタビュー。本作では、松本さん演じる主人公・純と対照的なクールな一匹狼のキャラクター・橘野明役に挑戦。ドラマ出演2作目ながらも「橘らしさが出せた」と話す現場の雰囲気や、松本さんとの撮影エピソードを教えてくれました。

◆結婚8年目を迎えたセックスレスの夫婦の苦悩や葛藤を描いた本作。脚本を読んだ感想は?

すごくリアリティーのある題材を繊細に描いた、大人のラブストーリーという印象でした。そして主人公以外のキャラクターにも悩みや葛藤があって、それぞれの感情のきれいな部分だけを見せるというよりは、見ている方も共感できるような人間らしいところが映し出されていると思います。

吉田沙世インタビュー

◆吉田さんが演じる橘は、契約社員として働き始めた純(松本)に思いを寄せる同僚・真山(藤原季節)と同期の社員という役どころ。演じる上で意識したことはありますか?

まず原作のファンだったので、その登場人物に選んでいただいたのが本当にうれしかったです。橘は相手にとって触れられたくないようなことをはっきり言うところがあるのですが、それは彼女なりの気遣いなんですよね。私も最初は、どこか守ってあげたくなる雰囲気をまとう純とは正反対の“クールでサバサバしている女性”というイメージで考えていました。でも、広瀬(奈々子)監督から「ここはもう少し柔らかく」といったアドバイスを受け、シーンごとに彼女の女性らしさや強さ、弱さを違った感じで引き出すことができました。

吉田沙世インタビュー

◆橘は真山の唯一の理解者でもあり、純や真山に新たな気付きを与えるキーパーソンでもありますよね。

橘は、真山に対して共通点を感じることが多いんだと思います。それぞれ信念のようなものを内に秘めていて、一匹狼な雰囲気をまといつつも次第に心を許していく仲間のような感覚。現場で藤原さんに初めてお会いしたときもクールな印象だったので、役柄同様、少しずつ距離が縮まった気がします。松本さんからは「私も純らしさが出せるから、感じるままにやってみていいよ」と声をかけていただきました。この言葉のおかげで、私も橘らしさを出せたのかなと思います。橘も苦い経験をしているからこそ、純と真山には踏み外してほしくないという思いもあって2人を放っておけないというか。そういう意味では、純や真山に刺激を与えるスパイスみたいな存在だと思います。

◆第6話(11月13日放送)では、真山と橘の関係にも変化が。橘が真山に抱く感情は恋?友情?

橘にとって真山がどういう存在なのかを考えると、せりふにもあった「うれしいことがあったときに3番目に報告する友達」という説明が私としては一番しっくりきます。この表現こそが、恋愛でもなくただの男友達でもない、その微妙な関係を伝える言葉なんじゃないかなって。ただ橘は、真山が純を思う気持ちにも気づいてるので。目の前にいる自分を気遣うのではなく、その思いを大事にしたらいいのに…という複雑な思いもあるかもしれません。そんな真山と橘のお互いの感情が垣間見える重要なシーンで、藤原さんと「こういうせりふを言ったらどう思うかな?」と丁寧に話し合いながらできたのはすごくよかったなと思います。

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◆今作でドラマ出演2作目になりますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

撮影初日は本当に緊張していましたが、スタッフさんや共演者の方が気さくに話してくださったので安心して撮影に挑むことができました。劇中での真山は前髪を下ろしてマスクをしているのですが、実はちょっとずつ前髪を切られていて(笑)。現場でも、松本さんが「もうちょっと切ったほうがいいんじゃない?」と声をかけたりして話題になることが多かったです。ちょっとずつ変わっていっているみたいなので、真山のヘアスタイルにも注目していただけたら(笑)。現場のムードメーカーは藤谷さん(松澤匠)です。私はご一緒するタイミングが少なかったのですが、松本さんとも長くお芝居されているようで、藤原さんも「松澤さんはコミュ力が高いから安心する」とおっしゃっていました(笑)。

◆この現場で成長したと感じたことや、今後の目標はありますか?

とにかくリアルさを追求した作品だったので、お芝居の間合いを十分に取ってくださる現場でした。私は緊張すると、どうしても焦ってしまうところがあって。でも今回、監督から「相手の言葉を受けて、感じて耳を澄ませてください」という言葉をかけていただいて。人間は会話によって心が何かを感じていて、お芝居でもそういう感情の動きが大事だということを学びました。それから“女性らしさ”にもさまざまな形があることを感じたので、今後も1つひとつの作品を通じてさまざまな女性像を表現できたらと思います。

吉田沙世インタビュー

PROFILE

●よしだ・さよ…1990年2月8日生まれ。愛知県出身。「SPRiNG」「InRed」などでモデルとして活躍中。『オー!マイ・ボス!恋は別冊で!』(TBS系)で女優デビューを果たす。

番組情報

『それでも愛を誓いますか?』
テレビ朝日(関東)毎週(土)深2・30~3・00
ABCテレビ(関西)毎週(日)後11・25~11・55
※放送時間変更の場合あり

<STAFF&CAST>
原作:萩原ケイク
脚本:兵藤るり、鈴木史子、川原杏奈
監督:広瀬奈々子、森本晶一、橋本英樹、渡邉裕也
チーフプロデューサー:山崎宏太
プロデューサー:松本太一、奈良井正巳、伊藤正昭
出演:松本まりか、藤原季節、松澤匠、松岡依都美、吉田沙世、菅原大吉、酒井若菜、池内博之ほか

<第6話(テレビ朝日・11月13日放送/ABCテレビ・11月14日放送)ストーリー>
武頼(池内博之)と、夫婦としてお互いきちんと向き合うことを確認し合った純(松本まりか)は、意を決し沙織(酒井若菜)に会いに行く。純は“妻の務め”として、夫を支える姿勢を示すも、沙織からはその“義務感”が武頼を追い詰めていると反論されてしまう。純と対峙しても動じることのない沙織に、逆にたじろいでしまう純。しかし、そんな沙織もまた、職場の学校では、武頼のことが原因で立場を危うくしていた。そんな中、純は正社員を目指して泊まりがけの社員研修へと出かける。

●photo/中田智章 text/山下紗貴 hair&make/小松胡桃(ROI) styling/ゴトウカナエ

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