中沢元紀、“おじい”小日向文世は「僕が話しやすいように接してくださいます」『下剋上球児』インタビュー

特集・インタビュー
2023年11月26日
『下剋上球児』©TBSスパークル/TBS 撮影:Len

鈴木亮平さん主演の日曜劇場『下剋上球児』(TBS系 毎週日曜 午後9時~9時54分)の第7話(11月26日放送)を前に、犬塚翔役を演じる中沢元紀さんにインタビュー。鈴木さんや小日向文世さんの印象、第7話の見どころなどを聞きました。

本作は高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描く、ドリームヒューマンエンターテインメント。「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画され、登場する人物・学校・団体名・あらすじは全てフィクションとなる。

11月19日放送の第6話で11年ぶりに予選1回戦を突破し念願の“夏に一勝”を手にした越山高校野球部。11月26日放送の第7話は迎えた2回戦も強豪・伊賀商業相手に善戦。しかし楡(生田俊平)のミスからペースが崩れ、惜しくも敗北を喫する。勝てた試合を逃したショックから立ち直れず、燃え尽き気味の部員たち、そして反省から熱を出して寝込んでしまう山住(黒木華)…。

そんな中「一勝したら戻ってきてほしい」という部員たちとの約束に応え、南雲(鈴木亮平)が監督に復帰することに。美香(井川遥)も東京から戻ってくるなど力強い援軍も得て意気込む南雲は、落ち込む部員たちを奮い立たせて実戦経験を積ませるべく、次々と他校との練習試合を組んでいく。しかしその頃、予選敗退以来部活を休み続けていた楡の身に、ある問題が起こっていた。さらに犬塚(小日向文世)と丹羽(小泉孝太郎)は、南雲の監督復帰を快く思っておらず…。


◆ここまで犬塚翔を演じられていかがでしょうか?

犬塚翔という役を頂き撮影していく中で、自分と似ている部分もある役だなと思います。闘志は表に出さずに内に秘めるタイプであったり、あまり自分から行動することが少ないといった性格が重なるところがあるので、だんだん自分に翔がなじんできているのかなと。翔として1話、2話で心境が変わるところも多かったので、これからどうチームに解け込んでいくのか見てほしいです。

◆撮影が進むにつれて、塚原あゆ子監督や新井順子プロデューサーからリクエストされたことはありますか?

塚原さんが最初に「みんなで考えて自由にやってみて」と言ってくださったので、このシーンをより良くするにはどうすればいいか、移動のバスの中や休憩中に、たわいもない話もしつつ、お芝居についての話もして、球児みんなに考える力がついた気がします。新井プロデューサーは、球場での撮影などで僕たちのことをずっと全体的に見てくださっていて、お母さん的存在という感じです。

◆皆さんご自身で考えられるお芝居もあると言われていましたが、第2話で翔が富嶋(福松凜)のお弁当を見て「先輩、彼女いるんすか」といったせりふがアドリブだったんじゃないかと塚原監督が言われていました。そういった翔のおちゃめな部分というのは、ご自身でバランスを取られて演じられているのでしょうか?

その場で出た言葉なので、あまり覚えてないですが…(笑)。塚原さんに「いろんな表情を見せた方が人間は魅力的に見える」と言われていたり、最初に頂いた企画書に翔の野球以外についても書かれていて、翔は女の子からはモテるけど、おじい(犬塚樹生/小日向文世)が「翔君にはふさわしくない」と、ずっと弾き返してるらしく、そういうことも頭の片隅にあったからその言葉が出てきたのかもしれません。

◆翔は星葉高校にライバルがいる役柄ですが、何か心がけたことはありますか?

ライバルというのは、切磋琢磨してお互いが成長するために、どんどん高め合っていくという他にない関係であると思うんです。そういった意味では役者仲間である、日沖誠役の菅生新樹とは以前から知り合いで、同い年ということもあって、友達でよく遊んだりもするのですが、今回オーディションが一緒ということでライバル意識がありました。そういった感情を翔は星葉高校の児玉(羽谷勝太)と江戸川(清谷春瑠)に対して持っていたんじゃないかなと思って演じています。

◆ご自身の野球経験について、あらためて教えてください。

小学校5年生から中学校3年生までの5年間やっていました。小・中といろいろなポジションをやっていて、外野も内野も経験しましたが、中学校の最後の試合はファーストで出場しました。

◆ここまでチームの中心的な役割を担っていますが、そういったプレッシャーもありましたか?

試合シーンは僕がストライクを入れないと始まらないシーンが何回かありましたし、「外角低めにスライダーを投げてください」という要求もあって。実際にカメラを通してそう見えないといけなかったので、野球の技術面に関しては大変な部分がありました。

◆ピッチングにおいて、こだわったことはありますか?

1話、2話の翔は自分だけで勝とうというエゴが強い部分があるので、ワインドアップで投げるシーンも本当に自分のペースでゆっくり腕を上げて、ゆっくり投げてみたり。マウンドでのタッチ立ち姿も余裕のある感じといいますか、他の人は気にせずに自分のペースでいるのかなと思っていたので、そういった部分は意識してやっていました。

『下剋上球児』©TBSスパークル/TBS 撮影:Len

◆ご自身が投げているシーンを見ていかがですか?

僕、自分が出ているドラマを平常心で見られなくて…。新鮮な目で見られないですし、ここはもうちょっとこうした方が良かったなと反省点ばかり探してしまうんです。でも、家族や視聴者の皆さんから「ピッチングフォームがきれいでカッコよかったです」と言っていただけて、オーディションの時からフォームを自分の課題としてやってきていたので「頑張ってよかったな」と思いました。

◆鈴木亮平さん、黒木華さんの印象はいかがですか?

本当にお2人とも先生にしか見えないです。亮平さんも華さんも、何を質問しても真摯に向き合って答えてくださいますし、お芝居のことも僕たちといろいろ話し合って、「こういうシーンにしよう」とまとめてくださるんです。そういった姿を背中で見せてくださるのでみんな助かっています。

◆背中で見せてくれるということですが、どんなところにそう感じられましたか?

球児がたくさんいるシーンだと、カメラの画角的にかぶってしまって顔が見えづらいところがあるのですが、そういったところでは「こういう体の向き方をするとカメラにも映るよ」といった技術。野球のシーンではベンチでの声の出し方、声のかけ方について、みんな似たり寄ったりになってきてしまうところを「自分のキャラクターをきちんと意識して、自分の言葉を出すようにした方がいいよ」「こういうことを言うんじゃないかな」と場面に合わせてアドバイスをしてくださるところです。

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