テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第93回は映画「他人は地獄だ」で栁俊太郎さんと共にW主演を務める八村倫太郎さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」八村倫太郎
◆本作が映画初主演となります。オファーを受けた時の気持ちを教えてください。
めちゃくちゃうれしかったのと同時に自分に務まるかなという不安もありました。でも前回ドラマの主演をさせていただいた時に、主演だからと無理に引っ張ろうとするのではく、周りに支えられて成り立つものだなと知ったんです。今回は自分より目上のキャストの方が多かったので、安心して皆さんの胸をお借りして思う存分頼らせていただきたいなと。僕にできることは現場の雰囲気を明るくしたり、スタッフさん含め皆さんに“この現場いいな”と思ってもらえることだなと思ったので、そこは意識していました。
◆主演だからといって、変に気を張ったりすることもなかったと。
そうですね。でも、切り替えは意識したかもしれないです。現場は楽しいなと思ってもらいたいけれど、それを引きずったままお芝居をするのは違うと思っていて。劇中ではシリアスなシーンが多かったので、ある種そこに救われたところもありました。逆に芝居が終わった後は、積極的にコミュニケーションをとって、役を引きずらないようにしていましたね。時々、憑依型の人っているじゃないですか? 意識してないのにそうなっちゃうって、カッコいいから憧れるんですけど、僕はむしろ意識しまくって役に入るタイプ(笑)。撮影の合間は皆さんと和気あいあい過ごして、お芝居の時はガーッと集中する現場だったので、引きずることがなかったのは共演者やスタッフの皆さんのおかげだと思います。
◆演じるにあたって参考にした作品などはありましたか?
僕が演じるユウは特に表情が大事だと監督からも言われていたので、表情を参考にするために「ミザリー」を見ました。でも、結局怖くて全部見られなかったです(笑)。僕は日頃から表情豊かだねと言ってもらえるのですが、それは自分の中でウケを狙って笑いを誘うためにしている時がほとんどなんです。でも、その要素は本作の中には入れたくなかったので、そこは意識的に差別化していたつもりです。ただ、意識しすぎるとどんどん表情がこわばってしまうのであんばいには気をつけました。
◆大変だったシーンや印象に残っているシーンを教えてください。
印象に残っているのはアクションシーンです。僕はまだアクションの経験が少なくてうまくできないので、本当に体が痛くなってしまったりもしたんですが、実際に痛みを伴うことによって芝居に生きることもあるなと思ったので、うまくやり過ごすのではなく全力でぶつかりました。だからこそ、シーンによっては迫力だったり、ユウ自体の存在感が強く出たと思うので、そこはぜひ注目して見てほしいと思います。
◆アクションはどのように取り組まれたんですか?
動線を覚えるのは日頃ダンスをやっているからか、結構得意なんです。ユウはけんかが達者でも強靭な人間というわけではなく、本当に普通の男の子なので、逆にけんかがうますぎても良くないなと思って。むしろ手荒いほうがいいなと思い、かげんは意識して取り組んでいました。
◆本作への主演が決まった時、WATWINGのメンバーには伝えましたか?
はい。伝えたら「本当におめでとう」と喜んでくれました。ホラー好きのメンバーもいるので、ぜひ感想を聞きたいですね。僕だけでなく、他のメンバーが何か新しいことに挑戦するときにはお互いにエールを送り合うんです。すごくありがたい存在ですね。
◆多忙な日々が続いていると思いますが、休日はどんなふうに過ごすことが多いですか?
役者仲間と過ごすことが多いです。高橋文哉、綱啓永、樋口幸平とかはよく会います。あとはアーティストのNOAも。『君の花になる』での出会いは大きかったです。
◆一度築いた縁は長く続きそうですね。
はい。そこで終わるのは嫌だっていうのはありますね。なので、今回の共演者の方に対してもそうですが、意識的に自分から連絡するようにしています。
◆皆さんとどのように過ごされることが多いですか?
サウナに行ったり、最近は買い物に行ったり…この間はテーマパークに行って、久々に休日らしい休日を過ごしました。そもそも僕は出不精なので、一人だとあんまり出掛けたくなくなっちゃうんですよ。
◆一人行動はあんまり好きではない方?
いや、好きなんです。好きだけど、人と会う方が一人の時間ももっと有意義に使えるかなと思うんです。人と会わないとどんどん家にいて、自堕落な生活を続けちゃうので。最近は無理やりにでも誰かと会うようにしています。
◆あらためてご自身は普段友達や周囲の人からどんな人だと言われることが多いですか?
よくしゃべるし、よくふざける、愉快なやつと言われます。
◆幼少期からずっとそんな感じでしたか?
そうですね。多分みんなの輪の中にいたがりっていうのもあるんですけど…中心にいることが多かったです(笑)。
◆ちゃんと周りの空気を読みながら、真ん中に立つタイプですよね?
本当に周りに助けられながら、日々を過ごしていると思います。もし、一人で空回っていたら、誰かがちゃんと指摘してくれますし。きっとどうでもいいやつだったら、大人になっていくほど何も言われなくなってくると思うんです。でも、関わっている人にとって、僕は“どうでもいいやつ”になるのは嫌なので。ウザいかもしれないですけど、これからもグイグイいきたいと思います(笑)。
◆今後出演したい作品のジャンルや演じたい役柄はありますか?
報われないラブストーリーをやってみたいです。今まで自分と結構近い役柄をやらせてもらうことが多かったような気がするんですが、いつもスタートの時は全然自分と違うなと思っているんです。今作でもそうですが、結局はどこかしら近しいものがあるんだと思います。誰にでも明るい部分もあれば暗い部分もあるように。だから自分と似ている・似ていないにかかわらず、なんでもやりたいですね。
◆また本作に挑戦したことによって、視野や役の幅が広がっていろんな作品に挑戦できる自信も芽生えたのではないでしょうか。
そうですね。最終的に作品の中の僕はユウになってるんですけど、そこに対して説得力があれば、もっともっとこれからもいろんな幅のある役に挑戦できるのかなと思うので、全てを考えても本当にこの作品をやれてよかったなと思います。
◆最後に本作の見どころを教えてください。
ものすごく怖い作品ではあるので、ホラーが苦手な方は見るのに勇気がいると思うんです。でも、その恐怖を越えて来るほどにストーリーが本当に面白くて。最後に「わぁ~そういうことになっていたんだ」と度肝を抜かれると思いますし、「他人は地獄だ」っていうタイトルの意味が理解できると思います。僕も視聴者の皆さんがワクワクできるように一つ一つこだわってお芝居させてもらったので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらなと思います。一度見たらきっと何回も見たくなるような作品だと思います。
PROFILE
●はちむら・りんたろう…1999年7月28日生まれ。神奈川県出身。A型。WATWINGのメンバー。主な出演作はドラマ『君の花になる』『佐原先生と土岐くん』など。現在『王様のブランチ』(TBS系)にレギュラー出演中。
作品情報
「他人は地獄だ」
現在公開中
監督:児玉和土
出演:八村倫太郎(WATWING) 栁俊太郎/岡田結実/三浦健人 青木さやか 大倉空人 鈴木武 松角洋平 星耕介/日比美思 大野泰広 本多遼/濱津隆之 /萩原聖人
●Photo/干川 修 text/星野彩乃 styling/三島和也(tatanoa) hair&make/MISU(SANJU)