主演・伊藤万理華、和合由依の共演による土曜ドラマ『パーセント』(NHK総合ほか 5月11日(土)スタート 毎週土曜 午後10時~ほか)に、岡山天音、結木滉星、山中崇、小松利昌、橋本さとし、水野美紀、菊池亜希子、山下桐里、菅生新樹、余貴美子、河合美智子、水口ミライ、成木冬威らが出演し、主題歌がインナージャーニーの「きらめき」に決定。コメントが到着した。
テレビ局は「多様性」にしっかりと向き合えているのだろうか。これまで「当たり前」とされてきた表現も、実は誰かを軽んじたり、傷つけたりしていたのではないか…。そんな、これからのテレビ局が「どうあるべきか」という自戒と「こうしていきたい」という希望を込めた本作。本当の意味で人を思いやるために、多様性社会を生きる全ての人に送る。
主人公のローカルテレビ局「Pテレ」の局員・吉澤未来を演じる伊藤万理華、俳優を目指す車椅子の高校生・宮島ハルを演じるのは和合由依。
そして、未来を支える恋人役に岡山天音、未来のドラマ制作に関わる「Pテレ」局員役に結木滉星、山中崇、小松利昌、橋本さとし、水野美紀、ハルの母親役を菊池亜希子。
未来とともにドラマをつくる俳優・スタッフ役に山下桐里、菅生新樹、余貴美子。ハルが所属する劇団Sのメンバー役に河合美智子、オーディションを経て決定した水口ミライ、成木冬威。そして、主題歌はインナージャーニーの「きらめき」(作詞・作曲:カモシタサラ)に決定した。
キャストとインナージャーニー・カモシタサラによるコメント、役柄の詳細は以下を参照。
吉澤未来役・伊藤万理華
<役柄>
ローカルテレビ局「Pテレ」の局員。自身が提案した学園ドラマの企画が採用され、プロデューサーとして制作のチャンスを得る。「ドラマの主人公を障害者に」という条件に悩みながらも、取材を始めることに。
宮島ハル役・和合由依
<役柄>
俳優を目指す、車椅子の高校生。障害がある俳優たちが所属する劇団「S」のメンバーとして、放課後や休日に芝居の稽古をしている。未来と出会い「Pテレ」が制作するドラマの出演オファーを受ける。
町田龍太郎役・岡山天音
<役柄>
未来の恋人。学生時代、映画研究会に所属し、監督した作品が脚本賞に選ばれ、その才能に未来は憧れてきた。現在はカフェバーでバイトをし、映像制作からは離れている。
<コメント>
今作を経て、人と対面することの困難と、その後に差すまぶしい光を垣間見た気がします。伊藤さんの作品に対する熱のこもった愚直さや、和合さんから発せられる華やかなエネルギーにも多くを学ばせていただきました。そしてプロデューサーの南野(彩子)さんをはじめ、スタッフの皆さまの作品に対する思いと愛情に包まれた現場でした。
絶え間なく流動していくそれぞれの人間模様が、視聴者の皆さまと響き合ってくれる日を心待ちにしています。
蘆田孝雄役・結木滉星
<役柄>
未来の同期で、アシスタントプロデューサー。未来よりもドラマ班でのキャリアは長いが、まだ自分の企画が通ったことはない。
<コメント>
今回の『パーセント』というドラマは本当にチャレンジングな企画で、ドラマの内容のようなことが常に現場では起こっていて、ノンフィクションの要素がたくさん詰まっていると思います。蘆田は吉澤に対しての嫉妬だったり自分自身のプライドだったり常に細かく感情が動いていて、そういう部分もよりリアルに演じることができたと思っています。健常者だから、障害者だから、ではなく人と人がぶつかることの大変さ大切さ、何よりぶつかることを諦めないことの素晴らしさをこのドラマを通して伝えられたらなと思っています。
よりたくさんの人に届きますように。ぜひ『パーセント』ご覧ください。
羽座丘卓役・小松利昌
<役柄>
「Pテレ」ドラマ班のディレクター。未来の企画の演出を務め、脚本制作も担うことに。障害者を起用するドラマの難しさに直面し、未来と衝突する。
<コメント>
