8月20日(土)放送の特集ドラマ 『ももさんと7人のパパゲーノ』(NHK総合 午後11時~11時59分)で、主人公・ももさん役を演じる伊藤沙莉のコメントが到着した。
主人公・ももさんには、これまで誰にも言わなかった言葉がある。それは「死にたい」。ある夏、ひょんなことから旅に出たももさんは、それぞれに生きづらさと折り合う7人と出会う。本作では「死にたい」自分を肯定する、1週間の物語を加藤拓也による脚本で描いていく。
劇中でももさんが出会う「パパゲーノ」とは、「死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人」のことを指す。オーストリアのメディア研究では、こうした経験を持つ人のストーリーを伝えることが自殺を思い留まる抑止力になると示され、オペラ「魔笛」の登場人物に準えて「パパゲーノ効果」と呼ばれている。
また、「もも」という名前はNHKが運営するサイト「自殺と向き合う」に日々寄せられる「死にたい」「生きるのがつらい」という投稿の中で、最も多く使われるニックネーム。ももさんの人物像やももさんが出会う「7人のパパゲーノ」たちの生きざまは、サイトに寄せられた投稿や当事者への取材を基に構築しているという。
本作への出演について、伊藤は「普段気持ちや状態をどこか作って生きているようなモヤモヤとした疲れみたいなものが現れたらいいなと思い、あえて作り込むようなことはしませんでした」と明かし「押し付けるのではなく寄り添う作品になったんじゃないかと思います。私自身、みんなそうだと言われることに何故か怯えていたところがありました。きっとそれは弱い自分に対する否定の言葉に聞こえていたからだと思います。ですがこの作品を通して みんなそうだ。だからいいんだよ。大丈夫だよ。と伝えられたらいいなと思います。暗くない、不安にならない、むしろ共感や自身の肯定のなかで穏やかに観ていただけたらうれしいです」と語っている。
伊藤沙莉 コメント全文
◆『ももさんと7人のパパゲーノ』に出演が決まった際の、率直な感想を教えてください。
やりがいのあることだなと思いましたし、今、届けたいなと思うこと、伝わるといいなと思うことが作品を通してできるのは俳優冥利に尽きることだと思いました。
◆脚本の加藤拓也さん作品にご出演されるのは初めてですが、脚本の印象を教えてください。
一見淡白そうに見える言葉の中にあらゆる感情や人間味を感じさせるセリフを書く方だなと思っていて、以前からいつかご一緒できたらいいなぁと思っていました。
◆主人公・ももを演じるうえで工夫された点、難しかった点など教えてください。
普段気持ちや状態をどこか作って生きているようなモヤモヤとした疲れみたいなものが現れたらいいなと思い、あえて作り込むようなことはしませんでした。自分の中ではももを作らないことが誠意だと思い、務めました。
◆本作にはももと7人の「パパゲーノ」たちの共演シーンが多く登場しますが、撮影中のエピソードや、印象深い出来事などはありましたか。
共演者の皆様は1人残らずとても個性も魅力も溢れた方々なので、短くも色濃い日々でした。中でもやはり浅野和之さんがあるシーンでカットがかかるまで動物のモノマネをしていたのには驚きと共に勉強になりましたし、もはや感動しました。
そして役を忘れるほど笑いました。
◆視聴者の方々にメッセージをお願いいたします。
この作品が発表になった時のコメントに全てを込めました。押し付けるのではなく寄り添う作品になったんじゃないかと思います。私自身、みんなそうだと言われることに何故か怯えていたところがありました。きっとそれは弱い自分に対する否定の言葉に聞こえていたからだと思います。
ですがこの作品を通して みんなそうだ。だからいいんだよ。大丈夫だよ。と伝えられたらいいなと思います。暗くない、不安にならない、むしろ共感や自身の肯定のなかで穏やかに観ていただけたらうれしいです。
番組情報
特集ドラマ『ももさんと7人のパパゲーノ』
NHK総合
2022年8月20日(土)午後11時~11時59分
出演:伊藤沙莉、染谷将太、山崎紘菜、中島セナ、橋本淳、野間口徹、平原テツ、池谷のぶえ、堀内敬子、浅野和之 ほか
©NHK