映画「サイレントラブ」(2024年1月26日(金)公開)の東京タワークリスマスイルミネーション点灯式が12月3日(日)に開催され、主演の山田涼介、共演の浜辺美波が登壇した。
「ミッドナイトスワン」で各界から絶賛され、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督がオリジナル脚本で描く最新作「サイレントラブ」。主人公の青年・蒼が心引かれたのは、目が不自由になり夢が途絶えかけている音大生の少女・美夏。「ピアニストになるという君の、美しい夢をかなえたい」。ある出来事をきっかけに声を発することをやめた蒼は、心でそう願いながら美夏とのかけがえのない時間を過ごしていくが…。蒼と美夏が静かに思いを紡いでいく、この冬一番切ないラブストーリー。
主人公・蒼役には「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「鋼の錬金術師」「燃えよ剣」など話題作に数々と出演し、作品ごとに全く異なる顔を見せる山田涼介。ラブストーリー映画初主演となる本作で、声を発することをやめた不器用な主人公を繊細に演じ、新たな境地を見せる。
そして不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがくピアニスト・美夏役には「思い、思われ、ふり、ふられ」「約束のネバーランド」「シン・仮面ライダー」などさまざまなジャンルでその存在感を示している浜辺美波。蒼と出会うことで絶望の淵から希望を見いだしていく役どころを演じ切る。
音楽は「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」「君たちはどう生きるか」など、スタジオジブリをはじめとした作品を彩ってきた久石譲が担当。優しくもどこか切ない音色が2人の物語に花を添える。また、主題歌の「ナハトムジーク」はMrs. GREEN APPLEが本作のために書き下ろした新曲となっている。
このたび開催された東京タワークリスマスイルミネーション点灯式に、山田、浜辺が登壇。まず、山田が「皆さま、寒い中お集まりいただきありがとうございます。今日は東京タワーの下ですてきなイルミネーションが見れるということで楽しみにしておりました。よろしくお願いします」とあいさつ。
続いて、浜辺も「皆さんこんにちは。ひと足お先にこうして皆さんと一緒にイルミネーションを点灯できること、そしてノッポン、弟くんとお兄ちゃんにも会えて。しかもサンタさんの格好をしてるので、いち早く会うことができてすごくいい日になりそうです」と笑顔を見せた。
東京タワー公式キャラクター・ノッポン兄弟が見守る中、さっそくボタンを押し、イルミネーションを点灯させた2人。きらめく景色を見渡し、山田は「すごいですね、東京タワーの赤のカラーでイルミネーションが彩られていて。僕は個人的にすごくイルミネーションが好きなので、この点灯式に参加できたことをすごくうれしく思っています」と目を輝かせた。浜辺も「このミニチュアの東京タワーがまたかわいらしくて。さらに華やかになって、本当にいい思い出になるだろうな」と感激した。
そんなイルミネーションを背に、クリスマスの思い出を語っていく2人。山田は「クリスマスはわりとお仕事をさせていただくことが多いんですけど、毎年メンバーとクリスマスプレゼント交換をしているんです。もう10年ぐらい、毎年やっているので多分今年もやるんじゃないかな。もう30になったおじさんたちが(笑)」と。
そんな話を受け、浜辺が「それぞれ用意して回すんですか?」と尋ねると「“いくらいくらまでです”というのを決めて、くじ引きで(渡す人を決める)。だから誰に何が当たるか分からない状況でみんなプレゼントを持ち寄って交換するんです。多分今年もやるんじゃないかな」と山田。そんな山田が去年もらったプレゼントは「キャンプ用のチェア」だそう。
一方、浜辺は「私もお仕事をしているか、あとはクリスマスって皮膚科とか病院系が結構空いているので行きたくても行けなかったなってやつの予約を取って、行っていた気がします。メンテナンスをやっていましたね。実家に行ったときは家族で『ホーム・アローン』を見ていました(笑)」と振り返った。
2人は本作で初共演。山田は浜辺の印象について「浜辺さんは本当に幼い頃からずっと活躍されてる方なので、視聴者の方と同じぐらいの“あっ、浜辺美波だ”みたいな感じでした。現場では静かに過ごされていたんですけど、こういった取材などで一緒に仕事をしていく中で元気な方なんだなという印象に変わって。映画の現場と今での印象の違いがあります」と。