日常の景色が変わった。見えていなかったものが、いや、見ようともしていなかったものが、すぐ身近にあることに気付かされた撮影期間であった。この作品のような創り方がもっとスタンダードになっていけたなら、僕たちの創作物はもっと、純度の高いものになり得ると思う。回を追うごとに少しずつ、私の役(羽座丘)の思考がアップデートされていく。役としても俳優としても、視界を広げることができたと思う。
自分の今の考えと向き合いながら視聴できるドラマです。一緒に体験しましょう。
植草秀樹役・山中崇
<役柄>
「Pテレ」ドラマ班のチーフ・プロデューサー。未来の上司となる。障害のある親族がおり、未来の企画が当事者を傷つけないか、厳しい視線を向ける。
<コメント>
「共に生きる」ということについての新しい基準を見つけていく作品です。
いつか振り返る時、この作品が始まりだった。そう思えるような気がします。
ご覧いただけたらうれしいです。
藤谷光彦役・橋本さとし
<役柄>
編成部長。局を挙げた「多様性月間」というキャンペーンのため、未来の出した企画を採用し、「障害のある俳優」を起用するドラマに変更するよう指示する。
<コメント>
まずこの画期的なドラマに参加させていただいたことをうれしく思います。私たちが視聴するドラマの裏にはドラマがあります。作品を企画する、キャスティングをする、さまざまな段階を経て多くの人に視聴していただける。
そこには単に数字を取ることだけが目的ではなく、何らかのテーマや主張がなくてはならない厳しい選択があると思います。このドラマでは偏見を超えたものづくりに励む人々が奮闘し、壁を乗り越えたところに未来があると教えてくれます。現場ではスタッフ陣と演者が物語とリンクして作品をリアルに仕上げていました。
どのように仕上がっているのか、私も視聴するのが楽しみでなりません。
長谷部由美役・水野美紀
<役柄>
藤谷の後任として、未来の企画を採択することになった新しい編成部長。未来が出した企画書を、全面的に書き直すよう指示する。
<コメント>
「多様性」が叫ばれる時代、そこに真っ向から向き合うドラマです。このドラマの企画を通した若きプロデューサーの熱意と誠意が、そのままストーリーにふんだんに盛り込まれ、リアルに伝わって来ます。私は主人公である若きプロデューサーの前に立ちはだかる壁。上司の編成部長を演じます。ドラマ作りの現場のリアルがそこにはあります。今、向き合うべきテーマと、お仕事モノとしての面白さを、ぜひ受け取っていただきたいです。そして、障害者(この呼び方を含め)の方々と共生できるテレビの未来、社会のより良い未来を考えるきっかけになればと願っております。
高木圭介役・成木冬威(オーディション選考)
<役柄>
劇団「S」に所属する劇団員。障害のある俳優たちの境遇を改善したいと考えており、時に強い口調で自分の考えを述べる。ハルとはよく衝突する。
<コメント>
このたび、いろいろな人の支えのおかげで『パーセント』に高木圭介役として出演させていただきました。曲がったことが許せない芯の部分が僕と似ている高木という重要な役をいただき、支えてくれた一人ひとりに本当に感謝しかありません。高木は、信念と自尊心を高く持つ、繊細な男なのですが、劇団「S」、そしてハルとの関係性の変化の中でどのように成長していくのかを見ていただけたらうれしく思います。すてきな演者・スタッフの皆さんに恵まれ、視聴者さんの人生の大切な時間にこのドラマを、胸を張って勧められる僕の人生においても大きな作品となりました。
河上由里子役・水口ミライ(オーディション選考)
<役柄>
劇団「S」に所属する劇団員。ハルの親友で、ろう者の高校生。劇団員メンバーとは手話やスマホのアプリを使ってコミュニケーションを取っている。
<コメント>
