1月10日(金)にスタートするドラマ25『風のふく島』(テレ東系 毎週金曜 深夜24時42分~25時13分)第1話の主人公・中村優神(なかむら・ゆうしん)を演じる佐藤大樹さんにインタビュー。馬術競技で日本代表に選ばれた経歴の持ち主である優神を演じるに当たって意識したことや、そのモデルになった方の印象、作品の魅力などを聞きました。
本作は、実在する12人の移住者たちにフォーカスした1話完結のオムニバスドラマ。葛藤や挫折をしながらもそれぞれの課題に挑戦して移住に至る姿や、福島県の人々との交流を通じて成長していく様子を、実在する場所やモデルとなる人物にインタビューを行い、そこから着想を得たストーリーとして紡いでいく。
◆佐藤さんは優神のモデルとなった方と同い年ですが、実際に会ってお話しされてみて、共感したことはありましたか?
ドラマの舞台となる福島県南相馬市で実際にその方にお会いしたのですが、「根拠のない自信が昔からあった」とおっしゃっていて、自分がこうなりたいと掲げた目標に対する熱量を感じましたし、ダンスを始めてEXILEになると思い描いていた僕自身と似ているなと思いました。優神のモデルになった方は「馬術競技をメジャーにする」という夢があるそうなのですが、僕は16歳でダンスを始めて、そのときからEXILEになることを最終的な目標に掲げていたので、周りが見えなくなるくらい一つの物事に打ち込むという姿勢はすごく共感できました。
◆逆に、ご自身と優神とで違うと感じた部分はありますか?
僕は根が真面目だと監督に言われたんです。優神はある意味チャラいといいますか、言動が軽いキャラクターで、物おじしないし人にどう思われているかということを考えていないタイプ。自分が優神を演じていると、監督がおっしゃる真面目さが出ているのか、なんとなく成り切れない部分もあったんです。僕は人にどう見られるかというのを考えてしまうので、そこは優神とは違う部分だなと思います。でも、そういう方が持っている自信や行動力というのは憧れる部分でもありますね。
◆どのように見られるかというのを気にされているんですね。
ステージに立って踊るときも、パフォーマーとしての佐藤大樹を演じているようなところがあるんです。こう見られたいからこうする…というのは常に意識しています。皆さんの評価や感想も気になるし、だめなポイントがあったらそれを次に活かせるようにしています。
◆優神を演じる上で馬と触れ合ってみていかがでしたか?
まず、優神を演じるに当たって動画サイトで馬術競技などを検索してみました。その後、クランクイン前に馬と触れ合って、実際に馬に乗って少し走ってみる練習などを行いました。いろいろな馬がいて、本番はどの馬で撮影するかというのを優神のモデルになった方に選んでいただいたのですが、自分に合う馬がどの馬なのかというのをつかむまで思った以上に苦戦しました。子供のころは乗馬体験をすることがあったのですが、大人になってから馬に乗ったのは初めてだったので、かなり難しかったです。
そのモデルの方が励ましてくれたり元気づけてくれたりして、本番では自分が思っていた倍の力を発揮することができましたし、特に苦戦すると思っていた馬とのシーンが撮影で一番うまくいったんです。モデルの方のおかげで馬とうまくコミュニケーションを取ることができました。撮影最終日は馬と対面して切ない気持ちになったり涙を流したりするシーンもあったのですが、本当に心が通じた気がして、もう少し馬とのシーンをたくさん撮りたかったなと思うほど馬が恋しくなりました。
◆モデルになった方からはどのようなアドバイスを受けましたか?
馬はとにかくストレスを感じやすい生き物ということと、フルパワーの元気でいるときより少し疲れているときの方がいいということを教えていただきました。そして、自分が馬に乗った後に、必ず首をなでて褒めてあげる。これが馬にとっても心のよりどころになるし、今の自分は良かったんだと受け取ってくれるんだということも教えていただきました。つらい思いをさせてしまったり練習をたくさんさせてしまったりしたときは、よく頑張ったねという思いを込めてなでてあげるとそれが伝わるとのことだったので、時間があれば首をなでてあげていました。毛並みをそろえて毛の掃除をするシーンもあるのですが、カメラが回っていないときもそれをしてあげて、より馬との距離感を縮めることが大事だというアドバイスもしていただきました。
◆馬とコミュニケーションが取れたとのことですが、馬とのシーンで苦戦したことはありましたか?
僕が出演する第1話はラストシーンからの撮影でした。そのとき白馬と撮影したのですが、僕自身馬との撮影も初めてでしたし、馬も普段目にすることのないカメラやガンマイクが近くにあることによって恐怖心を抱いていたんです。砂浜でおなかを見せて駄々をこねてしまったり、本番が始まってから馬が言うことを聞かなくなってしまったりしたことがありました。でもその馬には人が乗っているし、スタッフさんたちは遠目から撮影していたので、その馬をコントロールできるのが僕だけという状況で、そのときはせりふや映り方を全く気にできないくらい、“この馬を暴れさせてはいけない”というプレッシャーがありました。でも、そのシーンがうまく撮れた後にニンジンを馬にあげたのですが、そのときの馬のうれしそうな顔が忘れられなくて…僕もうれしくなりました。
◆佐藤さんは原作がある作品に出演される機会も多いと思いますが、実在する人物がモデルの役柄を演じるということに関してどのような印象を受けましたか?
