『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』でデビュー作以来40年ぶりの共演!富田靖子&松下由樹が対談「同い歳だけど、ある種憧れの存在でもありました」

ドラマ
2024年01月19日
『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』左から)中島颯太、原田泰造

原田泰造が主演を務める土ドラ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ・フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分)の第3話が、1月20日(土)放送。それに先駆け、第3話で初登場となる大地(中島颯太)の母親・五十嵐美穂子役の松下由樹のインタビュー、さらに松下とデビュー作が一緒で40年ぶりの共演となる沖田美香役の富田靖子とのスペシャル対談が到着した。

家族からも嫌がられる古い価値観を持ったカタブツの「おっさん」沖田誠(原田泰造)が、ゲイの青年・五十嵐大地(中島颯太)との出会いによって、これまでの「自分の常識」をどんどんアップデートしていく土ドラ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』。1月13日に放送された第2話も、放送中からSNS上ではさまざまな好意的な意見であふれた。

また、初回(第1話)分の見逃し配信の再生回数は、1週間(1月7日~1月14日)で約89万回再生(TVerとFOD無料の合計値)を記録。2022年1月放送の『おいハンサム!!』初回の約78万回再生を超え、東海テレビ制作のドラマ初回放送としては歴代1位の再生回数となった(配信数はビデオリサーチにて算出)。

そんな盛り上がりの中、明日20日に放送される第3話ではアップデートに悪戦苦闘する誠が、本作品に大きく関わる“ある気づき”を得ることに。

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』原田泰造

とある経緯から銭湯へ向かうこととなった誠と大地。そこで誠は、常に明るく爽やかな大地がこれまでの人生では多くのつらさや傷を乗り越えてきたことに気付く。だからこそ、誰に対してもやさしく全ての人を受け止められる青年になったのだと…。

「あの子はきっと、今まで何度も傷つけられてきたんだろうな…俺みたいな輩に」。大地の人生に思いを馳せ、かつ誠自身が自分のいたらなさも自覚しているこのせりふが、演じる原田も「いちばん好き」だという。さらに、このシーンでは原作でも重要なタイトル回収のあるせりふも登場。第3話を見れば、このドラマのタイトルの意味がスッと入ってくる。

そんな第3話には、大地の母・五十嵐美穂子役として松下由樹が登場。息子がゲイであることを受け入れて理解し、息子の幸せのためにいつでも優しく寄り添う母親として演じる役どころについてどう感じているのか、話を聞いた。

さらに名古屋の街を舞台に、1983年に公開され話題となった映画「アイコ十六歳」。ヒロインを演じた富田靖子、そして同級生役として共演した松下由樹。一緒にオーディションを受け、ともにデビュー作となったこの映画から、不思議と共演することはなかった二人が、本作で40年ぶりの共演を果たした。

当時、中学生として出会ってから今日まで、二人はいったいどんなことを思い、そして俳優としてどんな道を歩んできたのか。当時思っていた率直な気持ちを初めて、お互いに語り合った。

松下由樹 インタビュー

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』松下由樹

◆原田泰造さんの印象は?

原田さんとは前にも共演させていただいたことがあります。このドラマは原作があるというより当て書きで作られているんじゃないかと思うくらい原田さんにピッタリな役で面白いですね。

◆「五十嵐美穂子」という役を頂いたときの感想を教えてください。

五十嵐美穂子の原作のイメージは仕事のできる人。最初原作の印象で台本を読んでいたんですけど、台本はより美穂子のバックボーンからいろいろなものが膨らんでいるので、ちょっとずつ自分の中でイメージを変換しています。大地との関係だったり、彼女一人の想いだったり、母親の気持ちも含めてより伝わって、すてきだなと思いましたので、台本にある新たなイメージを膨らませて作れたらいいなと思いました。大地もすごくいい子だし、すごく温かい作品なので、そういうものも大事にしたいなと思いました。

◆五十嵐美穂子を演じるにあたって苦労したところを教えてください。

苦労というふうには思わないですけど、やっぱり「向き合っていく」っていうことはすごく大変なことなんじゃないかなという想いは持っていようと思っています。葛藤とか、そういうものに向き合っている人たちへの応援歌になればいいなと。また母親として息子への寄り添い方や彼が傷つくと親も傷つくという気持ちの同調、彼をどう見守っていけばいいのかとか、そういうものをほんのちょっと気持ちの中にエッセンスとして持って演じたいと思っています。全体的に明るいドラマですが、それぞれに立ち向かっているイメージを自分でも感じて演じています。

◆撮影をしてみて大地との関係性で演技を調整したところはありますか?

大地からなるべくさらっと本音を言えるように、美穂子は自分が傷つく姿を見せないようにしてきたのではないかと想像したので演技の中に取り入れました。

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』左から)松下由樹、原田泰造

◆自分の常識がアップデートできていないなと感じることはありますか?

昭和って意外と面白いことがたくさんあったなって思っちゃうこと自体がアップデートできていないのかもしれない(笑)。昭和は面白いことや初めてのことがいっぱいあったじゃないですか。イタメシとかいう言葉も、ファッションも、それこそ美容もメークも、あらゆるすごいものがあったので、そうやって思っちゃう瞬間に「あれ? アップデートできてないのかも…」という感じは受けたりしますね。でも、だから面白いんですよね。誠の気づきながらもがいてアップデートしていく様子が。

◆最後にドラマを通じて伝えたいことは?

