お笑いコンビ・トンツカタンの森本晋太郎さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、なぜ“脳みそを刺激するような趣味”をやらないかの話。(TVLIFE 2023年12月27日発売号より転載)
本年もお世話になりました。来年も脳汁出させてください。
前回M-1グランプリの準々決勝に臨む心情を一丁前に綴らせてもらったのだが、蓋を開けたらまったくウケずに敗退を喫した。もしかしたら準決勝いっちゃうんじゃないかみたいなトーンで語っていたが、現実はアップされたネタ動画に批判コメントが書かれる始末。ネクストブレイク、続行である。
ちなみに準決勝進出者が発表された瞬間に『土曜はカラフル!!!』の収録がM-1決勝の12月24日に入った。捨てる神あれば拾う神あり。今年のクリスマスイブはアンミカさんとクリス松村さんとご一緒することが確定した。ド派手な一日になりそうだ。
先日、フワちゃんと鳥山(同期の芸人)と3人でご飯を食べていた時に「森本はみんながハマるような脳がクラっとすることをやらないよね」と言う話になった。ここで言う脳がクラっとというのは例えばお酒、タバコ、ギャンブル、サウナなどの脳みそを刺激するような趣味のことである。たしかにどれも基本的にはほとんどやらないし、かといって食わず嫌いをしているわけでもなく、少しかじった上で全部ハマらなかった。
話を進めていく中で、どんな脳クラ系の趣味もツッコミをすることによって出る脳汁には勝らないからという結論に至り、僕がいかにツッコミジャンキーになってしまっているかが露呈した形となった。たしかに週一で無差別に芸人さんを呼んで100回ツッコむYouTubeチャンネルをやってることが僕にとっての一服なのかもしれない。
極め付けは「もしお笑いの神様からなにを言ったらウケるか教えてもらえる能力」をもらえるとしたらどうする? というトークテーマで、他のふたりが迷わずその能力をもらうと言った中で僕だけが拒否した。百発百中で笑いが取れるというのはたしかに魅力的だが、スベるかもしれないというリスクがなくなった途端スリルのないただの作業になってしまう。つまりはなによりも脳汁を出したくてお笑いをやっているのかもしれない。これが良いのか悪いのかはわからないが、少なくとも当分はこの業界に居続けることにはなりそうだ。
さて、結局今年も本格的なブレイクならずではあったが、なんと来年は元日から冠ラジオ特番が放送される。その名も『アシスタント森本』。どんなパーソナリティが相手でも森本のアシスタント能力で番組を成立させることができるかといった趣旨で、現在決まっている出演者が浜口京子さん、コウメ太夫さん、そして極め付けは紫式部さんをブッキング中とのこと。一筋縄ではいかないメンツが揃い踏みの攻め攻めラジオになること間違いなし。2024年、脳汁ビシャビシャのスタートを切れそうだ。
森本晋太郎
●もりもと・しんたろう…1990年1月9日生まれ、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」も好評。