大人気コミック『HUNTER×HUNTER』が舞台化! 5月に上演される『HUNTER×HUNTER』THE STAGEでキルア役を務める阿久津仁愛さん&クラピカ役を務める小越勇輝さんにインタビューしました。かつて同じキャラクターを演じていたこともある2人の、お互いの印象とは? ハンター試験にちなんで、オーディションのエピソードも聞きました。TV LIFE誌面(4月12日(水)発売号)ではWEB未掲載のカットと共に、原作のある作品でのキャラクターへのアプローチ方法などのお話も。誌面と合わせてお楽しみください!
◆まずは『HUNTER×HUNTER』という作品の魅力を教えてください。
阿久津:いろんなキャラクターにフォーカスされるところが、魅力的だなと思います。好きなキャラを1人に決められないぐらい、どのキャラクターも個性的で魅力がある。いろんな設定のリアルさ、細いところまで考え抜かれた感じも、入り込みやすい世界観だなって思います。戦闘のルールがしっかりしていて、すごく細かいところまで決められているので。
小越:“○○編”と、いくつものストーリーがあって、どの話が特に好きかどうかっていう部分でも盛り上がれる。少年漫画ですから、まねしたくなるような要素も多いんですよね。ハンター試験の序盤で、ずっと走っているところも、誰が最後まで残れるかどうか、やろうと思えばやれてしまう(笑)。カードゲームとかも、みんな好きじゃないですか。そういう、男子が好きで夢中になるようなものがストーリーに組み込まれているし。念能力の分類にしても、自分は何タイプとか、話したくなりますよね。(念能力を診断する)水見式をやってみたって話している人もいたし。
阿久津:理論や説明がしっかり書かれているから、本当にできるんじゃないかって思い込んでしまいますよね(笑)。
◆今回お2人は初共演ということですが、ミュージカル『テニスの王子様』(以下、『テニミュ』)では、小越さんが6代目、7代目、阿久津さんが9代目、10代目と主役の越前リョーマを演じていました。お互い、どんな印象を持っていましたか?
阿久津:僕は初舞台が『テニミュ』だったので、まずはたくさん、映像を見させていただきました。タイミング的に、小越さんが演じられていたときに劇場に見に行く機会はなかったのですが。映像から多くのことを学びましたし、憧れの先輩でした。(小越をじっと見つめながら)本当にカッコいいなぁと思いながら、映像で何度も何度も見ていた人なので。一緒にお芝居できる本当に貴重な時間をいただけて、夢のようです。
小越:なんだか、照れちゃいますね(笑)。僕は、最初に阿久津君がリョーマとして舞台に立ったときを見ているんですが、あれからもう、かなり時間がたっていますよね。『テニミュ』以降の活躍も耳にしているので、同じリョーマを演じた役者としては、共演できるのはすごくうれしい。以前、映画の舞台あいさつでお会いして以来、またお話する機会が持てて思うのは、変わらずに真っすぐで素直な子のままだなって。こう、横からじーっと見ているなって視線も、ずっと感じています(笑)。僕はまだちょっと恥ずかしくて、目が合わせられていませんが、真っすぐな思いは伝わってきています。
阿久津:もう僕にとっては、全てにおいて憧れの存在ですから。初舞台で何も分からない状態だったからこそ、小越さんからの影響はすごく受けていると思います。小越さんを見て、影響された部分も含めて、今の自分が作り上げられている。歌声もすごく好きだったので。…なんか、すみません!
小越:いえいえ。ありがとうございます(笑)。
阿久津:今回、一緒に歌ったりできるのかなぁって。憧れの人と一緒に歌えるのかもって想像すると、もうめちゃくちゃ楽しみなんです。
小越:(笑)。阿久津君のリョーマを見て、本当に一生懸命、役と向き合っているなと感じました。確か、最後の立海戦は映像で見たんですよ。懐かしいなって、いろんな思い出もよみがえってきていました。しかも、すごくいいとこ取りをしていたんですよ。1stシーズン、2ndシーズンでの歌と、僕が歌った曲、3rdシーズンの曲もやっていて。あれはうらやましかった。これは僕も歌いたかったなぁって(笑)。
◆ハンター試験も一種のオーディションです。お2人が今まで受けたオーディションで、印象に残っているエピソードを教えてください。
阿久津:特技審査のときに、ものすごく自信満々に手を上げた方が「耳を動かせます!」って耳を動かしながら審査員の前まで歩いていっていたんです。でも歩いているから、耳が動いているのかどうかよく分からないんですよ。でも、それを自らやれるのがすごいと思いました。僕は当時、まだ10代でオーディション自体が初めてだったので、メンタルの強さに衝撃を受けましたね。彼がやっていたことが正解かどうかは分からないですが、それぐらいラフに、考えすぎずに臨んだほうがいいのかなと感じました。
小越:ハンター試験みたいに、『テニミュ』のオーディションは審査が何回もあったんです。僕は歌もダンスもできなかったから、周りの人を見ながら、なんとかついていった感じでした。特技と言えることもなく、アクロバットが得意な菊丸役のオーディションでもないのに片手側転を練習して披露したりして。とにかく印象に残るためにエアーで和太鼓とかもしましたね。最初の審査だったかな? エアバスケをしていたら、次の審査の前に、「もうそれはいいです」って言われたってマネージャーさん伝いに聞いて(苦笑)。
阿久津:特技って難しいですよね。印象に残るためには何でもやったほうがいいんだろうけど、恥ずかしさもありますし。
小越:そう。特技なんてないのにな…って思いながら、エアバスケから入り、もうそれはいいと言われ(笑)、太鼓をやって。審査と審査の間に、アクロバティックな片手側転を、ラケット持ちながら側転するのとかを練習してましたね。阿久津君は何をやってました?
