「青春18×2 君へと続く道」(5月3日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー)のジャパンプレミアが3月18日(月)に開催され、清原果耶、道枝駿佑、黒木華、黒木瞳、藤井道人監督が登壇した。
本作は、国内興行収入30億円超のヒットを記録した「余命10年」の藤井道人監督の最新作にして初の国際プロジェクトとなる、日台合作映画。始まりは18年前の台湾。カラオケ店でアルバイトをする高校生・ジミーは、日本から来たバックパッカー・アミと出会う。天真爛漫な彼女と過ごすうち、恋心を抱いていくジミー。しかし、突然アミが帰国することに。意気消沈するジミーに、アミはある約束を提案する。
時がたち、現在。人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、かつてアミから届いた絵ハガキを再び手に取る。初恋の記憶がよみがえり、あの日の約束を果たそうと彼女が生まれ育った日本への旅を決意するジミー。東京から鎌倉・長野・新潟・そしてアミの故郷・福島へと向かう。鈍行列車に揺られ、一期一会の出会いを繰り返しながら、ジミーはアミとのひと夏の日々に想いを馳せる。たどり着いた先で、ジミーが知った18年前のアミの本当の想いとは…。
エモーショナルな物語でダブル主演を務めるのは、アジア圏で注目を集める台湾のスター俳優シュー・グァンハンと清原果耶。さらに、ジョセフ・チャン、道枝駿佑、黒木華、松重豊、黒木瞳といった日台の豪華キャストが勢ぞろい。世代を超えて愛され続ける唯一無二のバンド・Mr.Childrenが奏でる主題歌「記憶の旅人」が、ジミーとアミの青春と呼ぶにはあまりにも切なく儚い恋模様を彩る。
まず、清原が「今日は来てくださって本当にありがとうございます。私にとってとても大切で、特別な作品がこうして今日、皆さんの元に届くことを幸せに思います。今日は最後までよろしくお願いします」とあいさつ。
完成した作品について清原は「とっても優しい、柔らかい、見た人に寄り添ってくれる映画ができたなと思いました。見終わったとき、撮影時のアミの記憶がまだ残っていたのか、涙が止まらなくて。そのぐらい自分の中でもすごく印象深い撮影であり、作品であったなと思いました。見てくださった方の心のどこかに残ればうれしいなと今は思っています」と。
黒木瞳は「アミが台湾でどんな生活をしていたのかを、お母さん(黒木瞳演じる裕子)は知らなかったんですよね。なので、母親の気持ちとして“(あみは)こんなに楽しかったんだ”“こんなに輝いていたんだ”ということが一番うれしかったです。そして、台湾と日本の素晴らしい景色、映像美、そして藤井監督の繊細な演出。本当に美しいぐらい切ない映画でした」と熱く語った。
道枝は撮影でのワンシーンを振り返り「実際に走っている電車に乗りながら、限られた時間の中で撮影をするというのはすごく新鮮でした。ただでさえ制限があるのに、より時間がない中進めていくということで、とても集中してできたのかなと思います。ホームでお別れをするシーンがあるんですけど、それも実際に撮影のままお別れになりました」と。
黒木華は「ランタンを上げるシーンがありまして、新潟で撮影をしたんです。その景色がすごい美しくて、台湾ともつながっているようなシーンでしたので、本当に美しい画を撮られるなと思いました」。
藤井監督は「一番感じたのは、言葉が通じないからこそ、より何をしたいのか、何が必要なのかというのをチームワークを持ってディスカッションをするようになったこと。あらためて、映画って1人じゃ作れないものだなって感じました。シュー・グァンハンが日本の俳優とお芝居をすることにおいても、普段よりもっとお互いの感情を知ろうとしたり、すごくリスペクトが生まれた現場だったので幸せでした」。
また、藤井監督からは「ご飯が毎食8種類もあって、すごく食にも恵まれていました」というこぼれ話が。清原も「毎日ぜいたくでした。朝昼晩とあったかいご飯が出てきて…すごい幸せでした。いっぱい食べました」と笑顔を見せた。
本作は日本に先駆け、現在台湾で公開中。清原は舞台あいさつのために台湾を訪れたが、その空気について「温かかったです。台湾の皆さんが本当にこの作品を待っていてくださったんだなというのが伝わる熱気を肌で感じられて、すごく幸せな時間でした」と語った。
そして今回、グァンハンから“来週日本に行きます”とビデオメッセージが寄せられた。藤井監督は「グァンハンと出会えたことは僕の財産の一つで。今回“18歳と36歳を演じてほしい”とすごく無茶なことをオーダーしたんですけど、見た方から彼の芝居が素晴らしいということを言ってもらえて、僕にとっては兄弟が褒められているようなうれしい気持ちになりました」とほほ笑む。