モデルの方に1時間ほどリモートインタビューをした映像をプロデューサーの方から提供していただいて、その方の素の部分をいろいろ研究させていただきました。車の中からインタビューを受けていたり、途中で郵便物を開けながら受け答えしていたりするのが面白かったのですが(笑)、言っていることはとても興味深くて、自分では考えられないような返答をされていました。その何げないせりふが実際にドラマのせりふになっている箇所もあるんです。実話を基にしたドラマってこういうふうに作られるんだなと大きな発見になりました。今回の役作りで新鮮だったのは、実際にお話しさせていただくときも、たわいない会話の中で生まれる人柄を盗もうとしたことです。しかも、その方が馬にEXILEの曲を聴かせていて(笑)。「聴くんですよEXILE!」と言っていただけてうれしかったです。
◆ロケを通じて感じた福島県の良さ、魅力を教えてください。
僕の祖父母の家が福島県にあって、福島には年に一回帰っています。子供のころから毎年必ず行っている場所で、行くたびに心が浄化されるイメージがありましたし、今回、福島県で撮影できるというのを聞いてすごくうれしかったです。福島の方は人を信頼していて、地域の輪を大切にしている県民性があると感じていました。南相馬市の方も、僕が馬の練習をしていたときに手取り足取り細かく教えてくださいましたし、方言のアドバイスもしてくださいました。人の温かさに触れられたのがうれしかったですし、馬に対する情熱を見て、ここまで動物を大切にされている方と密に接する機会があまりなかったので、すてきな街だなとあらためて感じました。
◆地元の方たちの協力もあって撮影が進んでいったんですね。
そうですね。エキストラの方は地元の方が多くかったです。僕が知っている福島県の方言について「こういう言い方で合っていますか?」と尋ねると、「こういう言い回しの方が本物っぽく聞こえるよ」と教えてくださいました。撮影の合間も皆さんと積極的に話したことで、本番ではいい空気感の中で撮影をすることができましたし、皆さん温かい方たちばかりでした。
◆東日本大震災があったとき佐藤さんは高校生でしたが、そのときに思われたこと、そして今の福島に対して思うことがあれば教えてください。
僕は高校生で、ダンスの練習をしていたときに東日本大震災が起きました。EXILEが「Rising Sun」という曲を掲げて、日本を元気に、世界を元気にというテーマでアーティストとして活動している姿を見て、僕は自分たちの曲、パフォーマンスで日本を勇気づけられるような存在になりたいとそのときにより強く思いました。今回福島でドラマを撮影して、福島県の方にもそうですし、応援してくださる方、福島に移住した方たちに僕が勇気を与えられればうれしいなと思います。
◆本作をどのような方にどういった目線で見ていただきたいですか?
今回は福島12市町村に移住した方の実話を基にした物語です。移住をした方たちがどういう思いで移住して、どういう熱意があって移住したのかというのはなかなか描かれる機会もないと思います。オムニバス形式の本作を見て、福島県に行ったことがない方に行ってみたいと思っていただけるとうれしいですし、僕が出演する第1話に関して言うと馬についてもっと知ってみたいと思っていただけるとうれしいです。東京など都会に住んでいる方は移住するという決断をする方は多くないかもしれませんし、他の地域の魅力は自分で調べないと分からないことも多いので、このドラマをきっかけにいろいろ調べてもらえるといいなと思います。
PROFILE
佐藤大樹
●さとう・たいき…1995年1月25日生まれ。埼玉県出身。A型。
番組情報
ドラマ25『風のふく島』
テレ東系
2025年1月10日(金)スタート
毎週金曜 深夜0時42分~0時13分
出演:佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、駿河太郎、桜井ユキ、豊本明長(東京03)、渋川清彦、北乃きい、本田響矢、三浦貴大、青木柚、大友康平、黒木華、小西桜子(話数順)声の出演:釘宮理恵
監督:池田千尋、川元文太(ダブルブッキング)、住田崇、戸田彬弘、二宮健、広瀬奈々子、三木聡(50音順)
脚本:石黒麻衣、金子鈴幸、川元文太(ダブルブッキング)、熊本浩武、広瀬奈々子、深見シンジ、三木聡(50音順)
企画・プロデュース:青野華生子
音楽:會田茂一
オープニングテーマ:和ぬか「夢路」(UNIVERSAL SIGMA)
エンディングテーマ:柴田聡子「Passing」(AWDR/LR2)
プロデューサー:梅山文郁(テレビ東京)、植田郁子(テレビ東京)、伴健治(さざなみ)、三好保洋(さざなみ)
広告付き無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレ東 HP・TVer)にて見逃し配信
テレ東HP:https://video.tv-tokyo.co.jp/
TVer:https://tver.jp/series/srif80nxez
©「風のふく島」製作委員会