3月4日(土)からスタートする『自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨークー』(東海テレビ/フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分)で主演を務める井桁弘恵さんにインタビュー。役の印象や共演する武田真治さんの印象などを聞きました。
本作は、「comipo」「DLsite comipo」「めちゃコミック」「コミックシーモア」「ピッコマ」などで絶賛配信中の『バックステージ・イン・ニューヨーク』(オーツカヒロキ/forcs 刊)を、ニューヨークから東京に舞台を移しドラマ化。
どこか、地方ならではの倦怠感の中、永遠に続くかのような日常があって、何者でもない自分を変えたくても何ができるわけでもない。そんな思いを抱えたヒロイン・サチ(井桁)が伝説のドラァグクイーン・クールミント(武田真治)と出会い、デザイナーを目指して上京する。
◆ドラマの出演が決まった時の感想教えてください。
1年ぶりに主演をさせていただけるということで、お芝居ができるというのが純粋にすごくうれしくて。以前私が主演を務めさせていただいた『メンタル強め美女白川さん』の時と同じ池田千尋監督が今回も監督をなさっています。以前ご一緒した方と、またお仕事できるっていうのはすごくうれしかったです。漫画の原作も読ませていただいて、主人公のサチは自分に雰囲気が似ているところもありましたし、お話の内容もすごく面白かったので、純粋にうれしかったというのが一番大きいですね。
◆役の印象はいかがですか?
サチは、自分の人生を客観的に見て諦めてしまっている。考え方が大人すぎる故に、いろいろなことを早々と諦めてしまった、自分にあまり期待をしてないような女の子です。そのサチが、自分の夢や信念に真っすぐ突き進むミントさんに出会うことで、どう心情が変化していくのかというところがこの作品のテーマで、メインの軸になっていると思います。
◆サチを演じる上で気をつけていること、意識していることはありますか?
サチは最初、自分の人生に対して悲観しているというか、期待をしていないというマイナスの状況から始まっていて。そこからミントさんやいろいろな人に出会うことで、スタートラインに立って、前に進んでいきます。いろいろな人の言葉や行動に影響を受けるシーンが多かったので、「こういうふうに演じよう」と自分はあまり考えすぎずに、周りの方がどうサチにアプローチしていくか、ということをちゃんとキャッチして、私自身もいろいろな人の言葉や行動を吸収しようと思いました。アクションするというよりは、リアクションをすることの方が多かったので、柔軟に、なんでも吸収しようという気持ちで挑んでいました。
◆サチに共感するところがたくさんあるとお話しされていましたが、具体的にどのような部分に共感することが多かったですか?
私もサチと同じで、自信がすごくあるタイプでもないですし、なんとなく自分の社会を知っているつもりというか…。「どうせこれくらいだろう」と基準を決めてしまうところとか、良くも悪くも大人びてしまっているというか、分かっているふうになってしまうところとか、妙に冷静なところとか。 そういう点が全てすごく似ているなと思いました。
それから、東京に出てきた後に、さまざまな人のいろいろなものを吸収しようとしてるところも、自分と似ているなと思った部分でした。
◆サチは、好きなことがあってもその仕事をする才能は自分にはないと思っていますよね。
そうですね。私もそう思う時があります。でも、そう思っているだけじゃ何もできないと思っている自分もいて。分かっているからこそ葛藤していて、どっちに進んだらいいのか分からない、というもどかしさは私もサチも似ていると思います。きっとこういう考え方をされている方ってたくさんいるんじゃないかなと。なので、そういう方たちの背中を押せるような作品になったんじゃないかなと思います。
◆ミント役の武田真治さんとのシーンが多いと思いますが、武田さんの印象や、ドラァグクイーン姿を見た時の第一印象などを教えてください。
武田さんは、以前から私もテレビで拝見していた方だったので、最初は緊張したのですが、そんな緊張が一瞬で吹き飛ぶくらい本当に優しくて温かくて、気配りのできる方。武田さんが一番気を使っていたんじゃないかっていうくらい、本当に周りを見ていらっしゃる方でした。私がすごく印象的だったのは、ミントのステージでお客さん役のエキストラの方が15人くらいいらっしゃった時。スタッフさんが「拍手をしてください」とか声掛けをしてくださっていたんですけど、その後に武田さん自身がドラァグメークをした状態で、皆さんの前に立って、 前説を自らやっていて。今までそういう場面を見たことがなかったですし、それがすごく衝撃的で…。もしかすると武田さんにとっては普通のことだったのかもしれませんが、その日の撮影でも踊りのシーンがあったり、武田さん自身ハードなスケジュールの中だったにもかかわらず、率先して全力で場を盛り上げているところがすごく印象的でした。ベテランの武田さんがそうやっていろいろやられているところを見ると、私も弱音を吐けないなと思いましたし、私もこんな大人になりたいと思いました。
ドラァグメークをした武田さんは本当にきれいでした。もちろん普通のメークの時も顔立ちがすごくはっきりされていて、きれいなんですけど、また見違えるというか、本当に別人になったかのような感じで。うっとりしちゃう(笑)。見とれちゃうような美しさがあって、そこに肉体美もプラスされていて、本当に美術館に来たみたいな、アートを見ているような感じでした。そこがこの作品の目玉にもなっていますし、皆さんほれちゃうんじゃないかなと思います。
◆サチとして、注目してほしいところや見どころはありますか?