清原も「撮影では言葉の教え合いの日々で。1日何フレーズ覚えられるか、というように毎日毎日いろんな言葉を教え合って、撮影も一緒に頑張って切磋琢磨してきました。でも、本当に日本語がお上手なんですよね。覚えるのも早いし発音もとてもきれいだし、相づちとかもすごくナチュラルに打たれていて。私は一つ覚えたら一つ忘れちゃいそうになるので、すごいなと」。道枝も「撮影のときに何かお助けできることがあればいいなと思っていたんですけど、そんなのいらないぐらいお上手でした。雪合戦をするシーンでは、2人ともアドリブで、ワチャワチャと雪を投げあったので楽しかったです」とエピソードを披露した。
黒木華は「楽しかったですね。グァンハンさんが聞いている音楽の話とかをしていただいたり、“今、なに待ち?”って、なるべく深刻な顔で(聞いてきてと伝えたり)(笑)。ふざけあっていました」。 黒木瞳も「やっぱり会話をしたいなと思いましたので、iPadを持って中国語と日本語で。昼休のときにちょっと来てって言って。それでお話をしようとしたら、撮影現場のとってもとっても山の方なんです。4GどころかWi-Fiも何もなくて結局は使えなかったんですけれども、逆に大丈夫よって言ってくださって、慰めてくださいました(笑)」と振り返った。
さらに、タイトルにちなみ「自身にとっての青春は?」と問われると、藤井監督は「僕は映画の撮影現場が常に青春で、自分がそこに求められなくなったら終わりだな、青春がようやく終わるなって思って日々取り組んでます」と 。黒木華は「私は高校演劇部だったので、友達と同級生と汗、涙流してやっていたので、青春と聞かれるとそのときだなって思います」。
黒木瞳は「生まれて初めてラブレターを書いて、どうしても投函できなくて、それを1か月ぐらい自分の机の中に入れていて。勇気を振り絞って赤いポストのところへ行って投函したんです。そのときに、ポストの中で“ぽとん”って言ったんです。多分それが、私は青春の始まりかなって。あのときどうだった、どんな服を着ていたっていうのも思い出せるぐらい色褪せないものですね。昨日何を食べたのかも忘れましたが、青春時代の頃のことは本当によく覚えています。フラれましたけど(笑)」と意外なエピソードも明かした。
また、夢を持つアミにちなみ、影響を受けた忘れられない出会いを問われると、清原は「この仕事を始めたきっかけがPerfumeさんで。家族みんなそろって大好きで、Perfumeさんに会いたいから今の事務所のオーディションを受けたんです。やっぱりそのきっかけがないと今こうしてこの場にも立っていないと思いますし、いろんな音楽を聞かせてくれた両親には感謝しています。初めてお会いしたときに“果耶ちゃんだ”って言ってもらえて。すごくうれしかったです」。
一方、道枝は「憧れの先輩で、今の事務所に入ったきっかけが山田涼介くん。山田くんのドラマを見て事務所に履歴書を送ろうと思ったので、今こうしてデビューをして、思いを伝えられたことがすごくうれしいです。そのときもすごく喜んでくださって、これからもずっと僕の憧れです」と目を輝かせた。
最後に、清原が「あらためまして、皆さん今日は来てくださってありがとうございます。本当に人生でかけがえのない出会いを私はこの作品でもらって、映画を作ることと、人と出会うことが当たり前のことじゃないなっていうことをすごく深く深く、考えることができました。この作品が皆さまの中でどうご覧いただき、どう変化するか分かりませんが、優しい柔らかな世界を感じたいただけることを願っています。来てくださりありがとうございました」とあいさつし、イベントを締めくくった。
作品情報
「青春18×2 君へと続く道」
2024年5月3日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:シュー・グァンハン、清原果耶
ジョセフ・チャン、道枝駿佑、黒木華、松重豊、黒木瞳
監督・脚本:藤井道人
主題歌:Mr.Children「記憶の旅人」(TOY’S FACTORY)
エグゼクティブ・プロデューサー:チャン・チェン
音楽:大間々昂
撮影:今村圭佑
原作:「青春18×2 日本慢車流浪記」
製作幹事:JUMPBOYS FILMS/サイバーエージェント
制作プロダクション:JUMPBOYS FILMS/BABEL LABEL
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/seishun18x2
公式X(旧Twitter)・公式Instagram:@seishun18x2
©️2024「青春18×2」Film Partners