いろいろな人を見る目、その人の想い、感じ方、付き合い方…本当に多様な関係性がある中で、どうやって自分が向きあっていくのか? そう思った時に好きな人は変わらないし大切な人は変わらない。その想いの中で向き合っていくんだなと大地を通して感じることがあります。温かい視線、気遣いや思いやりが感じられるので、そういうところを見てもらいたいなと思います。

富田靖子&松下由樹 対談インタビュー

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』左から)松下由樹、富田靖子©東海テレビ

◆お二人とも「アイコ十六歳」でデビューされましたが、その時のお互いの印象をお聞かせください。

松下:覚えてる?

富田:覚えてる。

松下:当時のオーディションスタイルは全国オーディションだったんです。私は名古屋地区だったんですけど、主役のアイコがなかなか決まらない中、福岡地区から靖子がアイコ役として参加したのが最初の出会いなんです。だからすごく覚えています。すごく注目を浴びた中で靖子はイスに座らなくちゃいけなかったんだよね、あの時。福岡にすごく特別な子がいて、だから来たんだっていう印象でした。

富田:完全にアウェーでした…。おそらく「アイコ十六歳」を作るスタッフの皆さんは東京か名古屋の女の子を選ぶ予定だったんです。でもなぜか最終オーディションでも見つからなくて、なんか風変わりなのが福岡にいるぞとなって呼ばれました。あの時はアウェーな空気感がありました。そして、その後みんなで芝居の練習をして、クランクインもして、その時に由樹に対して思っていたのは「別格」です。

松下:なにそれ?

富田:由樹以外はみんな思っていたと思うけど。「アイコ十六歳」の中で先生が学校に来なくなり命を落とすというシーンがあって、それを報告に来るのが由樹の演じる「りんりん」。その時の弓道場にやってくるシーンをすごく明確に覚えているんだけど、あの時の芝居をスタッフやキャストが見た時に「あっ…別格…」ってみんな思いました。その時からやっぱり同い歳だけど、ある種憧れの存在でもありました。

松下:え〜、それは初めて聞きました。

富田:メンバー全員、「ピーン」と空気が張り詰める瞬間を初めて感じました。

松下:私もすごく覚えてる。そのシーンは台本にせりふがなくて、映像も全部無音のシーンで。それで1人で駆けていって泣き芝居。「よーい、スタート」と「カット」と終わるまでがすごく印象的だった。今でも「よーい、スタート」「カット」がずっと耳に残っているし、あの空気感をすごく覚えてる。でもそんなふうに見られているなんて知らなかった。それまで中学生だった子が急に映画の撮影をしているので、必死だったから。

富田:「アイコ~」の中でもたぶんナンバーワンのシーンだった。

松下:いやいやいや。(謙遜)

富田:でも今だから言うけど、あの瞬間みんなそう思ってたよ。たぶん1発OKだよね?

松下:そう、1発OK。

富田:私の1発OKは田んぼに自転車で突っ込むシーン(笑)。

松下:最高だったよね、最高のシーン(笑)。お見事でした!

富田:あそこで芝居の進む方向性が、なんとなく決まった(笑)。

松下:でも当時から役者はやっていないはずなのに、入り込むというか、気持ちがないと絶対に行けないというのはすごく強かったよね? 靖子の気持ちを本当に待ってくれる周りのスタッフや監督だったと思うけど、普通耐えられないじゃない、待たせるって。

富田:もう耐えられなかったよ〜つらかったよ〜。

松下:でもすごく大変だったけどやり切ったもんね。

富田:実はクラスメートで私の斜め前に座っていたのが、当時中学2年生の佐藤二朗さんだったの。

松下:え〜〜!!!!!

富田:その後、夫婦役をやった時に「実は僕の斜め後ろに〜」って。

松下:あの時いたの?

富田:うん、愛知県の中学生だったって。オーディションでメインキャストには選ばれなかったけど、同じクラスメートとして私の斜め前に佐藤二朗さんが座ってた。

松下:鮮明に覚えているでしょうね。

富田:毎回、会うたびに言われる(笑)。

松下:わかる(笑)。当時って色褪せないで思い出すから不思議〜。

第3話(1月20日(土)放送)ストーリー

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』

年の離れた友人・大地(中島颯太)のおかげで娘・萌(大原梓)の大事にしているものを少しだけ理解した昭和のおっさん・沖田誠(原田泰造)。そんな中、大地から「知り合いの両親に贈るプレゼントを選ぶアドバイスが欲しい」と相談され買い物に付き合うことに。爽やかな青年とのデートのようなシチュエーション!?
「いや。これはデートと言うより介護だな……」
そこで誠は引きこもりの息子・翔(城桧吏)が好きそうなかわいいパスケースを見つける。翔に買って帰れば喜ぶのでは? そう思う誠だったが、店員に声をかけられると勇気が出ずにその場を逃げるように去ってしまい……。
そんなある日、仕事から帰宅した誠は愛犬のカルロス(こまち)に元気がないことに気付く。慌てて動物病院に駆け込むと、そこにいたのは大地の母・美穂子(松下由樹)で……。ゲイの息子とともに生きてきた美穂子の言葉が、誠にある真理を気付かせる!? 早くもタイトルを回収する前半戦の最重要エピソード!

番組情報

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(全11回)
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分

出演:原田泰造、中島颯太(FANTASTICS)、城桧吏、大原梓、東啓介、渡辺哲/松下由樹、富田靖子

企画:市野直親(東海テレビ)
原作:「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」練馬ジム (LINEマンガ)
脚本:藤井清美
音楽:鈴木ヤスヨシ
主題歌:「Dancing Dreamer」 4-CaraT(RISING RECORDS)
オープニング:「アプデライフ」 FANTASTICS from EXILE TRIBE(rhythm zone)
演出:二宮崇、室井岳人、加治屋彰人
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、古林都子(The icon)、渋谷未来(The icon)
制作:東海テレビ The icon

©東海テレビ

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