8月30日(日)放送の大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合)に初登場する滝藤賢一と本郷奏多について、制作統括の落合将からコメントが届いた。
第22回「京よりの使者」では、織田信長(染谷将太)が今川義元(片岡愛之助)を討ち果たした桶狭間の戦いから4年後を描く。覚慶(のちの足利義昭)役で滝藤賢一、近衛前久役で本郷奏多が初登場する。
京では、三好長慶(山路和弘)が権力を掌握し、将軍・足利義輝(向井理)は完全な傀儡に成り下がっていた。すっかりやる気を失い別人のようになった義輝の話し相手として、細川藤孝(眞島秀和)らの画策で京に呼ばれた光秀(長谷川博己)は、将軍の力を取り戻すため、今勢いに乗る信長を上洛させてみせると約束する。
いっぽう、駒(門脇麦)は、新しい薬の製造をめぐって東庵(堺正章)と言い争いになり、診療所を飛び出す。伊呂波太夫(尾野真千子)と共に訪れた大和で、駒は貧しいものたちに施しをしている僧・覚慶(滝藤賢一)に関心をもつ。
制作統括・落合将 コメント
◆足利義昭(滝藤賢一)の見どころについて
今までの大河ドラマで描かれてきた義昭は、聡明かつカリスマ性のある信長とやりあう愚直で不器用な将軍というイメージがありましたが、滝藤さん扮する今回の義昭は、まだ興福寺の門跡であった僧・覚慶時代から描かれます。
慈悲深く、少し弱虫なところもある等身大の人間に近い「将軍」義昭を、滝藤さんが変幻自在に演じています。将軍の地位を発揮し、怒りにまかせて軍事力を使うときもあれば、弱き民たちを救おうと必死に走るときもある多面的でエキセントリックな人物像は、脚本の池端さんが『太平記』で描いた室町幕府の祖・足利尊氏と対になって描かれる長年描きたかった人物です。
義昭と信長に両属する光秀が最終的に選ぶのは…?後半戦最大のクライマックスともいえるパートで滝藤さんがいかにこの複雑な人物を演じるのか、今から楽しみでなりません。
◆近衛前久(本郷奏多)の見どころについて
変わり種の公卿という難役ですが、若いが切れ者のハードな政治的シーンも、姉代わりの伊呂波太夫との軽妙なかけあいも、本郷さんが自由自在に演じていて、まさに大河史に残る「近衛前久」役だと思います。
見どころは伊呂波らとのかけあいの際にふっと出る、独特のきざったらしさがやけにコミカルで、チャーミングなものとなっています。本郷さんにしか出せない味わいです。
番組情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合ほか
毎週(日)後8・00~8・45
©NHK