夏川椎菜に聞く、成長と変化「フラフラして色々なことを吸収した結果、今がいちばんバランスのいい状態かも」【インタビュー】

音楽
14時間前
「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」ライブフォト
「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」ライブフォト

声優・アーティストとして活動する夏川椎菜さんが、2024年7月18日にZepp Shinjukuにて「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」(以下、「re-2nd」)を開催。本ライブの模様を収めたBlu-rayが、2025年1月15日(水)にリリースされる。本ライブは、さまざまな理由から100%の形で開催できなかった「夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd」(以下、「Pre-2nd」)のリベンジと位置付けられた公演。セットリストは新曲1曲を除いて当時から変更しないというチャレンジングな内容となった。

今回は、本ライブにかけた想いやライブを終えてみての感想を夏川さん本人に直撃。インタビュー後編では、“成長”と“変化”を中心にお話を聞いた。

◆今回は成長と変化をテーマにお話を聞いていきたいと思います。まず、デビューした当時と比べて、音楽への向き合い方は変化していますか?

私、大人になるまで音楽に熱中したことがあまりなかったんですよ。テレビに出演されているアーティストさんは知っているし、好きなアーティストさんもいたけど、ライブに行ったり、CDを買ったりというまでの熱意を持ったことがなくて。事務所にもお芝居をやりたいという想いで入所したので、そんな私がソロで音楽活動をやることになるなんて、思っていませんでした。

◆そうだったんですね。

そういう背景もあって、実はソロアーティストのお話をいただいたときから、音楽を聞かなきゃという気持ちが日に日に強くなっていったんです。というのも、「こんな曲どうですか?」と渡されたものに対して、「いいね」とも「ちょっと違う」とも言えず、「よく分からないけれど、これがいいのかな」という感じで受けてしまっていたから。

「何となくいい。何となく嫌」というのは失礼だし、仕事としてよくないと思ったので、自分のやりたいことを探すために、当時流行っていたEDMや興味のあるアイドルの曲などをはじめ、色々と聞きまくりました。最初は楽しむというよりも、勉強という意味合いで音楽と向き合っていたんです。

◆そのなかで、見つかったものがあった。

はい。段々と楽器の音にも目を向けられるようになり、そのなかでバンドサウンド、特にベース強めの曲が好きだと気が付きました。それが、今のアーティスト活動の方向性にもつながっています。ライブにも足を運ぶようになりました。前から好きだったモーニング娘。さんのライブにも行きましたし、その流れでハロー!プロジェクトさんの後輩グループを観に行くようにもなって。Official髭男dismさんにハマって、ライブを観に行ったこともありましたね。

◆ライブに行かなかった頃と比べて、大きく変化していますね。

最近は路上ライブを見るのが好きだということにも気が付きました。寒空の下、ひたすら自分の好きなことを頑張っている姿を見て、単純に応援したいという気持ちになって。ライブを見たあとにCDを買ったりすることもあります。アーティストデビューしていなかったら、能動的にライブを観に行ったり、路上ライブを見かけて足を止めたりすることもなかったかも。そう考えると、音楽への向き合い方、付き合い方は変わったと思っています。

「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」ライブフォト
「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」ライブフォト

◆アーティスト活動を続けていくなかで、自身のなかで成長を実感しているところはありますか?

活動を続けていくなかで、のりしろが広がった気がしています。

◆のりしろ、でしょうか?

はい。やらなければいけないことでキャパいっぱいにならず、少しおかずを付けたり、遊びを入れたりすることができるようになりました。それは単純に自分が年齢を重ねたことでの余裕でもあり、好き嫌いも、物怖じもあまりせず色々な活動を「やります」と手を挙げてやってきた結果なのかもしれません。

◆夏川さんは声優、アーティスト以外にも小説・エッセイの執筆やラジオ配信など、さまざまな活動をされています。

声をかけていただけことに関してはあまり深く考え過ぎず、一度やってみようと思って取り組んできました。それが巡り巡って色々な余裕につながっているのかも。

◆私もフリーランスとしての活動を始めたとき、先輩から「最初はどんな仕事でもとりあえず受けてみろ。そしたら限界が分かるから」と言われたことがあります。それが今に生きているなと夏川さんのお話を聞いて改めて思いました。