阿久津:『テニミュ』のときは、僕、ボイパがちょっとできたので、それとラケットを振るのを合わせたエアテニスみたいな感じのことをやっていました。
◆ハンター試験ではキャラクター同士が仲間になっていきましたが、実際のお2人はどうですか?
小越:僕はもう、静か~にしていました。
阿久津:グループでのお芝居の審査のときは、ちょっとでも話し合ったほうがいいかなと積極的に話すようにはしています。でも1人のときは、あまり誰かに話しかけるようなことはなかったです。
小越:自分のことで精いっぱいでしたから。会場も静まり返っていましたし、自分の心臓の音だけが聞こえるような、妙な緊張感がありました。時間がね、すごく長く感じるんですよ。息苦しいし、早く自己紹介終わってくれ! みたいな(笑)。話すまでが緊張するので、いざ始まってしまえば、あっという間なんですけど。
阿久津:分かります! オーディション会場のあの空気、僕も苦手です。ヘンな汗かくし、帰り道は「もうちょっとできたかな」とか、いろいろ考えちゃうんですよね。終わったときの開放感はよかったけど。
小越:そうそう(笑)。オーディションを受けて、建物から外に出たときは、東京は特に空気がきれいなわけでもないのに、澄んでいるような印象になった。
阿久津:はい。いつもより空がきれいに見えてました(笑)。
◆今から稽古、本番へ向けて楽しみなことは?
小越:常にワクワクできそうです。“なるほど、舞台ではこうやって表現するのか!”という発見があると思うので。個性豊かなキャラクターの掛け合いも、実際に芝居でやったらどうなるのか楽しみですね。きっと、面白くなるんだろうなと予想しています。
阿久津:そうですね。この『HUNTER×HUNTER』の世界をどう表現するのか。ステージのセットはどんな感じになるのか、映像や照明はどう使うのか。ゴンをはじめ、仲間たちとの関係性をお芝居でどう表現するのかも、今からとても楽しみです。
PROFILE
●あくつ・にちか…2000年12月23日生まれ。栃木県出身。O型。これまでにミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンの越前リョーマ役、舞台「鬼滅の刃」其ノ弐 絆の累役などを務める。近作にドラマ『パパとなっちゃんのお弁当』『未来への10カウント』『FLAIR BARTENDER’Z』など。6月2日(金)より主演映画「美男ペコパンと悪魔」が公開。
●おごえ・ゆうき…1994年4月8日生まれ。東京都出身。O型。これまでにミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンの越前リョーマ役、舞台『弱虫ペダル』の小野田坂道役などを務める。近作に映画「わたしの幸せな結婚」など。8月18日(金)より舞台「SHINE SHOW!」(東京・シアタークリエ)に出演。
作品情報
『HUNTER×HUNTER』THE STAGE
2023年5月12日(金)~28日(日)
東京・天王洲 銀河劇場
<STAFF&CAST>
原作:冨樫義博(集英社「週刊少年ジャンプ」より)
脚本・演出:山崎彬
音楽:坂部剛
出演:大友至恩、阿久津仁愛、小越勇輝、近藤頌利/北村圭吾、椎名鯛造、皇希、田鶴翔吾/川崎優作、大高洋夫/上田堪大/丘山晴己ほか
<STORY>
ゴン(大友至恩)は幼い頃、偶然くじら島を訪れていたハンターの青年カイトから、死んだと思っていた父・ジンが生きていること、そして偉大なハンターであることを聞かされる。やがて12歳となったゴンは、ジンと同じハンターになるため、ジンに会うため、故郷を旅立ちハンター試験に挑む…!! 仲間となるキルア(阿久津仁愛)、クラピカ(小越勇輝)、レオリオ(近藤頌利)、そして他のハンター志望者たちと共に迫りくる難関に立ち向かっていくゴン。果たしてゴンは無事、ハンターになることができるのか…!?
公式サイト:https://hunter-stage.jp
公式Twitter:@hunter_stage https://twitter.com/hunter_stage
公式YouTube:https://youtube.com/@hunter_stage
©P98-23・『HUNTER×HUNTER』THE STAGE製作委員会
●photo/干川 修 text/根岸聖子