なんとなく不登校で、夜眠れなくなった中学2年生の夜守コウが、吸血鬼になろうとする姿を描くTVアニメ『よふかしのうた』。コウに夜の楽しさを教え、人間が吸血鬼になるには「人が、吸血鬼に恋をすること」が必要だと教えたのが七草ナズナだ。今回は、そのナズナを演じる雨宮天さんにインタビュー。吸血鬼という特殊なキャラクターであるナズナについてや、こだわっているという吸血音、自身の夜にまつわるエピソードなど、プライベートについても聞きました。
◆ナズナは夜の楽しさをコウに教える存在ですが、雨宮さんは夜のどんなところが魅力的だと思いますか?
夜って、開放的でありながら、自分を隠してくれる感じもありますよね。そういう気楽さ、自由さが魅力的なのかなと思っています。ただ私、すごく怖がりで、人といる時は開放的だなと思えるんですが、1人の時は夜が怖くて。お化けが出るんじゃないかって、ソワソワします(笑)。
◆『よふかしのうた』に登場するのは、お化けではなく吸血鬼ですが、そのなかでナズナにはどんな印象がありましたか?
夜の持つ魅力をそのまま形にしたような人ですね。見ているだけでドキドキ、ワクワクする。人を引きつけるカリスマ性がありながら、実際は男子中学生みたいな子どもっぽさもあって。そのギャップも好きですね。
◆ビジュアル的に好きなところはありますか?
コートを着ている時はボーイッシュだけど、コートを脱いでもすごくエッチなわけじゃなくて、表情が合わさると色気が出てくるところ。色気といっても、健康的な感じで、イケメン感があるんですよね。そのバランスがいいなと思いました。
◆ナズナ役はオーディションだったそうですが、オーディションではどんなお芝居を考えていましたか?
基本的には原作を読んで、頭の中で流れてきた声で演じる感じでした。ただ、冒頭からナズナの色っぽさやかっこよさ、妖しさが出ていましたから、そこは意識したかったし、普通の声、普通の喋りじゃないだろうという気持ちもありました。だから、原作を読んでどういう声だったらしっくりくるのかを自分なりの声で演じた感じです。
◆アフレコでナズナを演じる際は、どんなことを大切にしていますか?
ナズナは人を狂わすカリスマ性と子どもっぽさのあるキャラクターなので、その両方を派手に出したいなと思ったんです。物語が進むと、どんどん子どもっぽい部分が出てくるんですが、それでも吸血鬼モードのカリスマ性は失いたくなくて。そこは気合いを入れつつ、毎回ミステリアスに、色気を感じてもらえるように心がけています。最終的にはどこまで行っても計り知れない感じがあってほしいなと。ただ、実は物語が進んで「もっとオジサンっぽく」というディレクションもあったんですよ。
◆オジサンっぽく、ですか?
最初に「オジサンっぽく」と言われた時、私の思うオジサン像で演じてみたら「もっとオジサンっぽく」と言われて。それでちょっとべらんめえ調にしたり、巻き舌にして喋ったりしています。