どんなことでもまずやってみたら、自分自身の限界も分かりますし、よりそれぞれのジャンルを極めている、専門的に取り組まれている方へのリスペクトも強まります。自身が経験することによって、自分にはできない・ないものがはっきりと分かるんです。その道一筋で歩んでいる人にはかなわないですね。

でも、それなら自分はこうしようとか、逆に自分はこれができるからそこを伸ばしていこうと考えることもできて。それに、何かを突き詰めている方と交流することで得られるものがたくさんあるんです。色々と経験するなかで、プロフェッショナルな方々から考え方やマインドも含めて、多くを学びました。

「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」ライブフォト
「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」ライブフォト

◆なかでも自分自身の成長に大きくつながったと感じた経験は?

舞台に出演したことです。お芝居ってセリフを覚えるだけじゃなくて、そのセリフやシチュエーションをちゃんと理解する必要があると私は思っていて。加えて、舞台でのお芝居は他の共演者の方の動きも把握しながら、自分でも積極的に動く必要があると感じたんです。何より、身体的にも丈夫でないと、やりたいことが浮かんだとしてもそれを実現できないんですよね。

◆頭のなかでは「こうしたい」と思い浮かんでも、体が作れていないとそれを表現できない場合もある。

それを実感しました。私、本当に運動ができないですし、そもそも嫌いですし、筋トレも嫌というほど好きじゃないんです(笑)。でも、舞台を経験するなかで体力や体の使い方を開拓しないとキャパが広がらないと感じました。役者さんは身長も体重もそれぞれですが、みなさん体幹はしっかりされているんですよ。太い幹がちゃんとあるんですよね。役者のみなさんを見て、舞台のお芝居って心技体すべてが伴わないと完成しないと思いました。だから、私も舞台の稽古期間にボディワークを始めたんです。自分の弱い部分を知ることができました。

◆色々な活動をするなかで、自分らしさも、弱さも知ることができた。

ひとつに絞らず、何でも手を出してフラフラしていていいのかなと思った時期もありましたが、フラフラして色々なことを吸収した結果、今がいちばんバランスのよい形の夏川椎菜でいられている気がしています。どういう仕事が来ても「怖くない」という気持ちが強くなりました。

◆今回、TV LIFE webでは初めて夏川さんにインタビューしています。改めて、夏川さんがどういったアーティストなのか、アピールをお願いします!

ジャンルとしてはロックです! 最近はオルタナ系の楽曲も増えてきましたが、バンドサウンドが印象的な曲をたくさん歌っています。あとは詞ですかね。リリースした楽曲の半分くらいは自分で作詞をしているのですが、心の隅でかさぶたになっている部分をツンツンつつくような詞だと自分では思っています。共感できる方が読んだらクリーンヒットする詞になっていると思うので、注目していただけたら嬉しいです。

◆本日は色々なお話ありがとうございました。最後に、夏川さんが思うLive Blu-ray「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」の推しポイントを語っていただければと!

今回のBlu-rayには、私がくすぶっていた思いを爆発させた「re-2nd」のすべてが詰まっています。初回生産限定盤には「Pre-2nd」のライブ映像も収録されているので、コロナ禍での悔しさも含めて、リベンジライブとなる「re-2nd」をぜひ観てください!

「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」Blu-ray
「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」Blu-ray

◆(こんな質問も!)夏川さんが読者に推したいエンタメは?

えっと、ふたつありまして。

◆どちらもご紹介いただければと!

では、まずディープなほうから(笑)。私、フェイクドキュメンタリーが好きなんですよ。雨穴さんの『変な家』とか、最近だと大森時生さんの『イシナガキクエを探しています』とか、すごく好きなんです。

◆好きになったきっかけは?

最初は『放送禁止』というフェイクドキュメンタリーを配信で観たのがきっかけでした。もともと推理小説が好きですし、謎解きや脱出ゲームにも興味があるのですが、フェイクドキュメンタリーはそれとはちょっと違う楽しみ方があるというか。解く楽しさよりも「ゾッとする楽しさ」みたいなものがあるんです。それがたまらない! フェイクドキュメンタリーでしか味わえないものがあります。好き嫌いが出るジャンルとは分かっているのですが、ハマる人はとことんハマっちゃうはずなので、ぜひおすすめしたいです!

