ドラマ10『大奥 Season2』(NHK総合 毎週火曜 午後10時~10時45分)より、和宮役・岸井ゆきののコメントが到着した。
3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こした、よしながふみ作の「大奥」。ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描いたこの傑作コミックを原作に、3代将軍家光から8代将軍吉宗までの物語をドラマ化し、ドラマ10枠で今年の1月期に放送された。
そして今秋、吉宗の遺志を継いだ若き医師たちが「赤面疱瘡」撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を初めて映像化する。
岸井演じる和宮は、公武合体政策のため男装して14代将軍・家茂(志田彩良)に嫁いでくる帝の妹宮。降嫁を拒否した孝明天皇の弟に成り済まし、身代わりとして母親の観行院(平岩紙)と共に京から大奥へ。生まれつき左手がなく、弟ばかりをかわいがる母親からの愛に飢えている。
身分を明かし早々と京に引き上げる予定だったが、境遇を知った家茂の思いやりのある計らいに徐々に心を許し、距離を縮めていく。
岸井ゆきの コメント
◆和宮をどのような人物と解釈して演じられましたか。
和宮は人目につかないように育てられてきて、母親の愛情も満足に受けられなかった人。自分が江戸に行けば、母を独り占めできるかもしれないというたくらみを思いついて江戸に渡りますが、決してずる賢いというわけではなく、ひねくれてもいないというか…。ただピュアな心で、母親と一緒にいたい、独り占めしたい、愛されたいという一心だったのだろうなと。そういう素直さ、実直さがある人だなと思います。
◆初めは警戒して強がる態度を取っていた和宮でしたが、和宮が抱いた家茂への第一印象をどのように想像されましたか。
母親と一緒にいたいという目的で江戸へ渡っているので、初めはそのための駒でしかないという印象だったのかなと思います。
でも家茂と交流する中で、ある種の“光”のようなものを感じたと思います。「家茂は人を乗せるのがうまい」というような話も耳にしていたものの、もし家茂の言動が策略の上のものだったとしても、それは和宮にとってはずっと欲しかった人の優しさであり愛情だったというか…。家茂に心動かされた部分は大きいだろうと思います。
◆徐々に心を解きほぐしてくれた家茂ですが、家茂の何がそうさせたのだと思いますか。
家茂の純粋さですかね。
人目につかないように育てられるということ自体がまず屈辱的ですし、元いた家では虐げられてきた。でもその中で一生懸命生きてきたし、自分を守るために強くならなきゃいけなかっただろうなと思います。
一方、家茂は「それって和宮さんすごいことですよ」と、自分を見て純粋な心で言ってくれる人。そんな人は今まで周りにいなかったので、そんなふうに考える人もいたんだというのは驚きだったでしょうし。自分では開けられなくなっていた心の扉を開けてくれたのは、家茂の純粋さと純朴さがあったからなのかなと思います。
◆京言葉について
考えた通りに話しているつもりなんですが、「イントネーションが違う」と指導の先生から言われ続けていて苦戦しています。大阪弁は連続テレビ小説『まんぷく』に出演していた際に経験したのですが、京言葉は初めてです。「大阪は1音上げ1音下げ、京都はその半音」と言われて、どういうこと!? と(笑)。大阪弁を少し知っているが故に、より分からなくなっているような気もして、最後まですごく苦戦しました。
◆家茂役の志田彩良さんとは初共演とのことですが、共演された印象を伺えますか。
キラキラしていますし、家茂のピュアさがピッタリですよね。家茂は和宮に温かい言葉を掛けてくれますが、その言葉にうそがないのが伝わるというか。心からそう思って言っているように感じるんです。和宮がつい家茂に心を開いてしまうのはすごく分かるなと思いました。
◆20話以降、クライマックスに向けての見どころを教えてください。
見どころはたくさんありますが、女性たちがかっこいいですよね。家茂もそうですし、和宮も最後に見せ場があります。
もちろんフィクションではありますが、「歴史」と言っても「何年に何があった」という表面的なことだけではなく、その裏にあるものがすごく丁寧に描かれていると思います。人と人との関わり、過去を生きた人たちの営みがあって今があるというのがしっかり感じられるラストになると思うので、楽しんでいただけたらなと思います。
番組情報
ドラマ10『大奥 Season2』
NHK総合
毎週火曜 午後10時~10時45分
<医療編 キャスト>
鈴木杏(平賀源内)、玉置玲央(黒木)、村雨辰剛(青沼)、岡本圭人(伊兵衛)
中村蒼(徳川家斉)、蓮佛美沙子(御台・茂姫)
安達祐実(松平定信)、松下奈緒(田沼意次)
仲間由紀恵(一橋治済)
ほか
<幕末編 キャスト>
古川雄大(瀧山)、愛希れいか(徳川家定)、瀧内公美(阿部正弘)
岸井ゆきの(和宮)、志田彩良(徳川家茂)
福士蒼汰(天璋院・胤篤)
ほか
原作:よしながふみ
脚本:森下佳子
音楽:KOHTA YAMAMOTO
主題歌:Aimer「白色蜉蝣」
制作統括:長谷知記、藤並英樹
プロデューサー:舩田遼介、松田恭典、舟橋哲男
演出:大原拓、末永創、川野秀昭、木村隆文
公式Twitter:https://twitter.com/nhk_oooku
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