山本和音原作のコミックスを実写ドラマ化したドラマイズム『生き残った6人によると』(MBS/TBS 毎週火曜 深夜1時28分ほか)。主人公・水上梨々を演じる桜田ひよりさんに、演じるに当たって意識したことや、好きなシーンなどを聞きました。
舞台は、成田空港に到着した1機の航空機を皮切りに、千葉県内にパンデミックが広がった日本。街中にゾンビがあふれかえる中、ショッピングモールへと逃げ込んだ男女は、極限下で芽生える「こんな時だからこそ、恋がしたい!」という切実な想いにより、つり橋効果も相まって予測不能な恋愛の渦へと巻きこまれていく。
◆脚本を読んだ時、どのような感想をもたれましたか?
監督が脚本もされているのですが、初めて脚本を読んだ時に「なんて面白い作品なんだ」と思って、そこで熱が入りました。ゾンビものは非日常な上に、現実味がない代わりに想像力をたくさん膨らませてドラマに挑んでいこうと思いました。
◆役柄について教えてください。
梨々ちゃんは何事も真面目に取り組むタイプで優等生。主人公の隣の隣ぐらいにいる普通の女の子という設定です。実際のショッピングモールを使って、深夜に撮影をしていたのですが、キャストの皆さんが面白くて、本当に温かくて素晴らしい方ばかりで毎日撮影に行くのが楽しい現場でした。
◆梨々を演じるに当たって、意識したことはありますか?
恋愛に疎く、ジャージでいるような高校生なので、どちらかというと中学生のような気持ちでやっていました。なので、女性らしい動きというよりも、幼い感じが残るような動きだったり、表情を意識していました。
◆撮影で大変だったことはありましたか?
営業終了後のショッピングモールでの撮影だったので、館内のクーラーが効いていなくて…。上下ジャージを着こんでいることが多かったので、常に片手に扇風機を持っていて暑さ対策がすごく大変でした。
◆苦労したシーンはありますか?
フードコートで食事をするシーンは、台本で7ページぐらいの量を一気に長回しをするスタイルだったんです。みんなの息が合っていないと、ズレが生じてしまったり、ひとたび崩れてしまうと総出で後半の方もリズムが崩れてしまうので、そのシーンは団結していかないと難しいポイントでした。
◆そのシーンのために、皆さんで相談することはありましたか?
基本、みんな自由にやっていました。みんなでこうしていこう、ああしていこうとそれぞれが提案をして、それにみんながノリでついていく感じでした。
◆桜田さんが好きなシーンはどこでしょう?
この作品の中で心から楽しんだなと思うのは、2話(8月16日放送)のビースト(髙石あかり)とのシーン。予告にも出てくるんですが、ショッピングモールの屋上で梨々がショッピングカートを使ってSOSを作るところは本当に面白かったですし、楽しかったですね。梨々とビーストの掛け合い自体もそうですし、本番で見せたビーストが梨々を振り回す姿は、撮影が進んで距離が縮まったからこそ、このシーンができたんじゃないかなと思います。そして予想外の動きをビーストがするので、カメラマンの方がSOSのカートを崩さないように動いてくださったところは、とても面白くて爆笑してしまいました。
◆登場人物の中でシンパシーを感じるキャラクターはいらっしゃいますか?
追い込まれた状況になったら、恋はいいから生きることだけを考えたいと思うはずなので、梨々ちゃんの考えはよく分かります。ただ、そう言っている梨々ちゃんが一番恋愛体質っていうのは、私と違うところかな(苦笑)。
◆避難した場所がショッピングモールということで、生活するには衣食住が充実している気がします。
女子部屋も実際の場所をお借りして、毎回美術さんが閉店後に飾り付けをしてくださっていたのですが、ちょっと悪いことをしている気分でした(笑)。梨々ちゃんが使っているベッドはとてもシンプル。一方でちょっと汚かったり、縫いぐるみがたくさん置いてあったりとか、それぞれのキャラが引き立つような個性あふれる装飾になっています。
◆共演者との印象的なエピソードを教えてください。
生き残っている6人の中で、3人が同じ誕生日という奇跡のようなことがありました! しかも、髙石あかりさんが私と同じ生年月日だったんです。なので、「占いがどれくらい一緒になるんだろう」だったり、あるあるポイントを休憩時間にしゃべりました。びっくりするくらい一緒のところが多かったです!