川口春奈が主演を務める金曜ドラマ『9ボーダー』(TBS系 毎週金曜 午後10時~10時54分)の最終回(6月21日(金)放送)を前に、川口と新井順子プロデューサーが対談。撮影の舞台裏や、作品への思いを語った。
本作は、19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=「9ボーダー」真っただ中の3姉妹が、父の突然の失踪を機に一つ屋根の下に集結し、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、それぞれの年代特有の悩みにぶつかりながら仕事に恋に立ち向かい、幸せになりたいともがきながら人生を前向きに進んでいく姿を描く完全オリジナルのヒューマンラブストーリー。物語もいよいよ残すところ1回。最終話を前に、川口と新井プロデューサーに話を聞いた。
◆今までの印象的なシーンや、撮影に際して苦労したところがあれば教えてください。
川口:私は銭湯での入浴シーンと、3姉妹そろってのシーンですね。何か食べたり、けんかしたり。あとはやっぱり1話の桜の場面です。実際に撮影で行ったときはすごくきれいで、個人的に大好きなシーンです。
新井:いろいろありますが、2話で七苗が同僚の千尋に本音を伝える電話のシーンですかね。ドライ(撮影のリハーサル)を見ながら1人で泣いていました(笑)。そして私も1話の桜のシーンはとても印象に残っています。天候などの影響で3回ぐらい撮影を飛ばしてようやく撮れた映像なので、感慨深いです。
◆前作『着飾る恋には理由があって』に続いて再びのタッグですが、「お互いここがパワーアップした」などありますか?
川口:特にここが変わったということはないのですが、前作から3年の時を経て、お互いいろいろなジャンルの作品を経験してきた中で、やっぱり新井さんは愛情がすごいんですよね。どっぷりと没入する方なので、その熱さがにじみ出ているんです。こういう方ってなかなかいないよなと再確認しました。
新井:没入ね(笑)。前回の『着飾る~』のときは、川口さんとは最初に人見知りが故の距離感から始まり、最後はすごい仲良くなって。今作ではどうなるかなと思っていたのですが、今回はキャストの方々ともすぐに仲良くなっていました。スタッフとも、『着飾る~』のときと同じスタッフが多くいたというのもあるかと思いますが、すぐに仲良くなっていて。ちょっと大人になったのかなと思いました(笑)。お芝居の瞬発力は相変わらずすごくて、そこは変わらないですけどね。
◆『9ボーダー』だからこそと胸を張れる、すてきなポイントや作品としての強みがあれば教えてください。
新井:やっぱり3人の姉妹感じゃないでしょうか。前室(撮影の待機場所)って結構広いんですが、いつもぎゅーっとくっついていて。本当にリビングにいる3人みたいな空気感です。
川口:気を使わなくてよくて、本当に家族っぽいですね。何も話さないときもあるけど、それはそれで苦にならなくて。本当に家族みたいな感じです。
新井:初めは「仲良くなりたい!」と頑張っていたところもあると思いますが、すぐに打ち解けて、そのあとは誰かが無理して仲良くしようということもなく自然体でいられて。あっという間に4か月が過ぎていたので、これは本物だなと。誰か1人でも前室から出て、控室に戻っていればきっとこういう空気感ではなかったのかもしれないですけど。
川口:誰も控室に戻らなかったですね。
新井:男性陣とも仲良かったよね。松下洸平さんはみんなより年上なんですけど、松下さんいじりをしたりとか(笑)。本当に近所の幼なじみみたいな距離感だったよね。
川口:その雰囲気には本当に救われましたね。そういったチーム感が一番の強みじゃないでしょうか。
◆今作での撮影を経て、お互いに変化したところはありますか?
川口:私は七苗とは立場は違うけど、実年齢が同じということもあって、いろいろなことを学べたと思います。29歳の頑張る女性へのメッセージといいますか、脚本の金子ありささんのせりふもグサグサ刺さって。自分がやりたいことに向かって頑張るというのがいいんだな、それが正解なんだなということを学びました。そして家族っていいなとあらためて思いました。
新井:誰かが言っていましたが、年齢はただの数字であって、いくつになっても挑戦できるし、なんだってできる。「もう」とか、「でも」とか言わないで。劇中のせりふでも「もう29歳じゃなくて、まだ29歳」というのがありますが、そういうマインドでいたほうが人生は楽しめるということを学びました。
◆『9ボーダー』はこの先、お2人にとってどのような作品になるでしょうか?
川口:年齢なんてどうだっていいし、自分がやりたいことをするのが正解なんだよというのを教えてもらった作品なので、自分をすごく肯定できた気がします。自分は1人じゃなくて、周りにはいろいろな人がいて、助けてくれる。未来の自分の背中を押してくれる作品になるのではないかと思います。
新井: 脚本作りの際に、わりと自分を投影しているときもあります。あのとき自分はこう考えていたんだなと、のちのち思うのかもしれません。自分のロールモデル(笑)。
また、今作では仕事についていろいろな人から話を聞きました。「こんなことが許せない」とか「こんなことをしたい」とか、周りや世間の声を反映しているので、5年後とかに振り返ったときに「昔ってこういうことあったよな」と思い返すのではないでしょうか。
◆最終回に向けて視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
川口:9話でだいぶ悲しい終わり方をしてしまい、コウタロウの過去とか、1時間で回収できるのかというくらい盛りだくさんの内容です。3姉妹の行く末も、明るくポジティブな未来になっていてほしいなと思いますし…。みんな頑張っているから、全員幸せになってほしい。どのような結末になるか、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
新井:この作品を観て、自分を好きになってほしいなと思います。自分は自分でしかなく、何歳になっても、今の自分がいいなと思えるように。人の人生をうらやむのではなく。
結末については非常に頭を悩ませました。本当にいろいろなパターンが想定できて。いろいろなラストの形があったのですが、キャストやスタッフみんなの思いが詰まった結末になっていると思いますので、ぜひ期待してください。
番組情報
金曜ドラマ『9ボーダー』
TBS系
最終回:2024年6月21日(金)午後10時~10時54分
<配信>
U-NEXT Paraviコーナー:各話初回放送直後配信
TVer/TBS FREE:各話初回放送終了直後から最新話を無料配信
<キャスト>
大庭七苗:川口春奈
成澤六月:木南晴夏
大庭八海:畑芽育
松嶋朔:井之脇海
高木陽太:木戸大聖
酒井百合子:大政絢
梅津剣:伊藤俊介(オズワルド)
盛岡久美子:内田慈
品川九吾:齋藤潤
新浜良則:岩谷健司
西尾双葉:箭内夢菜
八木千尋:奥村佳恵
稲沢大吾:矢崎広
立花祐輔:兵頭功海
芝田尚希:中山翔貴
大庭五郎:高橋克実
辻本あつ子:YOU
コウタロウ:松下洸平
<スタッフ>
脚本:金子ありさ
音楽:jizue
主題歌:SEKAI NO OWARI「Romantic」(ユニバーサル ミュージック)
プロデュース:新井順子
協力プロデュース:阿部愛沙美
演出:ふくだももこ、坂上卓哉、鳥居加奈
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/9border_tbs/
公式X(旧Twitter)&Instagram&TikTok:@9border_tbs
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