2024年、昔と比べてマイノリティの声が届きやすい社会になってきていると感じます。ですがその裏には、当事者たちの見えない本音がたくさんあります。『パーセント』は今までのドラマにはない、さまざまな障害当事者の声が込められた作品だと思います。私は河上由里子を演じさせていただく中で、「言語の孤独」を強く感じました。由里子は手話が第一言語です。社会の第一言語(発話)と自身の第一言語が異なることで、伝えたいことがうまく伝わらない、伝えられないというのが現実です。そんなモヤモヤした気持ちを抱えながらも、夢を追いかけ聴者と共生していく「葛藤」や「挑戦」を、皆さんに伝えたいと思いながら演じました。
ぜひ、そんな部分にも注目していただけるとうれしいです。
野々村輝子役・河合美智子
<役柄>
劇団「S」の代表。障害のある俳優と健常者が一緒になって芝居ができる場を作る。ハルや河上など学生の劇団員が、学業と演劇を両立できるよう見守る。
<コメント>
久しぶりのNHK大阪で、また「輝子さん」を演じさせてもらっています。今回の役は、劇団「S」の創立メンバーで劇団員たちの母親的存在。「締めるところは締めつつ、心優しく包み込む」というイメージで撮影に臨みました。
私は2016年に発症した脳出血の後遺症で右片まひがあります。今回このドラマに参加させてもらって、障害は何も特別なことではなく、お互いほんの少しの思いやりがあれば分かり合えることなのだと強く感じました。
加藤珠役・山下桐里
<役柄>
ハルの近所に住む年上の幼なじみ。高校演劇をやっていた過去があり、当時中学生だったハルは舞台で輝く珠に魅了され俳優を志す。思わぬ形でハルとの再会を果たすが…。
<コメント>
自分も相手も、そのまま受け入れる。言葉にするのは簡単ですが、実際に行うことは難しいと思います。でも、それを自然とできてしまうのが珠でした。そんな珠と私の考え方の違いから、珠を演じる中で葛藤や不安もありましたが、温かい現場の皆さんや、珠の素直な言葉に支えられて、最後にはそんな葛藤する自分も含めた「私」を認めてあげられた気がします。『パーセント』が、自分にも相手にも今より少し温かい気持ちになれる、そんなきっかけになることを願っています。
宮島さくら役・菊池亜希子
<役柄>
ハルの母親。夫が単身赴任で不在のため、1人でハルを育てる。俳優を志すハルの意思を尊重し、劇団やテレビ局への送り迎えをすることで彼女を支える。
<コメント>
ドラマでありながら限りなくドキュメンタリーのような作品だと、撮影中ずっと思っていました。和気あいあいな現場でありつつも、関わる人みんなが考え続けている雰囲気がありました。“障害”という名の目に見えない障壁を前にしたときの葛藤や気付き、後悔、喜びが、現在進行形で描かれていて、その物語はドラマが最終回を迎えた後も続いていく。世の中には目に見えない枠組みや境界線がいっぱいあって、私たち自身その窮屈なフレームの中にいることに慣れているなと感じることが多々ありますが、そういうものを取っ払い、お互いに光を当て合えるような関係を築けるってすてきだなと、ハルと未来を見つめながらそんなことを考えていました。
ハルの母を演じる中で、役を超えて、由依ちゃんとそのお母さんと友達になれたことがうれしかったです。
小早川新太郎役・菅生新樹
<役柄>
今をときめく人気俳優。未来の企画の主演としてキャスティングされるが、演じる役柄や企画の内容に不満を抱えている。
<コメント>
対“人”として心と心で向かい合うことができたら、障害のあるなし分け隔てなく、優しい世の中になれるんだろうなと思いました。僕の演じる小早川は障害者に対して壁を感じていた人物で、ハルちゃんと接していく上でさまざまなことに気づき成長していく1人です。そのハルを演じた和合由依ちゃんは今作が初めてのドラマ撮影と思えないほどパワフルでかつ素直で、とても刺激的でした。その上どっしりとした存在感もあり、そのおかげでこのドラマのテーマ性を理解し、小早川と向き合うことができたと思っています。
さまざまな視点から楽しめる作品だと思いますので、ぜひご覧ください!
