10月18日(金)スタートのドラマ25枠が、三浦貴大、夏帆のW主演『ひとりキャンプで食って寝る』(テレビ東京ほか)に決定した。
今25年ぶりにブームが到来しているといわれるキャンプ。本作は、特に注目されているひとりキャンプ(通称:ソロキャン)と、その醍醐味でもある食事をテーマに、男女それぞれが気の赴くまま独自のキャンプを満喫する物語。
主演を務めるのは三浦貴大と夏帆。三浦演じる、缶詰と簡単な食材でアレンジ調理を楽しむ男・大木健人と、夏帆演じる、海・山・川に分け入り、さまざまな方法で自ら食材を“獲って食べる”ことに心を奪われる女・七子が隔週で登場。「キャンプが舞台」という以外にまったく別物な、今までにない隔週変化型ドラマとなっている。
三浦主演の奇数話(1、3、5、7、9、11話)の監督を横浜聡子、夏帆主演の偶数話(2.4、6、8、10、12話)の監督を冨永昌敬が務める。
<三浦貴大 コメント>
自然の中で人と出会い、そして食事をし、眠るだけ。社会での生活から一歩足を踏み出すだけで、そこにはすてきな非日常が待っている。私自身、なかなか出不精で休日なんかも家にいることが多い。しかし、このドラマをきっかけにアウトドアの魅力に再度気づくことができた。
食事もカップラーメンや缶詰に少し手を加えたもの。あとは寝る。ひとりで。
ただ、それが「キャンプ」になっただけで、こんなにもワクワクするものになるとは。私と同じ、休日を家で過ごしている人にこそ見てほしい。
キャンプにハマっても放送日だけは、家のテレビの前にいてくださいね。ひとり遊びの魅力が詰まったドラマをぜひご覧ください。
<夏帆 コメント>
冨永監督と仕事がしたいと言い続け、今回やっと念願かないました。まず脚本の面白さに驚き、さらに現場では冨永さんの演出によって脚本以上に面白いものになる。
毎日釣りをして、料理をして、美味しいものを食べて。
これは本当に仕事なの?と疑うぐらい楽しい日々でした。
私も七子のような飲み友達がほしいです。
<横浜聡子監督 コメント>
どうやら冨永監督回は『主人公がキャンプに行って魚を釣って食べる』らしい。わー、何だか面白そう。いっぽう、横浜回は『主人公がキャンプに行って缶詰を食べる』。ひとりでキャンプ行って缶詰?葛藤も成長も見当たらぬ。え、それってドラマになるっけ?え…という戸惑いと共に企画が始まった。
ところがキャンプという蓋を開けると、風も吹けば雨も降る。獣の気配に虫刺され。寒くて暑い。腹が減る。六感はいつもフル稼働、自然はおろか自分自身すらままならないという事実に出会う。そんなままならなさの集積ののち、「食って寝る」ことにありつける一日はほとんど奇跡だ。
あ、ドラマはちゃんと、ここに在った。
主人公・健人の『ドラマ的成長』はと言えば、『特に成長しないこと』に尽きる。時に人に出会い助けたり助けられたりするけれど、それは彼の?を撫でるほどの薫風にすぎず、彼が感情を露わにするのはほとんど、自然に囲まれてひとり、口の中に缶詰料理とお酒を入れモグモグさせている瞬間だけなのだ。変化とか成長とか胡散臭い言葉に人生をかすめ取られたりしない、孤粋なソロキャンパー、健人と七子。2人がとても好きだ。見てくださいね。
<冨永昌敬監督 コメント>
夏帆さん演じる主人公の七子は、一緒にキャンプに行った友だちが急に帰ってしまって、やむを得ずソロキャンプに挑戦することになります。食べるものはありません。しかし、たまたま出会った釣り人に手ほどきを受け、思わぬ収穫に恵まれます。そして釣ったばかりの小さな魚をテントの前で唐揚げにして食べたとき、彼女の中に眠っていた『獲る』スイッチが点灯したのでしょう。それから毎週末のように、魚やキノコや山菜を求めて一人で山や海に通うようになるのでした。
ざっと解説すれば、このような、特にこれといった重大事のない話なんですけども、 「獲る(採る)」といっても魚にせよキノコにせよ、決して簡単ではありません。何しろ相手は野性の知恵を身につけています。魚であれば、本能に組み込まれたその厳格な警戒心を解きほどき、いかに騙して釣り針を食わせるかが肝になってきます。そんなのが容易くできてしまうほど魚はバカじゃないし、自然は甘くないし、そして七子はすべてにおいて初心者なのでした(料理は上手いけど)。従って彼女はいつも狙った通りの獲物を得ることができず、その代わりに自分の胃袋を満たしてくれる別の獲物を探し求める羽目になります。狙った獲物に出会うまで諦めないのも人間の執念ですが、何でもいいから獲れるものを獲って、どうにかして食ってやろうとするのが七子という人の性分なのです。こうした七子の食べることに対する素直さと発見を、夏帆さんはすごく爽快に表現してくれました。
