小関裕太、動画クリエーター夫婦の“なれそめ”に衝撃受ける「すごく胸に刺さりました」

特集・インタビュー
2024年09月13日
小関裕太
小関裕太 ©NHK

カップルの“なれそめ”をきっかけに、さまざまな人生の楽しみ方を語り合う番組『超多様性トークショー!なれそめ』(Eテレ)。9月13日(金)放送回は「一緒に発達障害に向き合った動画クリエーターカップル」と題し、ADHD(注意欠如・多動症)のあるダイスケさん、ちゃんまりさん夫婦が登場する。

そんな同回にゲストとして出演する小関裕太さんに、収録を終えての感想や印象に残ったエピソードなどをインタビュー。ご自身が挫折から立ち上がった方法や、“てれび戦士”として活躍した『天才てれびくん』の話題も…!

◆まず収録を終えて、率直な感想を教えてください。

『なれそめ』は以前から何度も拝見していましたが、新たな価値観や考え方と出合えたり、 壁を乗り越える力をもらえる前向きな番組だと思っています。ダイスケさんとちゃんまりさん夫婦はとにかくポジティブで、僕までパワーを頂きました。ずっと笑顔で明るく、本当に幸せなんだなというのを肌で感じられ、いい回だったなとしみじみ感じています。

◆2人のお話の中で、特に印象に残っているエピソードは?

ちゃんまりさんがダイスケさんと同棲を始め、ADHDの症状と対峙された時のお話です。それに苦悩しつつも、「私が彼の好きなところは症状以外の部分で、彼が直面している症状に関しては本人もそばにいる私も大変だし、これは2人で乗り越えるべきだなと思った」という言葉がすごく胸に刺さりました。人と向き合う中で自分と違う部分を許容するのはすごく大変だと思うのですが、ちゃんまりさんが“一緒に乗り越える”という考えに持っていけた原動力はダイスケさんへの“愛”で、それがすごくすてきでカッコいいなと。でも、これはADHDの方に対してのみならず、家族や恋人、友達や仕事仲間など、誰もが周囲の人に対してあらためて考えるきっかけになる言葉だと思うんです。この考え方が当たり前になれば年齢も性別も関係なく、みんなが歩み寄りやすくなるんじゃないかなと感じた、いい意味で衝撃的なお話でした。

◆ダイスケさんは自分の人生について「好きなことに逃げてきた人生」とおっしゃっていましたが、共感できる部分はありましたか?

僕自身、俳優というお仕事はもちろん楽しいので続けていますが、実は苦手なこと、できないことと向き合わなきゃいけないことの方が多いんです。皆さんからするとただ好きなことをしているように見えるかもしれないのですが、実は常に自分を壊し、持っていないものを作っていかなきゃいけない職業で。逃げたくても逃げられず、ひたすら壁と向き合い、なんとか解決して乗り越えていく。そして、次の日にはまた新しい試練が…という日々なので、そういう意味ではダイスケさんがちょっと羨ましいなと思いました。

◆これまで、小関さんは何かに挫折した経験はありますか?

ホームレス生活を経験されたダイスケさんほど大きなエピソードはないのですが、いわゆる挫折と呼ばれることは僕もたくさん経験してきました。例えば、僕が俳優としてやっていこうと決心したのは18~19歳の頃なのですが、当時、初主演舞台の機会を頂いて。その演出が岸谷五朗さんだったのですが、俳優としても大先輩なので、頂くご指摘が全部刺さりすぎて…。分かってはいても体がついていかず、本当にもどかしかったです。その後、なかなか仕事がこない時期が続いたこと、あるオーディションで「君はこの役にぴったりだけど、ちょっと若すぎるから、もう少し人生経験を積んでからまた来てほしい」と言われたことも、今となってはポジティブに捉えられますが、当時はすごく苦しかったですね。
あと、学生時代によく「小関君って真面目だよね」と言われていたのもつらかったなと。自分ではそうありたいと思っていなかったのもあり、これは褒められているのか、イジられているのかどっちなんだろう…とモヤモヤしては、「こんな自分を変えたい」と思い悩んで。そういうのが同じ時期に固まってしまい、本当に苦しかったのですが、乗り越えるための山だったんだなと思っています。

