長澤まさみ主演の『エルピス―希望、あるいは災い―』(カンテレ・フジテレビ系全国ネット 午後10時〜)が、10月期の月10ドラマとして放送決定。長澤のほか、眞栄田郷敦、鈴木亮平の出演も発表され、3名と脚本・渡辺あやらスタッフ陣からコメントが到着した。
『コンフィデンスマンJP』以来、長澤まさみにとって4年半ぶりの連続ドラマ主演作となる本作は、実在の複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント作品。
スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤)と彼女に共鳴した仲間たちが、犯人とされた男の死刑が確定した、10代の女性が連続して殺害された事件のえん罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く。
長澤演じる主人公の恵那は、大洋テレビのアナウンサー。入社当初は抜群の容姿と好感度の高さから「10年に1人の逸材」と持てはやされ、本人の報道志向もあり、ゴールデンタイムのニュース番組のサブキャスターを担当。
しかし、複数番組を担当する激務のなかで次第に疲弊していき、徐々に人気に陰りが見え始めたところで週刊誌に路上キス写真を撮影され、ニュース番組を降板することに。
現在は、社内や視聴者から「落ちぶれた」と後ろ指をさされながら、“制作者の墓場”と揶揄される深夜の情報番組『フライデーボンボン』のコーナーMCを担当。物語では、番組で見せる華やかなアナウンサーの表情とは異なる、恵那が抱える葛藤・苦悩が随所で描かれていく。
そして、眞栄田郷敦演じる拓朗は、恵那と共に行動する、『フライデーボンボン』で芸能ニュースを担当する新米ディレクターだ。弁護士夫婦の息子として裕福な生活を送り、エスカレーター式に名門私立大学へ進学。なんとなく始めた就活で大洋テレビに採用され、制作部に配属される。
家庭環境とルックスも相まって自己評価が高く、能天気でマイペースな性格だが、ディレクターとしての実力・評価は低く、現場では怒られてばかり。一見、何不自由ない人生を送っているように見える拓朗だが、実は彼もまた“自分の価値”を失った過去の出来事を記憶の底に抱えている人間だった。
物語は、ひょんなことから拓朗が連続殺人事件の犯人とされる死刑囚のえん罪疑惑を知り、恵那に持ち掛けるところから始まる。恵那とは対照的に世間知らずで空気が読めない拓朗の行動は、時に恵那を感化することも。そんな恵那と拓朗のコンビが、巨大な組織に対して、時に傷つき、時に足並みが乱れながらも真相に向かっていく。
いっぽう、鈴木亮平が演じるのは、大洋テレビ報道局のエース記者・斎藤正一。拓朗の新入社員時代に指導を担当していた縁で、恵那と拓朗が追うえん罪疑惑について相談に乗ることに。面倒見がいい先輩として、政権中枢の要人とも懇意な間柄の官邸キャップとして、斎藤の存在は2人にとって大きな味方となる。
脚本は、連続テレビ小説『カーネーション』や映画「ジョゼと虎と魚たち」をはじめ、数々の名作ドラマ・映画を世に送り出し、本作で初めて民放連続ドラマの執筆を手掛ける渡辺あや。演出は、長澤も出演した映画「モテキ」や「バクマン。」をはじめ、こちらも数多くのヒット作の監督を務めてきた大根仁と、強力なスタッフ陣が集結した。
発表に当たり、長澤は「世の中にある正義って、具体的に何を指しているのか戸惑うことがあります。自分の正義を貫くことも容易ではないし、人それぞれひたむきに今と戦っているんだなって思います。目の前に起こることに夢中になって、明日を生きる。そんなふうに人生を歩めたらいいなと思いました」と心境を。
最後は「スピード感のある作品になるのではないかと思います。登場人物それぞれの息づかいを感じて、自分を重ね合わせて見てもらいたい作品です。最後まで何が起こるか、見届けて下さい」と見どころをアピールした。長澤をはじめ、3名とスタッフ陣のコメント全文は、次ページに掲載。