神谷浩史が案内人を務める新感覚の朗読劇「Staging!!」第1弾が6~7月に開催決定「エンタメの本質に触れていただけたら」【会見レポート】

エンタメ総合
2024年02月16日
©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会
左から)伊藤マサミ、若林和弘、神谷浩史、小川 哲、水島精二 ©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会

声優・神谷浩史が案内人を務める朗読劇「Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』」の開催が決定。2024年6~7月、東京・池袋のMixalive TOKYOにて実施される。それに先駆け、記者会見が2月7日にMixalive TOKYO【Hall Mixa】にて開かれた。

朗読劇「Staging!!」は、ひとつの物語を「素材」として、演出家(ディレクター)が独自の解釈とキャスティング、演出により自由に「料理」する企画。音響監督・映画監督・舞台演出家などさまざまなジャンルの演出のプロが「原作」を読み、キャスティング、音や光、音楽、演技などを演出するという、新感覚の朗読劇だ。

その第1弾となる『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』の原作を担当したのは、小説家の小川 哲。小川は本作のシナリオについて、「ひとつの物語を複数の演出家が演出すると聞いていたので、解釈の余地があるものがいいと思った」とコメント。また、何度も同じ日を繰り返すというループものがテーマとなっていることについては、「公演を複数回見る人にとってはステージ自体がループもののような体験になると思った」と前置きしつつ、「シナリオ自体をループものにすれば見る方の解釈の余地があっておもしろいかなと思い、こういう話を考えた」と語った。

©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会
左から)神谷浩史、小川 哲 ©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会

本企画の発起人でもある神谷は、小川に原作の執筆を相談したときのことを振り返り「よく分からない企画を説明するところからのスタート。受けてくださったことにまずは感謝」と一言。また、本作のシナリオについて「すごくおもしろい。どっちにも解釈できる、玉虫色の原作を小川先生が用意してくださった」と率直な感想を述べた。

本企画は、演出家それぞれの演出の違いを楽しむのが醍醐味。第1弾では、数々のアニメ作品で監督を務める水島精二、音響監督として活躍する若林和弘、舞台の演出家であり役者としても活動する伊藤マサミが演出を担当する。

現段階での演出プランを聞かれた水島は、「朗読劇だけど、見てくださる人の没入感を邪魔しない程度の映像も使おうと考えている。脚本を余さず役者に読んでもらって、お芝居をしてもらって、それがストレートに伝わる形を模索中」、若林は「音を中心に(した仕事を)やっていることもあり、オーディオドラマに近い感じになりそう。絵が浮かぶようなオーディオドラマができれば」、伊藤は「考察の余地がある作品が大好き。視覚的に見せる部分とあえて見せない部分の隙間に、きっとお客さんが想像する余地があると思う。謎解きをしながら進んでいく雰囲気が作れれば」と、三者三様の構想を語った。

©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会
©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会

会見では、本朗読劇のキービジュアルも公開。今回の企画は「演出家」にスポットが当たっているということで、キービジュアルも案内人の神谷と水島・若林・伊藤がスタイリッシュな姿でたたずんでいるものに仕上がっている。水島は「着飾って撮影されることがない。口角を上手にあげることができなかった」と感想を述べると、若林も賛同。役者として活動する伊藤は「役として撮ることはありましたが、演出家として撮られるとなると、また違った感覚でした」と、緊張しながらの撮影だったことをあらわにした。

その後、会見に参加した記者からの質問で「朗読劇のおもしろさ」を聞かれた神谷は、まず2009年に青二プロダクション創立40周年の朗読劇『サイボーグ009』について振り返る。当時行われた『サイボーグ009』の朗読劇は、石ノ森章太郎の原画に合わせて朗読するもので、神谷はそのときに「演出によって朗読劇ってこんなにも広がりがあるんだ」と思ったのだという。

続けて、「舞台に行くといろいろな体験をさせてもらえる、そんな役者に憧れがあって声優の仕事をしている気がする」と言葉にしたうえで、「声優の本分として、普段通り台本を持ってパフォーマンスをしてお客さんに拍手をいただけたら僕は素直にうれしい」「映画なども好きですが、(音の情報で出しているものが皆さんの頭のなかで具体的に像を結ぶ)朗読だったら、皆さんの想像の中でそれ以上のものがビジュアルとして描けるのではないか」と“声の仕事”に対する熱い気持ちを吐露しながら、朗読劇のおもしろさについて語った。

©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会
©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会

会見の最後には改めて登壇者それぞれがあいさつ。小川はシナリオをすでに書き終えたこともあり、「純粋にひとりの観客として公演の日を楽しみに待ちたいと思います。みなさん頑張ってください」と登壇者にエール。

水島は「新しいことをチャレンジさせてもらえるいい機会だと思うので、いい作品にできれば」、若林は「本業以外で作品に参加するのは初めて。まだ煮詰まっていないところもあるので、公演までに形にしたい」、伊藤は「いい意味で苦労して作り上げたものが愛おしく思えれば、この企画を立ち上げた神谷さんに恩返しできると思う。何より見てくれている人に楽しかったと言ってもらえるのが一番だと思うので、まずはそこをゴールにいろいろと悩んでいきたい」と言葉にした。

そして神谷は「最近の朗読劇はキャストに注目が集まることが多いという印象ですが、今回の企画はキャストがメインではありません。ここに座っている3人の演出家が主役です」と本朗読劇の趣旨を改めて強調。そして、「僕は基本的に出ないです。作っていく人たちの一番近くにいる立場として、メディアなどを通じて朗読劇を作る過程のおもしろさなどをお伝えしていき、みなさんに感じてもらえればと思っています。ひとりでも多くの人にエンタメの本質に触れていただけたらなと思っていますので、ぜひよろしくお願いします」とあいさつし、ステージを後にした。

©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会
©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会

「Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』」は2024年6月14日(金)より、Mixalive TOKYO ・Theater Mixaにて開催。6月14日(金)~16日(日)は水島演出回、6月28日(金)~30日(日)は若林演出回、7月13日(土)~15日(月・祝)は伊藤演出回となる。朗読劇の出演者は後日発表。

●text/M.TOKU

公演概要

「Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』」キービジュアル ©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会
「Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』」キービジュアル ©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会

「Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』」
【日程】
■水島精二:2024年6月14日(金)、15日(土)、16日(日)
■若林和弘:2024年6月28日(金)、29日(土)、30日(日)
■伊藤マサミ:2024年7月13日(土)、14日(日)、15日(月・祝)
【案内人】神谷浩史
【原作】小川 哲
【脚本・演出】水島精二、若林和弘、伊藤マサミ
【会場】Mixalive TOKYO Theater Mixa

公式HP:https://officeendless.com/sp/staging/
公式X(旧Twitter):@Staging_reading

©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会

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