テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第79回は4月1日(月)放送のドラマ『GTOリバイバル』(フジテレビ系)に出演する八木莉可子さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」八木莉可子
◆本作で演じる市川すずかは謎多き人物だそうですが、八木さんから見たすずかはどんなキャラクターですか? ご自身の共通点や共感できるところはありますか?
すずかは学校では優等生でエリートな立ち位置ですが、実は家ではお父さんとうまくいっていなかったり、いろんな問題を抱えているんです。ものすごく真っすぐな子で、ちょっと極端なところもあるのですが、自分の思ったことに対して純粋に突き進んでいるところは素直にすごいなと共感しました。私もこうだと思ったら曲げられない頑固な面があったり、白黒ハッキリつけたいところがあるので、そこはちょっとすずかと似ているなと思いました。
◆また、すずかは正義感が強いとのことですが、ご自身もそういう一面はあると思いますか?
ありますね。私自身、学生時代は学級委員と生徒会長をしていましたし、大学の卒業論文も「スパイダーマンから見た現代社会」という今後のヒーローについての展望のようなものをテーマに書いたので、実は正義というものが自分の根底にあるのかもしれないです。
◆外見の雰囲気からか、どちらかと言うとクールなイメージを持たれることも多いかと思いますが、実際の八木さんはリーダーシップある熱い女の子なんですね。
ただみんなで一緒に楽しい事をするのが好きなだけなんですけどね。昔から周りを引っ張るのが好きで、積極的にリーダーシップをとる方だったと思います。でも、自分ではしっかりしているつもりなのですが、周りの人いわく、天然で抜けているところがあるみたいです(笑)。
◆すずかを演じる上で意識したことや役作りについて教えてください。
問題を抱えている子なので、最初は役をつかむのに苦戦しました。学校では、鬼塚先生(反町隆史)と波長が合わなかったり、自分の考えを持ちすぎてしまったりするので、その分家に帰ったらいい意味で肩の力が抜けたラフな感じになるのかなと思っていたんです。でも、監督から「そうじゃなくて、全部を儀式のようにやってほしい」と言われて。そこは自分の中での大きな壁でした。
◆父親との確執があるゆえに、家でも緊張感を持ったお芝居をしなければならなかったと。
はい。ほかの子と違って、家でも猫を被っていなければいけなかったのは、もしかするとすずかの特徴なのかもしれないですね。引き出しを開けるシーン一つにおいても、神聖なもののようにしてほしいとのリクエストがあったので、自分の中ですずかという存在を神格化するかのように、全てを丁寧に演じることを心掛けていました。
◆監督のみならず、主演の反町隆史さんからも演技について助言があったそうですね。
私にとって重要なシーンの前日に、わざわざ反町さんがお話する時間を作ってくださったんです。具体的な話はネタバレになってしまうのでできないのですが、“すずかの思いはこうだと思うから、こういうふうにみんなに訴えかけた方がいいんじゃないか”と直々にアドバイスしてくださって。とてもうれしかったですし、勉強になりました。
◆鬼塚先生との印象的なシーンはありますか?
鬼塚先生が私に触れるシーンがあるんですけど、本当に鬼塚先生の手に力が宿っているように感じて。お芝居をしているようで、半分していないような…鬼塚先生自身から直接パワーをいただいているような不思議な感覚がありました。
◆このドラマや役に対する反町さんの熱い思いが伝わってきたと。
はい。まさに現場での反町さんは、鬼塚先生そのものでした。撮影は夏の終わりぐらいだったのですが、私が外で感情的になるシーンがあって、暑さも重なって、ちょっとしんどくなってしまったんです。その姿を見た反町さんが、冷たいお茶を買ってきて私に渡してくださって。なんて優しいお方なんだと。情熱的な部分がありながらも、そういったさりげない気遣いに感動しました。
◆すてきなエピソードですね。八木さんの学生時代には鬼塚先生のような印象に残る先生はいましたか?
私の中学、高校の担任の先生もすごくすてきな先生でした。特に中学時代の先生は『アナザースカイ』(日本テレビ系)にも出演していただきましたし、今でも自分の心の中に残っている言葉をくれた恩師です。ある意味、私の中で鬼塚先生と重なって見えるところがあって、まさに私にとってのグレートティーチャーだったので、撮影中にあらためて当時を思い出したりもしました。
◆最後に本作の見どころと、本作を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。
反町さん演じる鬼塚先生が26年の時を経て帰ってくるということで、リアルタイムで見ていらっしゃった方は当時を懐かしみながら、楽しんでいただけると思います。一方で、私と同じように当時まだ生まれていなくて、リアルタイムで見られなかった方や、配信や再放送で見られていた方も、世代を超えて楽しめる作品になっていると思います。今を生きる学生の方や若い方だけでなく、見て下さった方全員に鬼塚先生の魂のこもった言葉や熱い想いが伝わるはずです。私が演じるすずかも今回の物語の重要な役柄でもあるので、ぜひ注目して見ていただければうれしいです。
PROFILE
●やぎ・りかこ…2001年7月7日生まれ。滋賀県出身。A型。主な出演作はドラマ『パリピ孔明』『おとなりに銀河』、映画「イチケイのカラス」など。4月12日(金)から上演される舞台「鴨川ホルモー、ワンスモア」に出演する。
●photo/田中和子(CAPS)text/星野彩乃