映画「怪物の木こり」(12月1日(金)公開)が、スペインで開催されたシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭にて世界初上映され、主演の亀梨和也と三池崇史監督がイベントに登壇した。
原作は、2019年第17回「このミステリーがすごい!大賞」を受賞した同名小説(倉井眉介/宝島社文庫)。凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。次のターゲットとして狙われたのは、弁護士・二宮彰。しかし二宮は、犯人をも上回る狂気のサイコパスだった。
犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者がどんどん入れ替わっていく先読み不可能なストーリー、その驚がくの結末とは。ぶっ飛んだ設定と意表を突く展開が連続する衝撃作が“超刺激サスペンス”として映画化する。
監督を務めるのは、世界中に熱狂的ファンを持つ鬼才・三池崇史。そして、目的のためには手段を選ばず殺人すらいとわない狂気のサイコパス弁護士・二宮彰を亀梨和也が演じる。
ほか、捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー・戸城嵐子役の菜々緒、二宮の本性を知らない婚約者・荷見映美役の吉岡里帆、二宮の協力者のサイコパス外科医・杉谷九郎役の染谷将太、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士役の中村獅童、正義感が強すぎる警察庁の刑事・乾登人役の渋川清彦ら豪華キャスト陣が集結した。
主題歌はSEKAI NO OWARIの書き下ろし楽曲「深海魚」。独特の旋律とあくの強いワードが印象的な書き下ろし新曲で、本作のストーリーとシンクロするかのような意味深な歌詞も印象的な楽曲となっている。
そんな本作が、10月5日~15日にスペインで開催された「第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭」のスリラー・サスペンス・アクションなどの作品がセレクトされるÒRBITA(オービタ)部門と、アジアの新作のショーケースであるFocus Asia部門の2部門に出品。
毎年10月に開催される本映画祭は、ベルギー・ブリュッセル、ポルトガル・ポルトと並ぶ世界三大ファンタスティック映画祭の一つとして知られ、今回で56回目の開催となる。
現地時間の10月13日午後7時よりÒRBITA部門を締めくくるクロージングイベントが開催され、主演の亀梨和也と三池崇史監督が登壇。
過去に「十三人の刺客」 (10)がヴェネチア国際映画祭、「一命」(11)、「藁の楯 わらのたて」 (13)、「無限の住人」 (17)がカンヌ国際映画祭に出品されるなど世界にその名を轟かせる三池監督の最新作というだけあり、本作の上映チケットは即完売。会場に集結した1,200人の観客は期待に胸を高鳴らせ、2人の登場前から周辺は熱気に包まれていた。
ワールドプレミア前には現地メディアによるフォトセッションと記者会見に臨んだ亀梨と三池監督。取材前にはシッチェスの街並みを散策するなど、街の空気を感じた亀梨は「この滞在期間、シッチェス映画祭の空気感を存分に感じたいと思います。自分としても、この『怪物の木こり』という作品と三池監督にせっかく連れてきていただいた舞台なので、しっかりとたくさんの方たちの印象に残れるように過ごしていきたいです。ここ最近、結構激しめのスケジュールの中で生きているので、そんな刺激的な時間の中で、ときにはこうやって街の空気を感じられる時間がすごくご褒美だと思っているので、ぜいたくに楽しみたいなと思います。いま細胞、うずいています。しっかり目覚めましたから」と意気込みをコメント。初めてのシッチェス映画祭への参加に期待を高鳴らせていた。
いよいよレッドカーペットの時間となり、亀梨は光沢のある鮮やかな黒いスーツで三池崇史監督とともに登場。実は今回、事前に用意していた亀梨の衣装が空港にてロストバゲージとなり、映画祭前に衣装を急きょ現地で用意することになるハプニングも発生。
スペインの地で自身が選んだ衣装に身を包み、拍手と歓声を受けながらレッドカーペットに登場した亀梨は、「日本は12月1日に公開なので、ひと足先にワールドプレミアという形で、初めて関係者以外の方たち、それも世界の方のリアクションを感じられるというのは本当に貴重ですね。ドキドキしますし、ちょっとそわそわもします」とコメントし、詰め掛けたファンとの交流を楽しんだ。
三池監督も「映画ファンが集まる映画祭だからハードルは高いんですけど、でもエンターテインメントですから。みんな『これはどういうもんだ』っていう点数つけに来てるわけじゃないので。どうやってこの映画を見て楽しもうかという、そういう人たちなので、きっとそういう人たちに楽しんでもらえる映画だと思います」と、久々のシッチェスの地をかみしめるように、映画祭の魅力を語った。
