イ・ユリ「1、2話を見ただけでチェリンを 演じた私自身も涙が出るほど」韓国ドラマ「かくれんぼ」

ドラマ
2020年04月18日

コスメ業界を舞台に運命を入れ替えられた女性の生きざまを描いた韓国ドラマ「かくれんぼ」が好評発売&レンタル中。本作で主人公チェリンを演じたイ・ユリは、国民的悪女と呼ばれ、本作でも圧巻の演技が韓国で話題を集めた。そんなイ・ユリに本作の見どころなどを聞いた。

韓国大手の化粧品企業で成功を収めるチェリンは、幼きころに養女となった先の祖母から孫娘スアの身代わりとして生きることを強要され、外見も心もスアとして生きてきた。本作は、誰にも言えない秘密を抱え、愛憎と欲望が複雑に絡み合う中で大企業の孫娘として闘い抜くチェリンの生きざまを描く愛憎サスペンスだ。イ・ユリは2018年MBC演技大賞・最優秀演技賞を獲得している。

<イ・ユリインタビュー>

◆「かくれんぼ」で演じたチェリンはどんな役柄ですか?

イ・ユリ チェリンは児童養護施設で育ち、養子に出された過去を持っていますが、夢と情熱をもって人生を必死に生きる、愛情の深い人です。

◆ご自身の性格と比べて、似ている部分や異なる部分はありましたか?

イ・ユリ 何事も一生懸命やろうとするところが私と似ています。また、私も情熱的なタイプなので、そこが彼女と同じだと思います。

◆役作りのために特別に準備したことはありますか?

イ・ユリ 特にありません。そもそも彼女の人生が吹き荒れる暴風雨のようなものなので、事あるごとに逆境と苦難が待ち受けているんです。だから物語の設定に身を委ねて演じるだけで、精神的にも消耗して自然とチェリンを演じることができたと思います。だから撮影している時に「カット」と声が入るとうれしかったですね。撮影中はグッと演技に集中しますが、オッケーのサインが入った瞬間にとても和やかなムードになるんです。韓国で初放送された日が同時に撮影の最終日でもあり、24話の撮影をまた始めたいと思うほど撮影が終わることが残念でした。

◆演技のシナジー効果を起こす俳優を選ぶとしたら誰ですか?

イ・ユリ 皆さんから影響を受けましたが、生母として登場するキム室長(ユン・ダギョン)は特に相性がよかったように思います。演じていると力強さやエネルギーがしっかり伝わってきたので、キム室長とのシーン撮影は気分も上がりました。それと、チェリンの祖母(チョン・ヘソン)であるナ・ヘグム会長とのシーンも特別でした。精神病院に強制的に入院させられるなど、祖母から虐待を受けるシーンがあります。そのような場面では、私の中にチェリンのタンポポのような雑草のたくましさや底力が湧き上がってくるのが分かりました。

◆最も記憶に残っているシーンはありますか?

イ・ユリ 精神病院でのシーンが記憶に残っています。それと、ホテルでウニョクと取っ組み合いをしたのもよく覚えています。精神病院でのシーンは、チェリンの人生が本格的に始まることを示しています。一見、財閥の孫娘として華やかに見えますが、実際は祖母の手によって囚われた人形のような仕打ちを受けてきました。そこから抜け出そうと立ち上がる重要な場面なのでよく覚えています。ウニョクとの取っ組み合いは、チェリンの内に秘めた強さを表しています。財閥の嫁という誰もが羨む境遇ですが、現実はひどいものです。結婚した夫はホテルの隣の部屋で愛人と一緒にいて、自分の部屋には運転手が勝手に入り込んで盗聴器を探している。誰もがチェリンをぞんざいに扱うけれども、彼女は果敢に立ち向かう。そういう場面なので覚えているのでしょうね。

◆日本でも楽しみにしているファンがいます。

イ・ユリ 和食のお店が登場しますが、そこでとても重要なシーンがあるんです。1話でチェリンはウニョクから首飾りをかけられる場面があるのですが、物語の後半で、ウニョクがジェサンにその時のことを告白するんです。「あの時から彼女は俺のものになった」と。運転手のウニョクはお店で初めてチェリンに出会い、ジェサンの命令ではあるけど彼女に首飾りをかけます。その瞬間から、チェリンは自分のものだったと言うんです。チェリンがジェサンと互いに敵視し合う夫婦関係になったと思いきや、実はウニョクと初めて出会った瞬間から愛し合う運命だった…そういう展開に注目して楽しんでいただけると思います。

◆ドラマではチェリンが目の前に立ちふさがる苦難をたくましく克服していきます。イ・ユリさんから見た、チェリンの魅力は何ですか?

