声優・アイドル・アーティストの芹澤優が2023年10月18日に、4thシングル「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」をリリース。今回は4thシングルのことに加えて、彼女にとって「声優」「歌」はどのような存在になっているのかお聞きしました。
◆先日、世界最大級のアニソンイベント『Animelo Summer Live (アニサマ)2023 -AXEL-』にご出演されていましたね。
この仕事を夢見たとき、大きいステージで歌っている自分の姿をイメージしていたんです。(自身が所属する声優とアイドルのハイブリットユニット)i☆Risとして『アニサマ』のステージに立ったことはあったのですが、あのステージに一人で立って、自分の曲を歌えているという状況がすごくエモーショナルでした。ここまでやってきてよかったと心の底から思えた瞬間でしたね。
◆芹澤さんにとって、『アニサマ』は大きな舞台のひとつだった。
あれだけ大きな場所に多くの人が集まって、ペンライトが光り輝いているステージから見る景色は、特別なんですよね。だからこそステージに立つときは、うれしいという思いと同じくらい、『アニサマ』のステージを盛り上げることができるのかという不安と、私を知らない人も多いんだろうなという気持ちもあって。ただ、イントロが流れて歌い出した瞬間、歓声が聞こえてきたんです。いろいろな感情があふれて、思わず感極まっちゃいました。
◆まだリリース前だった4thシングル「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」もすごく盛り上がっていましたよね。
MOTSUさんが『アニサマ』の常連で、お客さんの心をつかむのが上手でしたね。頼もし過ぎました。
◆前作の「EVERYBODY! EVERYBODY!/YOU YOU YOU」では、DJ KOOさんとMOTSUさんとコラボしていらっしゃいました。今作で再びMOTSUさんとタッグを組むと聞いたときはどんな気持ちでしたか?
本作はMOTSUさんに参加していただくことにすごく意味があると思いました。というのも、「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」は、MOTSUさんが所属していたm.o.v.eさんがテーマソングを担当していたTVアニメ『頭文字D』の後継作『MFゴースト』のオープニングテーマなんです。前回は私がヒロイン役を演じていた作品にお二人が来てくれたという感覚でしたが、今回は逆に芹澤がMOTSUさんの音楽にお邪魔するみたいな感覚がありました。
◆『頭文字D』ファンにとってもMOTSUさんが楽曲に参加するというのは、うれしいポイントかもしれないです。
間違いないと思いますね! 「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」はユーロビートなので、そこに『頭文字D』らしさを感じてもらえたら嬉しいなと思います。
◆「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」は、MOTSUさんが作詞・作曲を担当されています。
最初に曲を聞いたとき、シンプルにカッコいいなと思いました! ギターから始まるイントロを聞くと、車が発進する様子が目に浮かんできて。アニメのオープニング映像をイメージしやすい楽曲だと思いました。私はこれまで、あまりユーロビートを通ってこなかったんです。それなのに、曲を聞いた瞬間「あ、この曲いけそう!」と、根拠のない自信が湧いてきました。
◆前作の「EVERYBODY! EVERYBODY!」では、最初に曲を聞いたときの感想で「これは、難しいかも」とおっしゃられていた記憶があります。
「EVERYBODY! EVERYBODY!」をいただいたときは、エイベックスサウンドに気圧されてしまって。i☆Risでも芹澤優のソロでも歌ったことがない楽曲で、「これ、いけるのか?」という気持ちが強かったんです。ただ、「EVERYBODY! EVERYBODY!」はライブで何度も歌って、すごく歌いやすい曲になったんですよね。むしろ、ライブでいちばん盛り上がる曲になったかも。すごく気持ちよく歌えます。
◆根拠のない自信とおっしゃっていましたが、前回のシングルでひとつ壁を乗り越えたからこそ、自信が湧いたのかもしれないですね。
確かに、そうかも!
◆そういう意味では、ソロアーティストとして成長しているという実感も湧いている?
そうですね…! “芹澤優ちゃん”は成長しかしてないです。成長しまくり(笑)!
◆停滞はない。
ないです!! ありがたいことに、いつも課題をいただいておりますので。
◆課題があって、それを乗り越えるからこそ、成長もあるのかもしれないですね。
そうだと思います!
◆今回はどんな課題が見つかりましたか?
最後のアウトロ部分のフェイクですね。仮歌を歌ってくださったアーティストの方がすごく上手で細かいフェイクを入れていらっしゃったんです。それを参考に、今の一生懸命を出し切ってファルセットから地声の切り替えを意識しました。自分では満足のいくフェイクになりましたし、ライブで何度か披露もしていますが、レコーディングと同じようにフェイクを入れられます。ひとつ課題を乗り越えられた気がしますね。
◆レコーディングではMOTSUさんから何かディレクションがありましたか?
MOTSUさんはレコーディングのとき、絶対に褒めてくださるんですよね。だから「こうしてほしい」というディレクションはほぼなくて。唯一、「JUNGLE FIRE」の発音は「ジャングルファイヤーじゃなくて、ジャンゴーパイヨーだから」という訂正がありました。文字面だけ見たら「ジャングルファイヤー」って読みたくなっちゃうのですが、海外の方に通じるのは絶対に「ジャンゴーパイヨー」だと、MOTSUさんから教えていただいたんです。世界的に注目されている『頭文字D』の後継作の主題歌だからこそ、海外の方にもより伝わるようにと、発音はいつも以上に意識しました。
◆芹澤さんは『MFゴースト』に北原望役として出演されています。演じるキャラクターのご紹介をお願いします。
北原望ちゃんは封鎖された公道で行われるレース「MFG」で、「神フィフティーン」と呼ばれる上位15位のポイントランカーのひとりです。兄の八潮翔と一緒に「MFG」に参加していてタッグプレイを得意としていますが、好戦的な性格で時には熱くなり、兄に制される場面もあって。そういう負けん気が強くて我が道を行く感じが、見ていて気持ちいいです!
