10月10日(土)に最終回を迎える白石聖主演・オトナの土ドラ『恐怖新聞』(フジテレビ系)。最終話の放送を前に、演出を務める中田秀夫監督のイチオシ恐怖ポイントを紹介する。
本作は、1970年代に空前のオカルトブームを巻き起こした、つのだじろうによる戦慄のコミック「恐怖新聞」をジャパニーズホラーのレジェンド・中田秀夫が現代にリブート。未来に起こる災厄を予言し、読むたびに寿命が100日縮むという恐怖新聞が届くようになった女子大生・詩弦(白石)の、死と隣り合わせの悪夢を描くルール系ホラーだ。
桃香の生首が植木鉢やバッグに…という“スプラッター系の怖さ”から、さまざまな人物による“人間の怖さ”まで、ありとあらゆる恐怖が描かれた第6話(10月3日放送)。まさに“恐怖のオーケストラ”回となった第6話のイチオシ恐怖ポイントを中田監督が語ってくれた。
中田秀夫監督 コメント
◆第6話でのイチオシ恐怖ポイントを教えてください。
バランスを取るのが得意な僕としては「生首桃香」と言いたいところですが(笑)、ラストの黒木(瞳)さん演じる歌子(と詩弦)のシーンですね。
歌子は以前から「極悪非道の犯罪者たちが無罪になって、のうのうと暮らして…」と嘆いていましたが、そんな犯罪者の中から、次に恐怖新聞を契約させる相手を探します。娘を救うためだったら自分の命を削ってでも、勇介を襲ってでも、と自ら鬼になるわけです。そこには歌子の正義感とか、娘を絶対守るという想いがある。もちろん、ドラマですから現実にいるお母さんたちよりは強いエモーショナルで描かれていますけど、世のお母さんたちが見ても「あー、歌子さんの言っていること、分かる」と共感を呼ぶシーンだと思うんです。ま、「今度は誰を殺すか一緒に考えてよ。すっきりするわよ」なんてせりふとかにケレン味はありますけれど。
恐怖新聞の契約者になることで人の命を変えていくとか、まがまがしい未来を自分のものにできるとか、そういう「力」を手にしたいっていう悪魔的でブラックな部分は人間誰しもあると思うんですよ。例えばオフィスで隣にいる人に、実はすごいフラストレーションを感じていて「この人がいなくなれば私すっきりして仕事できるのに」って思う人はいっぱいいるでしょ?本当にそれを行う人はほぼゼロだけど。そういう非常に卑近な人間のネガティブな感情を押さえていることも視聴者の共感を呼ぶことにつながると思うんですね。
たぶん1話(8月29日)のときは「あー、黒木さんが白石さんのお母さん役で、行き過ぎた娘を止める係なんだろうな」ぐらいに見えていたと思うんですよ。1話ではお父さん(蔵之介:横田栄司)が娘である詩弦にあまりにもえげつないこと言ったりするんで。でも、そのお父さん以上に、お母さんがすごかったっていうね(笑)。なので、6話においてはラストの歌子の決意が見える、黒木さんの長いお芝居をイチオシにしたいと思います。
※FODで第6話見逃し配信中
番組情報
オトナの土ドラ『恐怖新聞』
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
2020年10月10日(土)後11時40分~深0時35分
出演:白石聖、佐藤大樹、駿河太郎、横田栄司、片山友希、坂口涼太郎、猪野学/黒木瞳
<最終話(10月10日放送)あらすじ>
詩弦(白石聖)は、自分の命が続く限り、誰かのためになろうと、恐怖新聞の予言を使って、街中で事件や事故を防いでいた。その1年後、勇介(佐藤大樹)の元に歌子(黒木瞳)がやってくる。「私のことは忘れてください」という詩弦からの言葉を伝えるが、その真意とは…。そして鬼形(坂口涼太郎)が配達人になった過去も明らかに。さらに鬼形は、詩弦に「前世の罪が許されていない」として、2つの選択肢を提示する。詩弦はどんな道を歩むのか。最恐ルール系ホラー、ついに閉幕!
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