昨年、そして今年と2年連続で『M-1グランプリ』の決勝進出を果たした錦鯉。史上最年長ファイナリストとして注目を集める彼らが、初の自叙伝『くすぶり中年の逆襲』を刊行。自分たちの半生を余すことなく、赤裸々に、そして爆笑の掛け合いで綴った本作。「本を出すのは夢だった」と語る彼らに、著書に込めた思い、そして開催を間近に控えるM-1決勝に懸ける思いを直撃した!
◆先月、初の自叙伝『くすぶり中年の逆襲』を上梓されました。まずは、出版に至った経緯を教えていただけますか?
長谷川雅紀:ボクが昨年の『M-1グランプリ2020』の記者会見で、「人生大逆転みたいな本を出したい」と話したんです。そしたらその後、新潮社さんから「本を出しませんか?」と言っていただいて。め~っちゃくちゃうれしかったですね! なんせ、本やDVDが店頭に並ぶというのは、デビューしたころからの憧れだったんです。本当に夢がかなって、“言霊というのはあるんだな”と思いました。本気でやりたいと思っていることは、ちゃんと口にしたほうがいいんですね。
渡辺隆:僕はまさかこんなにちゃんとした本になるとは思いませんでした(笑)。ですから、出来上がった時はびっくりしました。
長谷川:どういうのをイメージしてたの?
渡辺:ホッチキスで止めてあるような、冊子みたいなものかなって思ってた(笑)。そしたら、ちゃんと本の形をしていて。当たり前だけど、名前もちゃんと入っていて(笑)、うれしかったですね。
◆拝読しましたが、お2人の半生が軽快な掛け合いで展開されていくので、ずっと漫才を見ているかのように一気に読めました。
渡辺:雅紀さんでも読めたんで、すごく読みやすいと思いますよ。雅紀さんはこれまで、文字だけの本を5冊しか読んだことがないんです。これが6冊目なんです。
長谷川:そうなんです。人に勧められて読んだ小説を5冊だけ。
◆ちなみにその5冊というのは?
長谷川:『東京タワー』(リリー・フランキー)と『夜のピクニック』(恩田陸)と『電車男』(中野独人)と『告白』(湊かなえ)。それと、『ルビンの壺が割れた』(宿野かほる)。『東京タワー』は夜中に一人でファミレスで読んで泣きましたね。恥ずかしかったです(笑)。