4話という話数の中で、サチの成長をどう表現するかとなった時に、1話のサチと4話のサチでは思い切りグラデーションをつけました。東京に出てくる前のサチと出てきた後のサチで、表情だったり、目の動きだったり、服装、メーク、髪形など、成長している度合いがちゃんと伝わればいいなと思って演じたので、その変化も楽しみにしていただきたいです。あとは、三角関係のような恋愛要素もあって。正反対の男性が出てきて、その中でサチはどうするのか…。そういった恋模様も楽しみにしていただけたらと思います。
◆印象的だったシーンはありますか?
毎話、それぞれいろいろなシーンがあって、好きなシーンもたくさんありますが、一番印象的だったのは、1話で初めてサチがミントさんの衣装を手掛けて、それを自分で見るシーン。ミントさんが「この衣装を作ってくれたのはサチなのよ」とお客さんに言って、サチにスポットライトが当たるシーンがあるのですが、その時は自分の中でもすごく胸が高まって、興奮したのを覚えています。いつもショーや雑誌では出る側として立たせていただいていますが、作る方の気持ちを味わえたのがすごく印象的でした。自分が出ているわけじゃなくてもこんなにうれしいんだ、というのを役を通して疑似体験することができました。そこはすごく胸熱なシーンになっていると思います(笑)。
◆サチが“上京して夢を追いかける”というところからお話が始まりますが、井桁さんご自身が東京でやりたいことや夢があれば教えてください。
私は、上京する時は、ここまでのことをやらせていただけるなんて思っていなくて。生放送の情報バラエティにも自分が出るなんて想像していなかったので、既に夢のようといいますか…。夢見ていたところに今いるな、と思っています。主演のドラマをやらせていただけるということも、もはや夢にも思っていなかったことなので、今は夢の先を進んでいるという感じで。でも、こういう経験をさせていただいたことで、新たに夢が広がったので、自分の将来の道を開いてくださった周りの皆さんにすごく感謝だなと思います。
◆夢が広がったとのことですが、具体的にかなえていきたいことはありますか?
私自身、お芝居に自信もなかったですし、現場での立ち振る舞いも分からなかったですし、お仕事の後は毎回反省して帰ることも多いんです。なので、今回も最初は不安だったのですが、現時点ですごく撮影が楽しくて。あらためてもっといろいろなお芝居をしたいなと思いましたし、どっぷり役に入り込めるような作品に挑戦していきたいと思っています。
◆本作はサチが上京する物語ですが、井桁さんご自身が上京した際の思いなどがあれば教えてください。
私は福岡から上京してきましたが、福岡にいる時って、福岡が周りの県からどう思われているのかも分からないですし、どんな魅力があるのかもよく知らなかったんです。でも、東京で福岡出身って言うだけで、すごくうらやましがられたり、同郷の人がいると親近感が湧いたり。他県からも福岡県民からも愛されているような場所だったんだなっていうことをあらためて知ることができました。福岡に貢献できる仕事はたくさんしていきたいなと思っています。
◆視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
このドラマは、一言では表せないくらい、いろいろな魅力が詰まっています。登場人物それぞれがミントさんと出会うことで、少しずつ前に進んでいく様子であったり、三角関係の恋愛の要素も面白いです。ミントさんのドラァグクイーンのショーや、メーク、衣装など、全部が見ていて1分1秒も飽きない作品になっていますので、スピード感も含めて楽しんでいただきたいです。見てくださる方も、ミントさんの発言や行動に背中を押してもらえる瞬間がきっとあると思うので、ぜひこの世界に視聴者の皆さんも入っていただいて、 楽しんでいただけたらと思います。
PROFILE
井桁弘恵
●いげた・ひろえ…1997年2月3日生まれ。福岡県出身。O型。
番組情報
『自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-』(全4回予定)
東海テレビ/フジテレビ系
2023年3月4日(土)~3月25日(土)
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分(予定)
<CAST>
井桁弘恵、古川雄輝、三浦獠太、宇垣美里/武田真治 ほか
<STAFF>
原作:「バックステージ・イン・ニューヨーク」(オーツカヒロキ/forcs 刊)
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本: 櫻井智也、下田悠子
音楽:平本正宏
演出:池田千尋
プロデューサー:後藤勝利(東海テレビ)、齋藤寛朗(カズモ)
協力プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)
制作:東海テレビ、カズモ
衣装:オールインワン(BELPER)
スタイリスト:中野雅世
ヘアメイク:田鍋知佳
©東海テレビ