3月18日(金)よりAmazon Prime Videoで独占配信を開始するドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』に出演する波瑠さんと瀬戸康史さん。「夢をかなえるゾウ」の水野敬也氏による著書「運命の恋をかなえるスタンダール」を映像化した本作では、自分に自信が持てないヒロインが恋愛を通して成長していく姿が描かれる。インタビューでは本作の見どころや撮影中の裏話などについて聞きました。
◆台本を読んでどんな感想をお持ちになりましたか?
波瑠:私が演じる聡子がスタンダール(小日向文世)と出会い、悩みながらも成長する姿に夢中になって読み進めました。今回は最初にまとめて台本を頂けて。残り2話あたりのところまで一気読みしてしまったので「続きが気になる!」という、視聴者の皆さんと同じ気持ちを味わっていました(笑)。今作は、聡子が幸せになるための過程が描かれていて読みながら何度も「頑張れ、聡子」と声をかけたくなりました。幸せになるためには、自分自身のダメな部分も見つめなければならない。コンプレックスと向き合うことは、痛みを伴う作業でもあります。台本を読んでいる間から、聡子の痛みを自分のことのように感じてしまいました。
瀬戸:僕もいろんな想像をしながら、楽しく台本を読むことができました。 聡子の妄想世界としての19世紀のフランスをどう表現するんだろうとか、こひさん(小日向)はスタンダールをどう演じるんだろうとか。結果的にはテンポがよくて、面白い作品に仕上がったと思います。僕が演じる涼介は、最初は全く本心が見えてこないつかみどころのない人。どこに軸を置くべきかがすごく難しかったです。
◆イケメンで紳士的と表現される涼介ですが、演じる上では共感できる部分を探っていかれたのでしょうか?
瀬戸:彼が抱えている心の中のモヤモヤについてはよく分かるなと思いました。共感できるところというよりは、そこをヒントに演じていこうと。
◆なるほど。恋に臆病で自分に自信が持てない聡子と波瑠さん自身が重なる部分は?
波瑠:似ている部分というと、自分の世界に没頭していくところでしょうか。聡子って外では地味な格好をしているけれど、自宅や部屋着はカラフルでかわいらしいんです。自宅が唯一、自分を解放できる安全地帯になっている状態なところは私もすごく似ています。自分の好きなものに夢中になる感覚や逃避するっていう気持ちもすごくよく分かりますね。
◆聡子にとっては、本の世界が心のよりどころに。波瑠さんにとっての逃避方法とは?
波瑠:一人になることと、変な部屋着を着ることですね。
瀬戸:変な部屋着? それはぜひくわしく聞かないと!(笑)
波瑠:バナナが書いてあるTシャツとかを着ています(笑)。家では「こんな格好じゃどこにも行けないよ!」っていう状態で過ごしたいんですよ。スーツを着ていた学校の先生が、部活にはジャージを着てくるみたいな感覚に近いかも。
瀬戸:なるほど! わざわざ部屋着になりそうな変な服を探してるってこと?
波瑠:そうそう(笑)。「さつまいも トレーナー」で検索したり(笑)。
瀬戸:結構ピンポイントなんだ(笑)。
◆ちなみに、瀬戸さんにとっての現実逃避アイテムは?
瀬戸:なんでしょう…。やっぱり絵を描くことですかね。
波瑠:すごい上手ですよね。うらやましいです。
瀬戸:趣味としてタブレットで気軽に描いているだけなんですけど。多分、描くということで自分が感じた何かしらの心情を表わすことができているんだと思います。
◆瀬戸さんから見て、聡子の生き方はどう感じましたか?
瀬戸:周りに流されず、自分らしく生きている姿がカッコいいなと思いました。ちゃんと自分の考え方を持って、好きなものを大事にしている。そういう生き方はあこがれますし、絶対体にとっても心にとっても健康的だと思います。
◆本作の見どころの一つが、涼介を『レ・ミゼラブル』のマリウスに重ね合わせる聡子の妄想シーン。中世フランスの衣装での撮影はいかがでしたか?
瀬戸:ものすごく大変でした(笑)。
波瑠:あのドレス、お手伝いをしてもらわないと着られないんですよ。「これはこのドラマならではの醍醐味だ!」と思って、コスプレ気分で楽しんでいました。撮影がまだ暑い時期だったので、そこも大変でしたね。
瀬戸:暑かったね。僕らも大変でしたけど、こひさん(小日向)は体大きくするための細工がされた衣装だったので、中に保冷剤を仕込んでいたりしていました。
波瑠:お布団を着ているみたいな状態でしたもんね。スタンダールの衣装を着ていない小日向さんとお会いしたとき「あれ、小日向さんってこんなに小さかったっけ?」って思ってしまうくらい印象が違ってびっくりしました(笑)。
◆涼介がマリウスとして発するロマンチックなせりふも印象的でした。
瀬戸:それはもう、あの衣装を着ると自然と言えましたね(笑)
波瑠:すごくお似合いでしたよ。
瀬戸:ありがとうございます! 僕の体格に合わせて作っていただいたんですよ。せっかく用意していただいたんですけど、意外と着用する場面は多くなかったんですよね。せっかくなので、聡子にはもうちょっと多めに妄想していてほしかったです(笑)。
◆撮影中の思い出深いエピソードを教えてください。
瀬戸:涼介がよく行くバーのシーン。マスター役で山内圭哉さんが出演されているんですが、とにかく僕を笑わせてくるんですよ(笑)。久しぶりに、笑いが堪えられない状態になりました。
波瑠:えっ、あのシーンでですか?(笑)
瀬戸:そう(笑)。結構真剣な顔をしなきゃいけなくて、シリアスなシーンも多かったんですけど(笑)。監督も「どんどんやっていいよ」という感じだったので、もうお構いなしでした。
波瑠:私はエピソードというか、撮影中からずっと瀬戸さんに聞いてみたかったことがあるんですけど…。
瀬戸:なんでしょう?