◆前回i☆Risさんにインタビューさせていただいたとき、本作がきっかけで車への熱が加速したとお話されていました。
今も熱がすごいです! ついこの前、友達や現場の先輩から「そろそろ買いなよ」と言われました(笑)。
◆北原望はライトウェイトスポーツモデルのアルファロメオ 4Cに乗っていますね。
私もいつか、真っ赤なアルファロメオに乗っているかもしれないです(笑)。
◆改めて、芹澤さんが思う『MFゴースト』の魅力は?
まずは主人公のカナタ! イギリスのレーシングスクールを卒業して日本に来た彼は、普段はすごく柔らかい好青年ですが、一度レースになるとギリギリを攻めるタイプの走りをするんです。彼が愛車の「86」で、馬力では勝る他の車を追い抜く瞬間がすごくスカッとするんですよ。そして、いい場面でかかるユーロビート。もう、アドレナリンがたくさん出る(笑)。アニメを見た方はきっと車を買いたくなると思います!
◆カップリング曲「YY ViVace」についても教えてください。
この曲は9月から周らせていただいている「Yu Serizawa 4th Live Tour 2023 じゃんぐるファイター!!!!」に合わせて制作した楽曲です。今年からライブでの声出しが解禁になったので、ツアーで盛り上がれるような楽曲が欲しいと思い、リクエストしました。また、私のツアーはバンドと一緒に周っているので、「バンド映えするロック調がいいです」ともお願いしたんです。
◆実際にツアーで披露してみて、いかがでしたか?
芹澤優が作詞したのかと思うファンの方が多くて! それくらい、作詞を担当してくださった藤井健太郎さんが私を掘り下げた歌詞を書いてくれたんです。私が言いそうな言葉や、ファンの方と上を目指すという決意が込められたフレーズもあって、ライブで歌っていて感極まる瞬間もありました。
◆ご自身で聞いていても、「私っぽいかも」と感じる?
もう「これ、私か?」と思いました(笑)。“芹澤優ちゃん”のことをここまで深掘りしてくださり、ありがたい限りですね!
◆そういう意味では、気持ちを込めて歌いやすかった。
フレーズに嘘がなく歌えるんですよね。この曲に関しては歌詞と自分の融合率がすごいなと感じています。歌詞の気持ちをストレートに伝えられるので気持ちいいですし、ファンの方にも届きやすい気がしますね!
◆最後に、芹澤さんにとって「声優」「歌」はどんな存在になっているのか、教えてください。
声優は、今も「夢」なんですよね。見る夢じゃなくて、追いかける夢。私は、平野綾さんみたいな声優になりたいと思ってこの業界に入りました。そして、尊敬するたくさんの先輩方に出会ったんです。まだまだたくさんの感動を届けているみなさんの域に達しているとは、到底思えません。だから、声優は今も追いかけている「夢」なんですよね。「歌」はコミュニケーションだと思っています。私、他の声優さんに負けないところって何かなと考えたことがあって。そしたら、年間のライブ本数だと思ったんです。ツアーは年間で2回行うし、リリイベもやるし、フェスにも参加します。ただ、そうやってステージに立ってお客さんとコミュニケーションを取ることで築いた絆は、他の声優さんたちに負けないと言える部分じゃないかな。だから、私にとって「歌」はコミュニケーションなんです!
◆以前に、「声優であり、アイドルである」というのは、できる限り言い続けたいとおっしゃられていました。その気持ちは今も変わっていない。
変わらないですね。芹澤優として歌うときも、自分はソロアイドルだと思ってステージに立っています。声優、そしてアイドルとして、これからも活動していきたいですね!
●text/M.TOKU
PROFILE
芹澤優
●せりざわ・ゆう…12月3日生まれ。東京都出身。B型。2017年4月にソロアーティストとしてデビュー。主な出演作は『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』シェラ・L・グリーンウッド役、『彼女、お借りします』八重森みに役など。声優とアイドルのハイブリットユニット・i☆Risのメンバーとしても活動。
リリース情報
4thシングル「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」
2023年10月18日発売
CD+Blu-ray盤:2,750円(税込)
CD+DVD盤:2,530円(税込)
CD only:1,980円(税込)
<CD収録内容>
M1. JUNGLE FIRE feat. MOTSU
M2. YY ViVace
そのほかインストを収録
<Blu-ray・DVD収録内容>
・JUNGLE FIRE feat. MOTSU -Music Video-
・JUNGLE FIRE feat. MOTSU -Off Shot Movie-
ライブ情報
Yu Serizawa 4th Live Tour 2023 じゃんぐるファイター!!!!
[福岡]
日程:2023年11月12日(日)
会場:BEAT STATION
[札幌]
日程:2023年12月9日(土)
会場:cube garden
[東京]
日程:2023年12月24日(日)
会場:ZEPP DiverCity(TOKYO)
【チケット価格】
<12月24日東京公演>
全席指定 8,800円(税込)
<その他全公演>
スタンディング 8,000円(税込)
※未就学児童は入場不可
※入場時ドリンク代別途必要
※東京公演以外は昼の部・夜の部ともに女性専用エリアを設置いたします。
※開場開演時間が変更となる場合がございます。
その他、詳細は公式サイトをチェック。
WEB
芹澤優公式サイト:https://yu-serizawa.com/
芹澤優公式X:https://twitter.com/iRis_s_yu