2019年大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK総合ほか)に出演する役所広司と生田斗真が、5月15日に三重県でクランクイン。このロケに合わせて取材会が行われた。
役所演じる嘉納治五郎は、主人公・金栗四三(中村勘九郎)の進学した東京高等師範学校の校長。“日本スポーツの父”と呼ばれ、アジア初のIOC委員として、日本のオリンピック初出場のために奮闘した。
生田演じる三島弥彦は、名家に生まれ、東京帝国大学の学生というトップエリートでありながら、あらゆるスポーツに秀で「運動会の覇王」と呼ばれる人物。スポーツ同好会「天狗倶楽部」に所属している。
この日撮影されたのは、治五郎と弥彦が初めて出会うシーン。三島家の要人を招いたパーティーに出席した治五郎は、大隈重信(平泉成)や銀行家の三島弥太郎(小澤征悦)にオリンピックの意義について熱く語る。そこに野球ボールを追って弥彦が乱入。さらに弥彦が所属する天狗倶楽部のメンバーが続々と現れ、会場が騒然となる場面だ。
初日を迎えた生田は「いつも緊張してナーバスになるんですけれど、『天狗倶楽部』の登場のシーンから入れたので、みんなと顔を合わせた瞬間に、そういうものが全部バーンと吹っ飛び、エネルギッシュなシーンが撮れたんじゃないかなと思っています」と。
役所は「せりふをしゃべったのは今日が初めてだったので、最初は『嘉納さんとしてどんなふうにしゃべればいいのか』『どんな雰囲気なのか』『これでいいのかな』と探りながらの撮影でした。まだまだ始まったばかりなので、言葉と体がしっくりくるのにはまだ時間がかかるかも知れませんが、頑張ります」とコメントした。
クランクインに向け体作りを行ったという生田は、「日本人で初めてオリンピックに行った短距離選手を演じるので走りのトレーニングをしました」と明かし、「それから弥彦さんは陸上だけじゃなくて野球とかスキーとか柔道とか、本当にさまざまなスポーツをたしなんでいらっしゃった方。体もそれに合わせて鍛えていらっしゃって、少しでも弥彦さんらしい体作りを目指してやってきました」と語った。
弥彦が所属する「天狗俱楽部」は吉岡信敬(満島真之介)、中沢臨川(近藤公園)、押川春浪(武井壮)といったメンバーで構成され、とにかくハイテンション。生田は、「端から見るとちょっとふざけたチャラチャラした連中に思われる天狗倶楽部なんですけれど、やっている本人たちは至って本気で真面目に取り組んでいるというところは、はき違えないようにしないといけないなと。弥彦さんは『痛快男子十傑』という、いわゆる『抱かれたい男ランキング』みたいなもののスポーツ部門で1位を取った方なんです。弥彦と天狗倶楽部は痛快でありたいなと思っていて。“痛快”の“痛”って『痛い』と書くじゃないですか。現代用語の“イタさ”みたいなものも、ちょっと出るといいかなと。がむしゃらにやっていて『あいつちょっとイタいな』みたいな感じも、香っていけばいいかなと思っています」と、役柄について語った。
『天狗倶楽部』の印象を聞かれた役所は、「台本を読んだだけでも『こんな奴ら本当にいるのか?』という感じですし、この時代に、講道館の館長としては許せない感じですね(笑)。こういう若者のエネルギーが最初のオリンピックに向かっていくと思うと、感動します」と語った。
役所は、「宮藤(官九郎)さんの本の構成が非常に面白いです。飽きさせないというか、(古今亭志ん生(ビートたけし)の若き頃を描く)落語のエピソードにいって、そしてまた本編の金栗四三のエピソードに戻ってきたり。今までに見たことのないような大河ドラマです。2020年の東京オリンピックに向けて、この大河ドラマがオリンピックを盛り上げていく、そういうドラマになると大成功だな、と思います」と、『いだてん』の魅力をアピールした。
2019年大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』は、2019年1月より放送スタート。
©NHK