波瑠:マリウスになっている妄想シーンって、どんな感覚で演じられていたんですか? マリウスのときの涼介さんは聡子の願望を言ってくれる人で。あのシーンは聡子の妄想であって、涼介の思いとしてのせりふではないじゃないですか。
瀬戸:僕としては、完全に別箇(の役)なイメージでした。もちろん、涼介として見えてもらえてもいいかなって。マリウスとして、涼介として、どちらに見えてもいいようには意識していたとは思います。
波瑠:そうだったんですね。あのときの涼介さんってまさに“胸キュン職人”じゃないですか。すごい役を任されているなぁと思っていました。
瀬戸:胸キュン職人ってネーミングいいね!(笑)
◆聡子と涼介が出会う場所は図書館。お二人にとって、図書館とはどんな場所?
波瑠:ワクワクするところでした。本は日焼けを防ぐために、建物の中でもあまり日の当たらない、ひんやりする場所にあるんですよね。涼しかったので夏休みにもよく利用していました。
瀬戸:それって学校の図書室?
波瑠:学校の図書室も、町の図書館にもよく通ってましたよ。近所の図書館は小規模だったので、大きい図書館に自転車で遠出していたんです。「世の中には、こんなにいっぱい本があるんだ!」と浸ってから好きな本を1、2冊借りて帰る…ということを繰り返していました。
瀬戸:そうなんだ。僕はまったく図書館の思い出が浮かばない。
波瑠:きっと、友達が多かったんですよ。日の当たる場所で遊んでいた時間が長いから、あんまり記憶に残っていないのかも…。
瀬戸:そうなのかな(笑)。小学校の図書室には行ってた気がする。当時『ブラック・ジャック』がはやっていたからそれを読んでたかなぁ。もっと幼いときは『かいけつゾロリ』とか。
波瑠:懐かしい~!
◆聡子が自分自身の魅力を見つけていく場面にちなんで、お互いの魅力的な一面を教えてください。
瀬戸:波瑠ちゃんは強い。少なくとも人前では絶対に折れないでしょうし、ブレないんです。10代のころから知ってますが、ずっと変わらない。変わらないっていうのがまたすごいなと思いました。
波瑠:頑固なんです(笑)。私は逆に、瀬戸さんのマイルドさにたくさん救われています。瀬戸さんって、あまり感情を分かりやすく出さないんです。私は結構はっきりと「これはどういうことなんですか?」って聞いてしまうタイプ。
瀬戸:あと、今回の作品で言うと手紙を読むシーンがすごくすてきだった。
波瑠:ホントですか? うれしい!
瀬戸:声のトーンや滑舌も、本当に聞き取りやすくて。うらやましいです。
◆朗読といえば、図書館での読み聞かせのシーンも登場しますね。
波瑠:絵本の読み聞かせは、思っていた以上に難しかったです。楽しく感情を込めて読むイメージがあったんですけど、図書館の職員の方の読み聞かせってサラッと読むことを意識されているそうなんです。
瀬戸:それって、聞き手に想像させるためにってこと?
波瑠:読む側の解釈を、勝手に混ぜないようにするためなんだと思います。聡子はただでさえ静かなタイプなのに、読み聞かせの時はさらに淡々としていて。演じながら、子供たちは楽しんでくれているのか心配になってしまうくらいだったんですが、皆ものすごく真剣に聞いてくれていました。イメージと違うことをいくつか発見できて、面白かったです。
◆では最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
波瑠:どんなに一人が好きだと思っていても、人間は自分以外の人に関わってもらわないと動かせない感情が必ずあると思うんです。この作品を通して、他人に背中を押してもらったり、自分自身を受け止めてもらったりすることで人は成長していくんだなと強く感じました。1話30分という、週末の一気見にもちょうど良い長さのストーリーです。ぜひ楽しんでください。
瀬戸:今作はひと言で言うと勇気をもらえる作品。聡子さんは本当にどんどん成長していくので、その姿に心打たれますし「自分も頑張ろう!」と思えるはずです。もちろん、挑戦していく中で失敗もあります。でも次に起こす行動こそが、すごく大事。物事に真摯に向き合っていく聡子や涼介の姿が見てくださる方にとって何らかのヒントになってくれたらうれしいです。
PROFILE
●はる…1991年6月17日生まれ。東京都出身。O型。最近の主な出演作はドラマ『ナイト・ドクター』『愛しい嘘~優しい闇』など。
●せと・こうじ…1988年5月18日生まれ。福岡県出身。A型。最近の主な出演作は映画「コンフィデンスマンJP-英雄編-」「愛なのに」など。
番組情報
『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』
2022年3月18日(金)よりAmazon Prime Videoにて独占配信開始
原作:水野敬也「運命の恋をかなえるスタンダール」(文響社)
脚本:櫻井智也、神森万里江
監督:前田哲
出演:波瑠、瀬戸康史、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、馬場園梓、織田梨沙、小野花梨、尾身としのり、池内博之/小日向文世
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<応募締切>
2022年3月25日(金)23:59
●photo/小澤正朗 text/桜居 和 hair&make/犬木愛(波瑠)、須賀元子(瀬戸)styling/門馬ちひろ(波瑠)、小林洋治郎(Yolken)(瀬戸)衣装協力/FORSOMEONE、EDSTROM OFFICE、FACTOTUM、Sian PR、MAISON SPECIAL、MAISON SPECIAL AOYAMA(瀬戸)