浜辺も「私もテレビでずっと拝見していたんですけど、映画の現場になるとキラキラを消されるので、それがすごいなと思って。もっと“山田涼介です”という感じでいるのかと思ったら、本当にどこにいるのか分からないぐらいオーラを消されるので、そこはまた一つプロだなと感心していました。でも、こういう場では本当にキラキラで(笑)。イルミネーションに負けないぐらいの輝きでいらっしゃるのでさすがです」と語った。
また、山田は「この映画は“世界一静かなラブストーリー”とうたっているだけあって、現場もすごく静かだったんです。なので浜辺さんと現場でお話しするみたいなことはあんまりなかったんですけど、それが世界観にぴったりでしたし、多分お互いに意識してあまりしゃべらないようにしていたのかなと今思います」と明かした。浜辺も「山田さんとはあまりお話をしていなかったのですが、こういう取材のときにたくさん話してくださるから心強いですし、うまくまとめてくださるので助かります」と伝えた。
さらに、自身が演じた役柄について山田は「もちろん難しさを感じながらやってはいたんですけれども、役者冥利に尽きるといいますか。せりふがないお芝居というのは人生で初めてだったので不安もあったんですけど、現場に浜辺さんがいてくださいましたし、監督からも深いオーダーみたいものはなくわりと任せてもらえるシーンが多かったんです。すごくやりやすい環境の中で蒼という役を演じられたのかな」と。
浜辺は「ピアノがまた一つ大きなハードルでして。私自身、ピアノに触れたことがなかったですし、楽譜も読めなかったので、そこは練習を重ねなきゃいけないなと思っていました。でも、野村(周平)さんが同じスタートラインから一緒に始めてくださって、心のちょっと奥で“負けないぞ”という気持ちとともに“2人で頑張ろう”という思いがあって。ハードルを越えられたのは野村さんのおかげでもあったなと思います」と振り返った。
そんな浜辺に山田は「どうですか?クリスマスにピアノを弾くなんていうのは?」と提案。すると「それはおしゃれですね!…でもおかしいな、練習用にしっかりしたピアノを買ったんですけど今自宅にないんですよね」と困り顔の浜辺。山田はすかさず「なしで!(笑)サンタさんが持っていっちゃったのかな」とほほ笑んだ。
また、完成した本作については「“静か”とありつつも人の心の中にある影の部分であったり、人生をもがいてる青年と女性の物語を描いており、激しさも感じると思うんです。なので、この寒い時期に人のぬくもり、温かさを感じていただけたら。そして音楽で久石譲さん、主題歌でMrs. GREEN APPLEさんがさらにすてきに彩ってくださっているので、きれいな画にきれいな音楽というのもぜひ劇場でご覧になっていただけたらなと。僕はすごくそれを感じたので」と山田。
浜辺も「心がフラットな状態で来ていただいても、メッセージ性があるような映画になっていると思います。本当にいろんな方に、そしてこういったイルミネーションで思い出を作った後などにもぜひ足を運んでいただきたいですね」と想像を膨らませつつ「私が出演しているところ以外のシーンは驚くことばかりで、内田さんがこうやって全部を調理したんだと、題名だけ見てきたら結構驚かれる方が多いんじゃないかなと思います。私自身も驚いた映画でした」と太鼓判を押した。
最後に、浜辺が「これからもっともっと寒くなって、思い出を作る時期になると思うんですけれど、この映画をぜひいろんな関係性の方と見に来ていただいて、その帰りに夜道を歩くとまたさらにいい思い出になるんじゃないかなと思います。冬にぴったりの映画になっていますので、公開までもう少し、楽しみにお待ちいただければなと思います」、山田が「静けさの中に激しさを感じる映画になってるんじゃないかなというふうに思います。人は誰もが1人では生きていけない、支え合って生きていくものだと感じられると思いますので、ぜひ劇場でご覧になってください。お願いします」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
「サイレントラブ」予告編
作品情報
「サイレントラブ」
2024年1月26日(金)全国ロードショー
出演:山田涼介、浜辺美波
野村周平/吉村界人、SWAY、中島歩、円井わん
辰巳琢郎/古田新太
原案・脚本・監督:内田英治 共同脚本:まなべゆきこ
音楽:久石譲
主題歌:「ナハトムジーク」Mrs. GREEN APPLE(ユニバーサル ミュージック/EMI Records)
配給:ギャガ
©2024「サイレントラブ」製作委員会