テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第95回は現在放送中のドラマ『コールミー・バイ・ノーネーム』(MBSほか)で工藤美桜さんと共に主演を務める尾碕真花さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」尾碕真花
◆原作のある作品のキャラクターを演じるにあたり、心掛けたことはありますか?
とにかくキャラクターをぶらさないように意識しました。もちろん脚本や映像に落とし込むことでアプローチの仕方が変わっていくのもドラマならではのよさだと思います。でも、根本的な部分がぶれてしまうと全く別モノになってしまうと思うので、そこは厳守して、原作と台本を何度も読み直しながら演じるようにしました。何より原作にはその時の琴葉の表情やくせなどが細かく描かれているので、忘れないようにマーカーを引いて照らし合わせながらお芝居をしました。
◆琴葉を演じる上で難しかった部分は?
もう、全てが難しかったです。琴葉はトラウマを抱えているのですが、それをどの程度匂わせるべきかすごく悩みました。匂わせすぎてただの“構ってちゃん”に見えてしまったら、それは伝えたいものではなくなってしまう。でも、あまりにも素振りがなさすぎるのも薄い人間に見えてしまう。どちらも嫌だなと思ったので、監督と話し合いながら「ここはもうちょっと暗くした方がいいね」「ここは逆にあっさりさせよう」などとそのあんばいを調節しながら琴葉というキャラクターを作っていきました。あと、意識した部分で言うと目線の位置もその一つです。画面で見た時に目線の位置が少し違うだけで、全然違う伝わり方をするなと感じていたので、日々マネージャーさんに撮っていただいた映像を見返して、位置を微調整しながら演じていました。
◆今作で枝優花監督と初めてお仕事をされていかがでしたか?
楽しかったです。すごく頼らせていただいて、いろいろと相談もさせていただきました。撮影以外でも休憩時間に1時間半ぐらいずっとお話させていただいて。私は自他ともに認めるおしゃべりなのですが、枝さんも負けず劣らずすごくおしゃべりな方で(笑)。私は普段人と話していると一方的に自分が話しすぎて申し訳なくなってしまう時があるのですが、枝さんと話しているとちゃんと枝さんの話も聞いている自覚があるというか(笑)。その会話のバランスがとても心地よかったです。
◆忙しい日々だと思いますが、プライベートはどのように過ごすことが多いですか?
私、すごく夜型人間なんですよ。なので、プライベートは夜以外動かないし、オフの時は起きるのも遅いです。台本を読む時はお昼に起きるのですが、普段は夜にならないと何も進まないんです。
◆朝からきびきび動いてそうなイメージがあったので意外です。
それがそうじゃないんです(笑)。暗くなってからやっとスイッチが入るので、優雅にランチに行くことはあまりないですね。
◆撮影は早朝の日も多いですよね。
撮影の時は全然平気なんです。プライベートではやりたいことがないと動けない人なのですが、お仕事(芝居)が何より好きですし、好きなことに関してはどんな苦痛も乗り越えることができます。
◆本誌のインタビューでは「一途で自分の意思を持って行動するところが琴葉と似ている」とおっしゃっていましたが、周りに流されたり自分の軸がブレるようなことはないですか?
時には周りを気にすることもありますが、基本は自分がどうしたいか、自分がやりたいことや好きなことなのかを考えてから動くことを大切にしています。何かを判断する時も、その感情が自分の中の一つの基準になっていますね。
◆それはお仕事に関しても?
そうですね。もともと好き嫌いがはっきりとした性格ではあるんですが、高校生のころやお芝居を始めた当初は少し違和感を覚えてもその原因や理由が分からなかったんです。“自分がどうしたいかを考えることが大切なんだ”と思えるようになったのは本当につい最近で、これまでの経験があったからだと思います。
◆具体的な転機があったわけではなく?
日々向き合っているお仕事のおかげかなと思います。
◆いくら仕事が好きとはいえ、この役はちょっと違うとかやりたくないなと感じることはないですか?
役に関して“この役をやりたい、やりたくない”というのは一切ないです。でも、いざ役に入った時に、「このせりふは言いたくないな」というのはしっかりある方だと思います。とはいえ、ただ自分の意見を押し付けるのではなく、監督やキャストの皆さんに「このキャラにこのせりふは合ってますか?」と聞いて、周りと意見をすり合わせて、納得できたら発するようにしています。何事に対しても自分の中で納得してからじゃないと行動できないタイプなので、そこは頑固かもしれないです。
◆では撮影中に印象的に残っているエピソードを教えてください。
(第3話で)真冬の海に入ったことですね。その日は外が寒すぎて、逆に海の中にいた方が温かく感じられるほどでした。撮影が終わっても外に出たくないなと思いましたね(笑)。
◆最後に本作がガールズラブストーリーであることにちなんで、尾碕さんが最近恋している物事を教えてください。
シャチ! シャチに恋してます!
◆何か恋に落ちるきっかけみたいなのはあったんですか?
たまたまシャチの映像を見る機会があって、その時私の中に衝撃が走ったんです。
◆ひと目ぼれだったと。
そうですね。お風呂で映像を見ていたんですけど、見ていたらなんだかドキドキしてきて。その時に「あ、私シャチに恋してるかも」って気づきました(笑)。それからというもの、シャチの生体を調べたり、餌を食べたり狩りをしたりしている動画を探して、シャチの知識を蓄えています。
◆尾碕さんにとってシャチの一番の魅力とは?
見た目がまず魅力的ですよね。あと、頭の良さにも憧れるし、見ているだけで癒やされるし…もう全部です(笑)。
◆水族館でのロケでは、本物のシャチに会えましたか?
期待していたんですが、そこにはいなくて残念でした。野生のシャチも一度見てみたいので、仕事が落ち着いたら野生のシャチに会うために北海道に行きたいなって思ってます。
PROFILE
●おさき・いちか…2000年12月2日生まれ。高知県出身。A型。主な出演作はドラマ『新・暴れん坊将軍』連続テレビ小説『 虎に翼』、Netflixシリーズ『恋愛バトルロワイヤル』など。
番組情報
『コールミー・バイ・ノーネーム』
MBS 毎週(木)深1・29~ほか
MBS動画イズム、TVerにて無料見逃し配信中※MBS放送から一週間
FODにて見放題配信中
●photo/干川 修 text/星野彩乃