その後、亀梨と三池監督は上映前のステージに大歓声を受けながら登壇。亀梨が笑顔で、「Buenos días! Mucho gusto. Me llamo Kazuya Kamenashi(こんにちは! はじめまして。私は亀梨和也です)」とスペイン語であいさつすると会場から歓声が上がった。
「今回三池監督と共に、『怪物の木こり』という作品でこのシッチェス映画祭に来られたこと、本当に光栄に思っています」と満員の会場を見渡し、喜びをかみしめた亀梨。
三池監督は、「シッチェスでは毎年のように僕の映画を上映していただいて本当に感謝しています。自分の最新作をここでワールドプレミア、世界で一番最初にシッチェスの観客の皆さんに見てもらえることを本当に幸せに感じています。楽しんでいただけるように願っています」とあいさつ。それぞれのあいさつにより、会場はさらなる熱気に包まれた。
亀梨は、「監督が作り上げてくださったすてきで豊かな映像の中に、それぞれのキャラクターの心情の変化、生きるとは何か、人とは何か、自分とは何か、見ていただいた後に、皆さんに何かを持って帰っていただける映画になっていると思います。こうしてワールドプレミアで、この場に立たせていただいていることを本当に光栄に思います。皆さんぜひ楽しんでください! Gracias!(ありがとう!)」と上映を心待ちにする多くの観客に対してコメントし、上映がスタート。
血しぶきが飛ぶシーンでは歓声が上がるなど、世界最大のファンタスティック映画祭にふさわしい盛り上がりを見せる上映となり、終了後は拍手喝采となった。
上映後、観客と一緒に本編を鑑賞していた亀梨は、シッチェス映画祭の圧巻の景色に「すごく緊張しましたね。上映中に一つひとつリアクションがあり、この作品は物語の展開をしっかり集中して見ていただくことによって、さらに楽しめる作品だと思うので、皆さん本当に集中して見てくださっていたのかなと思います」と興奮冷めやらぬ中でコメント。
観客のリアクションに対しては、「最後の方は本当にネタバレなので言えないですけれど、一番最後、この物語がずっと積んできたもののクライマックスのようなところは、ぶわっと沸いてくれていたので。あそこは鳥肌が立ちました」と感無量の様子だった。
三池監督も、「シッチェスのお客さんってお祭りみたいに、ストーリーとかそんなことよりも楽しめるところでワイワイやるっていう感じなんだけれど、今回は真剣に見ていて。こんなにスペインの人も真剣に映画を見てくれるんだっていう感じがあって(笑)。最後に起こった拍手も、楽しんだというより、いい物語を見た、いい映画を見たっていう、あったかい拍手で。普段とは違うリアクションだったんですよね」と確かな手応えを感じていた。
最後に、日本での公開を待つファンに向けて、三池監督は「ちゃんと作品を届けられて、受け取ってくれる人たちもいたので、自分の仕事としてはこれで半分は終わって。12月1日から皆さんに日本の皆さんにできるだけたくさんの方に見ていただきたいです。これはビジネス的なところではなくて、いい物語なので。いい芝居もしているし、みんな素晴らしいので。物語もいいし。ぜひそれは心から味わっていただきたい、と心から思っています」とコメント。
亀梨は「とにかく本当に劇場でぜひ楽しんでいただきたい作品になっております。映画を見終わった後に、見た方同士でお話をしてもらえるような作品になっていると思いますし、何か感じ取ってもらえることもたくさんある作品に仕上がっております。ぜひご覧ください。お願いします」と力強くコメントし、ワールドプレミアは大熱狂の中、幕を閉じた。
本作を鑑賞した批評家や観客からは、「三池崇史は『怪物の木こり』で私たちに新しいスリラーを見せてくれる」「最高のスリラー! テンポもよくあらゆるタイプの観客に強くお勧めします!」「機敏な脚本のひねりでサイコパスを探求しており、全編を通じて私たちを魅了します。とてもクールでキャスト全員が大好きです!」と絶賛の声が早くもXにあふれている。
なお、本作は10月23日(月)~11月1日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座で開催される「第36回東京国際映画祭」にて、「ガラ・セレクション部門(Gala Selection)」での特別招待上映も決定している。
作品情報
「怪物の木こり」
2023年12月1日(金)劇場公開
出演:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童
原作:倉井眉介「怪物の木こり」(宝島社文庫)
監督:三池崇史
脚本:小岩井宏悦
音楽:遠藤浩二
主題歌:SEKAI NO OWARI「深海魚」(ユニバーサル ミュージック)
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:kaibutsunokikori.jp
公式Twitter:@kaibutsukikori
©2023「怪物の木こり」製作委員会