真矢ミキ主演のオトナの土ドラ『さくらの親子丼』(東海テレビ・フジテレビ系)に出演する井本彩花とhibiki(lol-エルオーエル-)が、役との向き合い方や見どころなどを語った。
「オトナの土ドラ」初のシリーズ第3弾となる本作は、傷ついた子どもたちと世話焼きおばさんが織り成す、苦難と希望のヒューマンドラマ。民間の子どもシェルター「第2ハチドリの家」を舞台に、主人公・九十九さくら(真矢)が、温かい料理を通じて傷ついた子どもたちと心を通わせていく。
井本彩花 インタビュー
◆家族からの虐待をきっかけに非行に走り、「第2ハチドリの家」に入居した真由子を演じてみていかがですか?
最初は真由子の性格や周りとの距離感が全然つかめなくて、クランクインまでとても悩んでいました。撮影を進めていくうちに、真由子は他の子に比べて喜怒哀楽がしっかりしている子だと感じましたし、大樹君(細田佳央太)と出会ってからの心の変化や感情の部分もとても意識して演じています。
◆真由子と大樹の淡い恋では、切ない部分もあります。
大樹君は「第2ハチドリの家」の子ではないですし、お互い思いを寄せていてもすれ違ってしまうシーンが印象的です。真由子の立場で考えると、大樹君のことが好きなのに過去の思い出や記憶というトラウマのせいで葛藤してしまう姿がとても切ないです。
◆真矢ミキさんの印象、現場でのエピソードなどあれば教えてください。
真由子は泣く演技が多くて、真矢さんに率直に相談すると「泣くと深く考えなくていい。とらわれなくてもいい」と。「しっかり感情を持っていたら解き放たれる」とアドバイスを頂きました。真由子と自分自身を重ね合わせることで、難しいシーンも乗り越えています。今年はいろんな役を頂いて、とてもうれしかったです。今回も真由子という難しい役に挑戦させていただいていますが、真矢さんにも「真由子をやり遂げたら泣く演技も怖くなくなる。大丈夫だから安心して」という言葉をいただいたので、2021年は泣くと台本にあったらポロッときれいに涙を流せるようになりたいですし、自信を持って泣く演技に臨めるようになりたいです。
◆ドラマでの “親子丼”のような、思い出の料理を教えてください。
母の玉子焼きが世界一おいしいと思っています。砂糖多めに白だしを加えた味付けで、今も学校のお弁当に必ず入れてくれます。焼いてからしっかり煮込むハンバーグもとても柔らかくて、肉汁がジュワーと出てジューシーでおいしいです。夕飯に出てくるとうれしくてテンションがあがっちゃいます(笑)。
◆視聴者へのメッセージをお願いします。
『さくらの親子丼』は日本の現状を伝えていて、メッセージ性のある作品だと思うので、幅広い年齢の方に見ていただきたいです。「第2ハチドリの家」の子たちもひとりひとり個性があふれているので、この子たちがこれからどうなっていくのか楽しみにしていただければと思います。
hibiki インタビュー
◆みどり役の感想をお願いします。
私が演じるみどりは、とてもケンカっ早くて口が悪い子で…。普段の私は争いごとや、怒ることも苦手で、自分の性格と真逆の役を演じることに最初は不安もありました。ただ今は、分からない感情を生み出す難しさとともに、自分と真逆だからこそ楽しく演じることができているように感じています。みどりは「第2ハチドリの家」が大好きで、とても正義感が強い子なので他の子どもたちのことも「私が守らなくては!」という気持ちがあるからこそ、怒ったり、キツイ言い方をしたりしてしまう。みどり自身は気がついてはいませんが、愛の大きな人だと私は思っているので、そういう部分を意識して演じています。不器用な中にも優しさや愛もある子なので、皆さんに愛されるように演じていきたいですし、「hibikiが演じるみどりだからよかったね」と皆さんに言っていただけるよう「さくらの親子丼」の世界観を自分でも探しながら一緒に成長していけたらと思っています。
◆真矢ミキさんの印象はいかがですか?
ケンカのシーンで真矢さんと共演させていただくことが多いのですが、「みどりはいつもケンカしているね。女の子なのにすごいよ、よくやっているね」と励ましていただいています。真矢さんとお話させていただいていると、時にさくらさんじゃないかと錯覚することがあります。本当にドラマのさくらさんのまま、とても自然体で心の温かい方です。真矢さんの存在が心強くて、真矢さんに励まされると、安心して素で涙が出る時もあります(笑)。
◆lol-エルオーエル-が歌っている主題歌「sign」に込められた思いを教えてください。
作品と向き合い、寄り添いながらメンバーと新しい曲を作らせていただきました。歌詞に「なんで、生まれてきたんだろう」「なんで、愛してくれないの?」というフレーズがあり、それはハチドリの家の子どもたちが口には出さないけど、心の中で思っている感情を表現しています。ストレートにメロディに乗せたことで、作品のさまざまなシーンにリンクできればと思い、この曲が完成しました。世界観、歌詞が心の裏側を出している分、トラックは逆に明るくしているので、曲だけ聞いていると不思議な感じがするかもしれないです。私たちは今までこのような世界観の曲がなかったので、新しい曲を生み出すきっかけになった『さくらの親子丼』に感謝しています。「第2ハチドリの家」の子どもたちの役柄とほぼ同年代の私たちが歌うことで、若い方にもこのドラマのメッセージや意味を伝えることができるのではないかと信じて、歌わせていただいています。『さくらの親子丼』を観て、曲のことも好きになってくださるとうれしいです。
番組情報
オトナの土ドラ『さくらの親子丼』
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
毎週土曜 後11時40分~深0時35分
出演:真矢ミキ、新川優愛、山崎静代/井本彩花、hibiki、倉島颯良、西本まりん、清水香帆、遠藤健慎、後藤田しゅんすけ、永瀬莉子、細田佳央太/鶴見辰吾、名取裕子
<第4話(11月7日(土)放送)あらすじ>
大樹(細田佳央太)に借りたリストバンドを自分で返したいと真由子(井本彩花)から相談されたさくら(真矢ミキ)。人を信じてみようと行動を起こす真由子を応援したいと、大樹が出場するバスケの試合に同行することに。そこには真由子らしい姿が…。いっぽう、真由子が子どもシェルターに来るきっかけとなった壮絶な過去が明らかになる。同時に、さくらは岡林(鶴見辰吾)から折り入っての相談を受け、新たな嵐の予感となる。