◆その後、挫折からどう立ち上がったのでしょうか。

たくさんもがきましたが、結局は時間が解決してくれました。良くも悪くも自分の想定外のことを経験していく中で、いろいろな価値観を身に付けることができたのが大きいかなと。夜なのにサングラスをかけ、ギラギラなチェーンを下げ、ダボダボのジーパンを腰パンどころか尻パンで履き、街を睨み歩いていたこともあります(笑)。ちなみに、僕はそれを“ヤンキーチャレンジ”と呼んでいました(笑)。

◆なぜ“ヤンキーチャレンジ”をしようと…?

とにかく何か行動に出て、自分を壊したいという思いが強かったです。それが解決につながったのかはわからないのですが(笑)、結果的には“ヤンキーチャレンジ”もいい経験になったなと思っています。

小関裕太
小関裕太 ©NHK

◆小関さんは2006年より「てれび戦士」として活躍されていましたが、『天才てれびくん』はどのような存在ですか?

自宅や学校にいるよりも長くNHKにいたので、当時の出演者の方やスタッフの皆さんと過ごした時間というのは、いい意味で特別なものとは思っていないんです。仕事というより、友達に会いに行くような、家族と話しに行くような感覚だったので…。ただ、生放送でトークや特技を披露させてもらい、そのスキルは今にも生きているので、本当にありがたいなと思います。ダーツやラテンダンスを短期間で身に付けるような無茶な企画もあり(笑)、やらざるをえない環境で何かを乗り越えるパワーを身に付けられましたし、僕にとっては大きな糧になっています。

◆すてきなお話をありがとうございました! 最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

今回の『なれそめ』は、これまでの中でも特に明るい回だと思います。トークを聞いていても、VTRを見ていても楽しくて、見た方の多くが“前向きに頑張ってみようかな”と思える、すごく有意義な内容です。レコーダーで録画して、長く手元に残しておきたい回になっていると思います。

ANOTHER TOPIC

Q.現在、ABCテレビ・テレビ朝日系で放送中のドラマ『素晴らしき哉、先生!』(毎週日曜 午後10時~)に主人公・笹岡りお(生田絵梨花)の恋人・大友聖也役で出演中の小関さん。こちらはどのような作品ですか?

A.りおのせりふに「先生だって人間なんだよ」という言葉があるのですが、まさしくこれがこのドラマのテーマだと思います。例えば、1話でりおが自分のプライベートを保護者たちから責め立てられるシーンがありましたが、“先生”だって“人間”なんだからお酒を飲んで時に失敗してもいいし、好きな服を買っていいし、友達とわちゃわちゃするのはもちろん、恋人を作ったって結婚したっていい。僕自身、そのシーンはいろいろなことを考えさせられました。さらに、その裏でりおは聖也にそれを愚痴るわけですが、どのような職業の方でも共感できる言葉がたくさん詰まっていると思います。この先、りお自身、生徒や保護者、そして先生たち…と本当にいろいろなことが起きていきますが、物語が進んでいくにつれて、「先生だって人間なんだよ」という言葉に重みが増していくんじゃないかなと。この作品がいろいろな方の勇気につながるきっかけになればうれしいです。

PROFILE

●こせき・ゆうた…1995年6月8日生まれ。東京都出身。AB型。現在、ドラマ『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・テレビ朝日系)に出演中。10月スタートのドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)への出演を控える。

番組情報

『超多様性トークショー!なれそめ』
Eテレ
2024年9月13日(金)後10・00~10・29
※放送後1週間、NHKプラスにて見逃し配信あり

●text/片岡聡恵

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