◆熱く語っていただき、ありがとうございました! ちなみに、もうひとつは?

マーベル作品です!

◆私もコロナ禍に配信を見たことがきっかけでハマっちゃいました。

おっ! どのヒーローが好きですか?

◆アントマン、あとはアイアンマンです。彼の生き様に惚れたというか。

カッコいいですよね! 私はファルコンとホークアイが好きです。ふたりとも人間性が好きなんですよ。昔から縁の下の力持ち的なキャラクターに弱くて。そこにパパみを感じたらもう最高。ホークアイには父性を感じっぱなしです。ぜひ、みなさんが好きなヒーローも教えてください!

Profile

夏川椎菜
なつかわ・しいな…千葉県出身。主な出演作は『アイドルマスター ミリオンライブ!』望月杏奈役、『響け!ユーフォニアム3』釜屋すずめ役、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』由比鶴乃役など。小説・コラムなどの執筆活動や、舞台出演など、声優だけにとどまらない幅広い活動を展開。2017年からはソロシンガーとして活動を開始。2015年からは同じく声優の麻倉もも・雨宮天とともにユニット「TrySail」(トライセイル)としても活動している。

リリース情報

Live Blu-ray「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」
発売日:2025年1月15日(水)
価格:
初回生産限定盤13,200 円(税込)
通常盤5,500円(税込)
※初回生産限定盤には、本人がライブを振り返る副音声やツアードキュメント、ステッカーに加えて、「夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd」Zepp DiverCity(TOKYO)公演の映像も収録

収録内容
[Disc1]
「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd」@ Zepp Shinjuku[夜公演]
M01. イエローフラッグ
M02. RUNNY NOSE
M03. ロジックルーパー
M04. ラブリルブラ
M05. フワリ、コロリ、カラン、コロン
M06. That’s All Right!
M07. ナイモノバカリ
M08. チアミーチアユー
M09. グレープフルーツムーン
M10. HIRAETH
M11. グルグルオブラート
M12. キミトグライド
M13. ワルモノウィル
M14. シマエバイイ
M15. シャドウボクサー
M16. ステテクレバー
M17. キタイダイ
M18. アンチテーゼ
M19. パレイド
M20. ファーストプロット
M21. クラクトリトルプライド

[Disc2] ※初回生産限定盤のみ
「夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd」@Zepp DiverCity(TOKYO) ※再録
M01. イエローフラッグ
M02. RUNNY NOSE
M03. ロジックルーパー
M04. ラブリルブラ
M05. フワリ、コロリ、カラン、コロン
M06. That’s All Right!
M07. ナイモノバカリ
M08. チアミーチアユー
M09. グレープフルーツムーン
M10. HIRAETH
M11. グルグルオブラート
M12. キミトグライド
M13. ワルモノウィル
M14. シマエバイイ
M15. ステテクレバー
M16. キタイダイ
M17. アンチテーゼ
M18. パレイド
M19. ファーストプロット
M20. クラクトリトルプライド

「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」Blu-ray
「夏川椎菜 Revenge Live “re-2nd“」Blu-ray

配信情報

「文化部特派員「宮田愛萌」年末最後に初イベントだよ」アーカイブ配信中
《出演》
宮田愛萌
第一部ゲスト:律月ひかる
第二部ゲスト:夏川椎菜
●チケット価格(各部)●
会員:1500円(税込)
一般:2700円(税込)
●視聴期間●
12月28日(土)~1月27日(月)23:59まで

配信チケット購入はこちらから
【第一部】
https://ch.nicovideo.jp/manamo-culture/live/lv346502345?ref=WatchPage-ChannelPurchasePageAnchor
【第二部】
https://ch.nicovideo.jp/manamo-culture/live/lv346502349?ref=WatchPage-ChannelPurchasePageAnchor
●視聴ページ●
【第一部】
https://live.nicovideo.jp/watch/lv346502345
【第二部】
https://live.nicovideo.jp/watch/lv346502349

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