3月19日(土)放送の土曜ドラマ『エンディングカット』(NHK総合)で、迫田和俊役を演じる佐藤隆太さん。
エンディングカットとは、納棺師の技術を持つ理美容師が遺族の声に耳を傾けながら故人の髪をカットやカラーなどヘアーセットすること。慌ただしい葬儀の作業に追われる遺族にとって、約2時間のエンディングカットは故人との最期の別れの時間を生み出していく。
誰もが避けては通れない“大切な人の死”に、残された家族は何ができるのか。そんな問いをテーマに、本作では2019年に「FMシアター」で放送し、令和元年度文化庁芸術祭ラジオ部門大賞を受賞した作品を、芦田愛菜を再び主演に据えてテレビドラマ化する。
迫田和俊は結(芦田愛菜)の父親で、妻の七海(広末涼子)とともに海辺の町で小さな美容室を営んでいる。ある日、店を七海に任せきりで葬儀場に赴くところを結に見つかってしまう。
ドラマとしてリメイクされる本作について「映像化したときに前回作り上げた世界観を崩したくないなというプレッシャーがありました」と振り返る佐藤さん。印象に残っているシーンや本作を通して感じたことについて、お話しいただきました。
佐藤隆太 インタビュー
◆本作はオーディオドラマが原作ですが、映像化されると聞いていかがでしたか。
同じメンバーでドラマ化されると聞いて、とてもうれしかったです。と同時に、映像化したときに前回作り上げた世界観を崩したくないなというプレッシャーがありました。
◆テレビドラマ版の脚本を初めて読んだ時の感想を教えてください。
オーディオドラマのときに感じた家族の暖かさをしっかりと感じられました。さらに、細かい部分まで描写が増えていたので、懐かしさもありながら新しくなった「エンディングカット」と出会えた、という印象です。オーディオドラマを聞いてくださった方にも、前回以上に楽しんでいただきたい、と思っています。
◆実際のエンディングカットの活動についてどのように感じているのでしょう。
オーディオドラマに参加したときに初めてそういうお仕事があるということを知りました。故人様を生前のように綺麗な状態で送りだすことがお仕事のメインのように見えますが、その中でご家族の方が故人様としっかり向き合ってお別れをできる時間を提供することが本質だと感じています。
◆本作で印象に残っているシーンはありますか。
やはりエンディングカットの場所にいるシーンでしょうか。エンディングカットが、悲しみであったり、家族内の距離感であったり…そんな隙間を埋めてくれる時間になっていて胸を打たれました。この作品を見て初めてエンディングカットというものを知る方にも、さまざまなことを感じ取ってもらえると思います。
◆芦田愛菜さん、広末涼子さんと再び共演して、どんなことを感じましたか。
生きることと別れを切り取った作品なので、つらいシーンが続くのは仕方ないことですが、その中で愛菜ちゃんは見事な集中力で演じ切っていて刺激をもらいました。お母さん役の広末さんも本当に素晴らしかったし、感謝しています。この3人で1つの家族を演じられたということがうれしかったですし、演者としてとても勉強になりました。
◆このドラマを視聴者の方にどのように見てほしいですか。
僕自身はエンディングカットというお仕事とその時間がとても豊かな時間になると思っているので、まずはエンディングカットというお仕事を知っていただき、その空気を感じ取ってほしいです。
◆視聴者の方へメッセージをお願いします。
人生の最期を切り取った作品ではありますが、家族の温かみを存分に感じられる作品になっていると思います。何といっても、愛菜ちゃんと涼子さんが素晴らしいです。土曜ドラマ『エンディングカット』ぜひ、ご覧になってください。
番組情報
土曜ドラマ『エンディングカット』
NHK総合
2022年3月19日(土)後9・00~10・13
©NHK