船越英一郎が主演を務めるドラマ『テイオーの長い休日』(東海テレビ/フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分〜深夜0時35分)の第2話(6月10日(土)放送)ゲストの工藤遥よりコメントが到着した。
船越英一郎が “仕事がなくなった2サスの帝王”を演じ、話題を呼んでいる異色のドラマ『テイオーの長い休日』。第1話では偏屈で傲慢で傍若無人、でも仕事がなくて崖っぷちな主人公・熱護大五郎(船越)が、熱護のマネージメントをすることになった元敏腕マネージャー・吉田ゆかり(戸田菜穂)が抱える問題に気付き、熱護なりのやり方でその悩みを解決する姿が描かれた。
普段は“コミュ障”で本心をしゃべれないものの、なぜか役に入り込めば“良いこと”が言える熱護。船越自身が主演していた『火災調査官・紅蓮次郎』をほうふつとさせる「火災調査官・遠藤萌」に扮し、「真実は必ず灰の中にあります!」と見事に謎を解き明かした。今までのドラマにはない奇想天外な展開に、SNSでは「面白すぎる!」「よくOKだしたな」「船越さんをうまく使っている感がすごくある」などの声が寄せられた。さらには「熱護大五郎の語る言葉は、悲しいくらい古臭いけど、心に響くものばかり」とのコメントも。
こうした反響が寄せられる理由の1つは、コメディにもかかわらずリアルなドラマ業界を描いた骨太な台本にある。制作陣によると、これまでの制作過程で自分たちが受けた傷や痛み、後悔をリアルに描き切ることにも挑戦しているという。今回は、6月10日放送の第2話で熱護に振り回される新人脚本家・柏木美遊役でゲスト出演する工藤遥に、自身のリアルを聞いた。
本作で新人脚本家役に起用されたことを知り、工藤はある因縁のようなものを感じたと打ち明ける。「私が初めて舞台に立ったのは小学5年生くらいだったんです。その初舞台の脚本家さんが、約7年後…私が高校生になった頃、再会した時に、長文のお手紙をくださったんです。私たちのステージの千秋楽のときで、そこに書いてあったのは、『私は工藤さんが主演する映像作品を書きたい!』という内容でした」。
工藤はその手紙を見た瞬間に、「今、このタイミングだな」と感じたという。「アイドルを卒業して役者になりたい、という気持ちはすでにあったので、そのお手紙に、思いっきり背中を押していただきました。お手紙を読んでから間もなく、役者への転向を決めました」と明かす。まさに人生の大きなターニングポイントだ。
「同じドラマ業界でも、ADさんとか、新人マネージャーの方とかでなく、ピンポイントで『脚本家』役だったということが、今回の作品との“ご縁”だとしか思えない状態です。しかも、私の契機となってくれたその方は、女性の脚本家の方で、見事に重なっています。本当に不思議な気持ちです。その女性脚本家の方のおかげで、いま自分がここにいられる気がしますね」と振り返る。
続けて「私が演じさせていただく役は、新人の脚本家です。新人という立場もあり、芸能界においてはまだ根強い『年齢の若さの壁』などのおかげで、自分の書きたいものをなかなか書かせてもらえず、くすぶってしまっている、なかば諦めてしまっている女性なんです」と役柄について分析。
「この役の設定やせりふも、実際の脚本家さんが書いているわけですが、そこには、よりいっそう、脚本家の方の『リアルな心の声』が聞こえるような印象を感じました。そういうせりふが多かったり、そのものずばりな状況、シチュエーションが多かったりして…。私たち役者は、脚本家さんと直接お会いしてお話しする機会はあまりなくて、“台本に書かれた文字だけ”を通じて、まるでラブレターを読むような気持ちで、その思いを推し量る感じなんですけど、こんなに“会話ができる脚本”に出会えたことは、すごくうれしく思いました。今までの台本とは印象が違いましたね」と。
「これまでも、俳優をテーマにした作品はあったと思いますが、今回は俳優の枠を飛び越えて『ドラマ制作の裏側』をさらけ出していて、ここまで見せてしまっていいのかなと思うくらいに見せている作品だなと思っています。そんな作品で、シリーズが始まってすぐの回のゲストに出させていただけることはとても光栄ですしベテランテレビ業界人を相手に、新人脚本家が必死に『自分の守り抜きたいものを守っていく』という姿は、同世代の方や、そうした時期を経験した方々も含めて、皆さんに刺さるのではないかと思っています」とコメントを寄せた。
