見上愛が、2026年度前期の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK総合ほか)で主人公のひとり・一ノ瀬りんを演じることが決定。もうひとりの主人公・大家なおみ役はオーディションで決定する。
連続テレビ小説第114作『風、薫る』の主人公は、それぞれに生きづらさを抱えた二人の女性。当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込み、傷ついた人々を守るために奔走し、時に強き者と戦う。明治という激動の社会を舞台に、幸せを求め生きるちょっと型破りな二人のナースの冒険物語。
1886年に桜井女大関学校の看護婦養成所に第1期生として入学し、卒業後は帝国大学医科大学第一医院でトレインドナースとなった大関和さん(1858-1935)と鈴木雅まささん(1857-1940)という実在の人物をモチーフに、激動の時代を生きた二人のナースとその仲間たちの波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。脚本は吉澤智子。
明治18(1885)年、日本で初めて看護婦の養成所が誕生したのを皮切りに、次々と養成所が生まれた。そのうちの1つに、物語の主人公・一ノ瀬りん(見上愛)と大家なおみは運命に誘われるように入所する。不運が重なり若くしてシングルマザーになったりん。生まれてすぐ親に捨てられ、教会で保護されて育った直美。養成所に集った同級生たちは、それぞれに複雑な事情を抱えていた。手探りで始まった看護教育を受けながら、彼女たちは「看護とは何か?」「患者と向き合うとはどういうことか?」ということに向き合っていく。
りんと直美は、鹿鳴館の華といわれた大山捨松や明六社にも所属した商人・清水卯三郎らと出会い、明治の新しい風を感じながら、強き者と弱き者が混在する“社会”を知り、刻々と変わり続けていく社会の中で“自分らしく幸せに生きること”を模索していく。
養成所卒業後、二人は同じ大学病院でトレインドナースとしてデビュー。まだ理解を得られていない看護の仕事を確立するために奮闘の日々を送っていたが、りんは程なくして職場を追われることに。一方、アメリカ留学を夢見る直美は渡航直前に思わぬできごとに巻き込まれ…。
やがて、コレラや赤痢などさまざまな疫病が全国的に猛威をふるい始める。一度は離れ離れになった二人だったが、再び手を取り、疫病という大敵に立ち向かっていく。
主人公のひとり・一ノ瀬りんを演じるのは、本作が連続テレビ小説初出演となる見上愛。もうひとりの主人公・大家なおみ役はオーディションで決定する。
見上愛 コメント
ちょうど一週間前に連続テレビ小説の主演のお話を聞いて、この記者会見の会場に出てきた瞬間、やっと実感が湧くいて、ちょっと涙がでてしまいました。
私は朝の時間はとても大事だと思っています。その朝の始まりが、どんな始まり方をするかによって、一日が変わっていくなという感覚があるので、皆さんの一日がすてきになるきっかけを作れるようなドラマに出演できるのは、ものすごく光栄なことだと思います。
今回私は、明治時代を演じるのも初めてで、バディの設定の作品を演じるのもほとんど初めて。看護師の役をしっかり所作を学んで演じるのも初めてなので、この「初めてづくし」を楽しんでいけたらいいなと思います。
そして、ドラマの舞台となる栃木県は、幼いころに家族で旅行に行きました。実はその時の写真も残っていて、家族で集まると必ず話題にのぼる思い出深い場所です。
『風、薫る』という作品で、皆さんの心に届くような物語を伝えていけたらなと思っています。
<プロフィール>
2000年生まれ。東京都出身。2019年俳優デビュー。2021年、よるドラ『きれいのくに』(NHK)で容姿にコンプレックスを持つ高校生役を演じ、注目を浴びる。同年、映画「衝動」で初主演を果たし、2022年ドラマイズム『liar』(MBS)でテレビドラマ初主演。2024年は、大河ドラマ『光る君へ』(NHK)で藤原道長の娘・藤原彰子を演じ、大きな反響を得たほか、主演を務めた映画「不死身ラヴァーズ」も公開された。近年の主な出演作に、Netflixシリーズ「恋愛バトルロワイヤル」、ドラマ『マイダイアリー』(ABCテレビ)、『119エマージェンシーコール』(フジテレビ)ほか多数。
制作統括・松園武大 コメント
ここ数年、朝日を眺めながら占いをみて、「うわっ、今日は静かにしてよう」とか、その日の運勢に一喜一憂するのが日課になっています。若い頃はあまり気にしなかったんですけどね。。。きっとそれは、どんなにまじめに頑張っていても、どうしようもない不条理が世の中にはある、ということを実感してきたからかもしれません。
5年前、世界的パンデミックを起こした新型コロナウイルスは、ある日突然、私たちから日常を奪っていきました。外食や旅行が出来なくなり、大切な人に会うことも簡単ではなくなりました。まだ何者かも分からないウイルスが猛威をふるう中、徹底的に患者に寄り添い、励まし、“コロナ”と戦う看護師たちの姿に勇気づけられたことを克明に覚えています。そんなことから看護の歴史に興味をもち、「疫病の時代」とも呼ばれる明治の2人のナースのパイオニアに感銘を受けたことが、この企画の始まりでした。
作者の吉澤智子さんとは今回初めてご一緒させていただきます。吉澤さんの持ち味である生命の力強さや温かさ、スパイスの効いたリアルなせりふが、このドラマの魅力を最大限引き出していただけると確信し、今回執筆をお願いしました。そして、主演の見上愛さんは大河ドラマ『光る君へ』で藤原道長の娘・彰子を演じていただき、その表現力と存在感、そしてチャーミングな人柄に惹かれて、今回オファーしました。
もう一人の主人公・大家直美役はオーディションで決定しますが、どんな方が一ノ瀬りんの相棒になってくれるのか、どんなバディになるのか、私自身ワクワクしています。
自らの幸せを求めながら看護の世界で奮闘する等身大の二人の主人公の半生を通して、温かくて優しい風を感じるドラマを、半年間、精いっぱいお届けできればと思っています。
番組情報
2026年度前期 連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合ほか
2026年春 放送予定
作:吉澤智子
原案:田中ひかる「明治のナイチンゲール 大関和物語」
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉 ほか
©NHK