イ・ユリ 私は「こう見せたい」と目的をもって演じていたわけではありません。でも、必死に生きるチェリンに成功してほしいと視聴者に共感を呼んだのだと思います。チェリンは家族のために自分の人生を身代わりに捧げてきました。そして最悪の状況の中でも諦めません。そんなふうに全てを懸けて生きるチェリンを演じてみたら、1話~2話を見ただけで私自身、涙が出るほどでした。おそらく彼女の生き方が、同情などの心を寄せる感情を呼び起こすのだと思います。成功してほしい、愛されてほしいと応援したくなるのでしょうね。

◆祖母から激しい仕打ちを受けますが、なぜチェリンは逃げ出さなかったのでしょう?

イ・ユリ そうですね。確かに専務クラスになったら給与も十分もらっているはずなので、家を出てウニョクと幸せな家族を作って暮らせるだろうと思います。でもチェリンは過去に3回も養子破棄を経験しています。3回も新しい家族から捨てられたんです。生母を含めると4回ですね。その経験から、チェリンには家族に対する憧れや執着が生まれたのではないでしょうか。だから、家族を失わないよう命を投げ出してでも守ろうとしたのだと思います。「逃げて」と思いながらご覧になった方もいるでしょうが、繰り返し捨てられたチェリンとしては、今まで自分を家に置いてくれただけで愛すべき家族という認識を持っていたのだと思います。

◆イ・ユリさんにとって家族とは?

イ・ユリ 結婚してできた新しい家族のことを考えるとチェリンを理解できます。実家の家族と結婚してできた家族には、ちょっと違いがあると思うんです。生まれた時から与えられている家族は自分がすでに守られている感じがしますが、結婚してできた家族は自分が守ろうとする対象に感じています。撮影が始まってから、チェリンの家族に対する思いをより理解するようになりました。

◆チェリンにとって唯一の味方はウニョクですが、チェリンとウニョクのシーンで記憶に残っているシーンやお気に入りのシーンはありますか?

イ・ユリ いろいろありますが、中でも結婚式場でのキスシーンが記憶に残っています。今までそんなそぶりを見せなかったのに、急に愛の告白をしてくるんです。しかもチェリンは既婚者なので状況的に許されるはずもなく、そこに驚きました。さらにその場がウニョクの結婚式だったので、より衝撃的でしたね。

◆ドラマではスア(オム・ヒョンギョン)と入れ替わりになりますが、オム・ヒョンギョンさんとの撮影はいかがでしたか?

イ・ユリ チェリンとしてはスアに何もすることができませんでした。愛情が芽生えるわけでもなく、スアは被害者でもあるので悪役とも言い切れません。彼女の結婚式では、チェリンはウニョクからキスをされてしまいます。チェリンがそれを望んだわけではありませんが、同じ女性として結婚に対する思い入れも理解できる立場ですから複雑です。チェリンから見たスアは気の毒ではあるけど、自分も同じ男性を愛しているので余計に難しい立場です。さらに、後になってから彼女を本物のスアだと知っておきながらもそれを隠してしまいます。一番の被害者はスアでもあるので、スアとは堂々と対立することもできません。チェリンはそれを分かっているので、彼女につらく当たることもできず、自分も耐え難い人生を背負っているので彼女の人生をも憐れむようにして見ていたと思います。

◆演技の相性はいかがでしたか?

イ・ユリ オム・ヒョンギョンさんの演技はとても柔らかいですよね。実際、とても柔和な方なんです。とても愛らしくてかわいらしくて優しい方です。さらに私と笑いのセンスが似ているので、おしゃべりに花が咲いてしまい、監督からよく叱られました。

◆ドラマではオム・ヒョンギョンさんは悪女役として出演していますが、元祖悪女として何かアドバイスなどしたことはありますか?

イ・ユリ 悪女と一口に言っても、気の毒な悪女や、気の優しい悪女、過去を背負った悪女などさまざまです。本作の悪女役も今までと異なるので、アドバイスなど要らないほどヒョンギョンさんが自ら魅力的に演じたと思っています。むしろ、モニター越しに彼女の品があって清純な姿を見て「魅力的だ」と思いました。今後、自分がこのような役を引き受けたら彼女の演技を手本にしようと思いました。彼女自身が十分に魅力ある俳優なので、教えることなどありませんでした。

◆NG王は誰でした?

イ・ユリ 私です。激しい感情を表現するシーンもせりふも多かった…というのは言い訳ですね。ただNGをたくさん出すタイプです。笑ってしまったりせりふを忘れたり、いろんな演技をしようとしてNGを出すなど。だからNG王は私でしょうね。

◆日本のファンの皆さんにひと言お願いします。

イ・ユリ 皆さんの感想がとても気になります。チェリンの人生を通して、より楽しく、より情熱的な日々を過ごしていただけたらうれしいです。

「かくれんぼ」
DVD-BOX1&2 好評発売中
各15,000円(税抜)
※好評レンタル中
発売元:COPUS JAPAN/コンテンツセブン/ストリームメディアコーポレーション
販売元:TCエンタテインメント
©2018MBC
公式サイト:http://c7fan.com/korean/kakurenbo.html
予告編:

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