初夏の撮影現場では、それでも夏帆さんに実際に魚を釣ってもらおうと、磯釣りや渓流釣りにチャレンジしてもらいました(一応「釣れる」シーンもあるので)。撮影前に僕が「小さいのなら釣れると思いますよ」なんて言ったものだから、夏帆さんも釣りを楽しみにしていたようです。また僕のほうも、夏帆さんに本当に釣ってもらいたくて、過去に僕自身がそこそこ大きなメジナやクロダイを釣った実績のある磯をロケ地に選びました。
つまり僕は、釣り初心者の夏帆さんが「初めて釣った」貴重な瞬間を、主人公・七子の「ようやく釣れた」感動の場面に重ねようとしていたわけです。
しかし(自分に言い聞かせるように)繰り返しますが、「そんなのが容易くできてしまうほど魚はバカじゃない」わけです。「釣れない」シーンでも釣れないし、「釣れる」シーンでも釣れない。僕は夏帆さんが「監督、小さいのなら釣れるって言ってませんでした?」と言い出すんじゃないかとヒヤヒヤしながら、いっぽう漁師さんから仕入れてきた活魚を針に付けて「釣れたことにする」ための決断を迫られてもいました。だから僕は、あるシーンの撮影中に夏帆さんが「本当に釣った」瞬間、喜びのあまりつい声を上げてしまいそうになったわけです。
撮影に際しては、キノコ狩り名人、プロ釣り師、釣りインストラクター、捕まえて食べる名人、など多くの方の監修に助けられました。夏帆さんは釣りにハマってしまったようで(ハマるほど釣らせてあげられなかったんですが、夏帆さんは優しいです)、それを知った関係者がこぞって「夏帆さんに釣りを教えたい」と言い出しました。秋~冬に旬を迎える魚は多いので(キノコもです)、このドラマの放映の時期には、夏帆さんは七子のように海や山を渡り歩いているかもしれません。ぜひでかい魚を釣ってください。
ところで『ひとりキャンプで食って寝る』という作品は、僕が監督した七子の回と、横浜聡子監督によるもう一人の主人公・健人(三浦貴大くん)の回を交互にバトンタッチする構成になっています。なんとなくキャンプに出掛けて、わけありの他者をついつい吸い寄せてしまう苦労人ホイホイのような健人を、横浜監督と三浦くんは含みを持たせた絶妙なバランスで描いています。ちなみに七子と健人はまったくの赤の他人で、一度も遭遇しません。共通点といえば、「ひとりキャンプ」と謳いながらも毎回キャンプ場に行くものだから誰かと出会ってしまい、相手の人生に少しだけ触れてしまうという矛盾でしょうか。七子も健人も、結局一人になれないわけです。そして、本当のソロキャンプは遭難したときにやっと可能になる、と思いいたって、シナリオを書きながら肝を冷やしたことを打ち明けておきます。
<滝山直史プロデューサー コメント>
テレビや雑誌、ネットでよく見かける『キャンプ』『ソロキャン』『ひとりキャンプ』の文字。このドラマでは、「ひとりでキャンプに行き、食べたいものを食べて、寝る」という贅沢な時間の過ごし方を、主役・監督・脚本・スタッフが隔週で交代する形で描いています。
奇数話は、三浦貴大さんと横浜聡子監督。偶数話は、夏帆さんと冨永昌敬監督。
『ひとりキャンプ×食』という共通のテーマで撮影しつつ、奇数話と偶数話では全く異なり、両俳優、両監督の個性あふれる内容に仕上がりました。落ち着いたキャンプを行う健人と、たくましく成長する七子の物語を、ぜひお楽しみください。
<ストーリー>
キャンプ場で缶詰を使った料理を作り、食べることが何よりも好きな大木健人(三浦)。海・山・川に分け入り、さまざまな方法で自ら食材を獲り、その場で調理し食べることが好きな七子(夏帆)。2人の唯一の共通点があるとすれば、それは「ひとりキャンプで食って寝る」。ただそれだけ。
独自のひとりキャンプを謳歌する2人だったが、行く先々で出会う人たちによって、さらなる食の世界に魅了されていく…。
これは自然の中で繰り広げられる、知られざる趣味の世界。
ドラマ25『ひとりキャンプで食って寝る』
10月18日(金)スタート
テレビ東京ほか
毎週(金)深0・52~1・23
出演:三浦貴大、夏帆
演出:冨永昌敬、横浜聡子
脚本:冨永昌敬、保坂大輔、飯塚花笑
©「ひとりキャンプで食って寝る」製作委員会