工藤が演じる美遊は若さゆえにプロデューサーの言うがままに脚本を直し、心も折れ、自分を見失っている状態。工藤も「もちろん挫折の経験は、あります! 役者になって、作品にも出させていただいて、少しずつ気にかけてくださる方や、仕事に呼んでいただけることも出てきたという時に、すごくぜいたくな悩みかもしれないですが、単純に『お芝居ができる』というだけじゃなくて、そこから先の『何か』が無いとダメだというプレッシャーのようなものを感じてしまって…」といい、「記憶に残っていく役者にならないといけない。でも、そのために何をしていいのかもわからなかったし、お仕事をいただけることはとてもありがたいことなのですが、自分の中でなかなかすっきりハマってこない…みたいことがあって、『お芝居を楽しめない』と思ってしまう時期がありました。今回演じる美遊のせりふにもあるのですが、『本当にポキっという音が聞こえるかのように』心が一回折れてしまったんです」と自身の経験を告白。
「でも、その後の作品で出会った監督や、お芝居に携わっている方のお陰で『あ、もう一回がんばろう!』『自分はお芝居が好きなんだ』とあらためて実感できたんです。一番印象的だったのは、その時期に出会った監督から、ドラマや映画での(前のシーンとの)つながりなど、細かいことは全部無視して、『自分の感情だけを優先して、演じてください』とアドバイスいただいたことです。『あとは、僕が責任を持ちます』と、言い切ってくださってびっくりしました。そこまで言ってくださるなら、私は、おんぶに抱っこのつもりで、その瞬間瞬間に感じたことだけを出していきます!と思えました。いろいろな細かいところや、技術的なところにばかり気を使って、思考が固まってしまっていたから、その瞬間に感じた心情・感情を大事にできていなかったのだと思い出させてもらえたんです。今回、美遊を“救って”くれるのが熱護さんなのですが、それは同じ業界で事情をよく知っていて、“その瞬間”を共有している人だからこそ、響く言葉ってあるんだと思います」と語った。
そんな工藤に、今一番の夢を聞いてみると、「女優への道に進ませてくれた脚本家さんと再会することです」との返答が。「その脚本家の方は、その当時はアニメの脚本の仕事が多く、『自分は実写ドラマの方にも進みたい』とおっしゃっていました。今はその夢を実現されているのですが、まだお会いできていなくて。『いつか私の主演作品を書きたい』と言ってくださったのは、いわば、お互いに次のステップへ進もうね、という意味合いだったように思えます。時間が経った今、再会が果たせたら、私、泣くと思います(笑)。今回のこの柏木美遊役も、私がそんな気持ちを抱きながら演じていると思って見ていただけると幸いです」とアピールした。
第2話(6月10日放送)あらすじ
元2サスの帝王・熱護大五郎(船越英一郎)のマネージメントをすることになった吉田ゆかり(戸田菜穂)。なぜか熱護の家で3人の子供たちも含めた奇妙な同居生活を強いられることに。そんな中、ゆかりは7年前まで担当していた人気俳優・伊集院大樹(白石隼也)の伝手で、超人気刑事ドラマのゲスト主役の話を持ってくる。しかし、熱護は「この本は欠陥品だ」と却下。自ら脚本家の柏木美遊(工藤遥)に会いに行くと言い出す。熱護を何とかなだめ美遊に会いに行ったゆかり。そこにはプロデューサーに言われるがまま台本を直す美遊の姿があって…。
「仕事をもらうためには仕方がないんです」夢を抱けない新人脚本家に熱護が言う言葉は…。
番組情報
『テイオーの長い休日』
東海テレビ/フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分
※『FNS27時間テレビ』のため7月22日(土)は休止
出演:船越英一郎、戸田菜穂、今井悠貴、宮下結衣、石原颯也、平野絢規/白石隼也、久保田磨希、前川泰之、木場勝己
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:入江信吾、川﨑いづみ、諸橋隼人
音楽:仲西匡(カレント)
主題歌:「素顔」上野大樹(cutting edge)
OPテーマ:「Bumpy」Beverly(avex trax)
ナレーション:大和田伸也
演出:吉川鮎太(ホリプロ)、白川士
企画:市野直親(東海テレビ)
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、井上竜太(ホリプロ)
制作協力:キャンター
制作:東海テレビ、ホリプロ
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