宇佐美のどか役・余貴美子
<役柄>
未来が学生時代にヒットしたドラマ『学園サンデー』の脚本家。未来は宇佐美の作品に、自信がない自分を重ね、救われた過去がある。業界では大御所。
<コメント>
私は宇佐美という、売れっ子脚本家のお役です。古くさいとかあれやこれや言われながらの生みの苦しみ。実人生では作家になれそうもない。
結局、物語を作るということは、多様性を知るために外に出てたくさんの人に出会うことでしか何かに気付くこともないし、人の思いに対して想像力も持てない。主人公の未来のように、人と関わることでしか意識改革はできないかもしれませんね。『パーセント』で初めて、アファーマティブアクションという言葉を知りました。
インナージャーニー ボーカル・カモシタサラ コメント
主人公 未来ちゃんの想像力(イメージ)を持って、“障害があるから”とか、“女性だから”という社会の枠(フレーム)にとらわれることなく、もがきながらも何度も挑戦してほしいという願いを込めました。
また、すれ違いながらも、ただひとり光っている君のことを見つけたい! という思いから“きらめき”というタイトルを付けました。
数字や肩書きより大切なものに気づかせてくれた素晴らしいドラマ。
今からとても楽しみです。
演出・大嶋慧介 コメント
「こうあるべき」という価値観は私たちを苦しめてきます。また「自分らしくあればいい」と言われつつも、自分だけでなく他者の「その人らしさ」を認めるのって難しいな、と感じます。考え方が違えば特にです。このドラマに出てくる人々は、それぞれが抱える「べき」に対してもがき続けます。みんなバラバラです。でも、人と人はそれだけじゃないと信じたい。番組を見てくださる方が、心を寄せられる登場人物を1人でも見つけて結末まで見届けてほしいな、と願っています。
制作・南野彩子プロデューサー コメント
『パーセント』は、テレビ局で働く制作者や俳優たちが「多様な社会の中で、表現すること」に向き合う物語です。すべての出演者が、物語と地続きである「表現の世界に生きる当事者」だからこそ、熱い思いを持ってテーマと真摯に向き合い、物語に命を吹き込んでくださいました。
主人公の未来は、未熟で失敗も多く、テレビマンとしては発展途上な人物です。でもさまざまな人との出会いが、彼女の宝物になります。魅力的なキャストの皆さんによるすてきなコラボレーションの中で、未来が歩み続ける「軌跡」と「出会い」をお楽しみいただければ幸いです。
また、そんな人と人との出会いの尊さがぎゅっと詰まっているのが、インナージャーニーさんがこのドラマのために書き下ろしてくださった主題歌「きらめき」です。タイトルの通り、心がきらきらとした思いでいっぱいになる曲です。物語と併せて、誰かの心に届くことを祈ります。
あらすじ
ローカルテレビ局「Pテレ」のバラエティ班で、多忙な日々を送る吉澤未来(伊藤万理華)。彼女はいつかドラマ班に異動したいと、企画書を出し続けていた。ある日、編成部長に呼び出され、自身のドラマの企画が通ったことを告げられる。喜んだのもつかの間、部長は「この企画の主人公、障害者ってことにできへんか?」と未来に尋ねた。局を挙げた「多様性月間」というキャンペーンの一貫として、登場人物に多様性を持たせたドラマが必要なのだという。
戸惑う未来をよそに、「障害のある俳優を起用する」という条件で企画は進んでいく。悩みながらも、とにかく企画を成立させねばと取材を進める未来。やがて彼女は車椅子に乗った高校生・宮島ハル(和合由依)と出会う。俳優を目指すハルに未来は不思議な魅力を感じ、ドラマの出演をオファーするが、ハルは「障害を利用されるんは嫌や」と拒否。諦め切れない未来は、ハルが所属する劇団「S」の稽古場を訪ねるが……
番組情報
土曜ドラマ『パーセント』(全4回)
2024年5月11日(土)放送開始
NHK総合:毎週土曜 午後10時~
BSP4K:毎週土曜 午前9時25分~
再放送:NHK総合 翌週水曜 午前0時35分~
作:大池容子
音楽:池永正二
出演:伊藤万理華 和合由依
結木滉星 菅生新樹 小松利昌 山下桐里 成木冬威 水口ミライ 河合美智子
/岡山天音 菊池亜希子
/山中崇 橋本さとし 余貴美子 水野美紀 ほか
制作統括:櫻井賢 安達もじり
プロデューサー:南野彩子 葛西勇也
演出:大嶋慧介 押田友太
©NHK