2月18日(木)からParaviで独占配信される『SPEC サーガ黎明篇「Knockin’on 冷泉’s SPEC Door」~絶対預言者 冷泉俊明が守りたかった幸福の欠片~』の制作発表会見が行われ、田中哲司、佐藤隆太、鈴木紗理奈、大政絢、植田博樹プロデューサー、堤幸彦監督が登壇した。
本作は『SPEC』の世界の中でも、奇抜な衣装とセリフ、物語のカギとなる預言の数々で抜群の存在感を放っていた、田中哲司演じる冷泉俊明の物語。冷泉と侍従の豊福真己が過去を回想する形で物語が進み、「鈴木俊明」の名で健康食品の訪問販売営業マンとして働いていた若かりし頃の冷泉を佐藤隆太が演じる。
田中は、冷泉俊明と鈴木俊明を演じた佐藤について「素晴らしかったですよ。(青年期は)どうしても僕が演じられないので」と称賛しつつ「顔も違うのでいろいろ『あれ?』と思うかもしれないけど、それは本編でうまく描いてもらっています」とアピールした。
いっぽうの佐藤は「やっぱり哲さんが作り上げた冷泉のキャラクターの青年期を演じることに、プレッシャーがありました。それに若かりし頃と言っても僕はもう40歳ですから…」と自虐交じりに告白。それでも堤監督らからのフォローを受けて「思う存分、現場の雰囲気を堪能させてもらいました」と語った。
『ケイゾク』に登場した木戸彩の妹・木戸晶役を演じる鈴木は、「26歳くらいの設定で、無理があるのは自分では気づいているんですけど…」と苦笑い。堤監督と植田プロデューサーが「全然大丈夫です」と太鼓判を押すと、鈴木は「…と言ってくださるので、自信満々にやらせていただきました」と。
『SPEC』シリーズの大ファンだという大政は、「すごくうれしかったですね。堤さんにどういう要望をいただけるのかなと思ってドキドキしていました」と心境を吐露し、「2日目くらいの撮影のときに、隆太さんとナースの役の方がフランス語でやっていて、台本にないところも『ここもフランス語にして』って(堤監督が)指示を出されていて、皆さんの対応力を見て“堤組はやっぱりすごいんだな”と思って、実は2日目から緊張しっぱなしだったんです。毎日緊張しながら現場に行っていました」と告白。堤監督から「見事にクリアですよ」と合格点をもらうと、大政は「よかったです」と安堵の表情を浮かべた。
コロナ禍でのスケジュール変更により、真夏に撮影がずれ込んだ本作。田中は「とにかくカツラがきつくて、自律神経がおかしくなって体温調節ができなくなった」と冷泉というキャラクターを演じる大変さをしみじみ語ると、「でもマヌケなことを全力でやるところが堤組の魅力。いい思い出です」と笑顔を見せていた。
佐藤は「細かいことを気にせず思い切りやって」と後押しされたといい、「遠慮しないで、全身の力を振り絞ってやらせていただきました。僕の連ドラデビューが、堤監督の『池袋ウエストゲートパーク』。あれから20年以上たって、またエネルギッシュな現場を味わえたことがうれしかった」と語った。
冷泉の“未来が見えるという能力”を持ちたいかと問われると、「絶対持ちたい」(田中)、「持ちたくない。でもうまくコントロールできれば…」(佐藤)、「お金儲けできますよ!」(鈴木)、「怖い」(大政)とそれぞれ答えた。
また、冷泉はレモンをかじり呪文を唱えることで未来を予言できるというキャラクター。田中と佐藤はかなりの数のレモンを撮影で食べたということが明かされた。
田中が「僕、相当食べていると思ったら、佐藤君がとんでもない数を食べていてすごいなと…」と感嘆すると、佐藤は「哲さんが今までどれだけ努力されて、すっぱい思いをされてやってきたのか身に染みて分かりました」と。
さらに田中が「すっぱさよりも苦さが受け付けないんだよね。慣れないです」、佐藤が「歯茎がまひしてくるというか感覚がなくなってくる」と苦労を明かした。そんな2人に堤監督が「慣れないの?」と聞くと、「慣れない!」ときっぱり。堤監督は「佐藤さんは全然平気なのかと。なんの感情もなく、すごいなと…」と評価していた。
これに佐藤は「先輩がやられているのを継がせてもらうので、初代に失礼のないようにやらないとなと思いました」と話し、堤監督が「役者魂でこらえた?」と聞くと「カッコよく言うと」と返していた。
本作は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で撮影が一時中断。田中は「僕らも中断を挟み、本当に撮れるのかなという不安の中、無事こうして作品を観ていただけることになりました。僕にとっても、とても思い出深い作品です」と。
大政も「期間が空いたときに、より一層台本を読み込むこともできましたし、『SPEC』もずっと見ていたんですけど、『ケイゾク』『SPEC』を続けて見たり、そういう楽しみ方もできたので、この期間をすごく大事にできてうれしかったですし、それが『SPEC』という作品でうれしかったです」と声を弾ませ、「すてきな作品になっているなと思ったので、早く皆さんに見ていただきたいなと思いました」とアピールした。
そして、配信当日に誕生日を迎える田中に堤監督から花束を贈呈。田中が「これ、合わせたんじゃないですよね!?」と尋ねると、植田プロデューサーが「合わせたんです。配信なので、そこは自由に」と明かし、一同を驚かせた。また同じく2月生まれだという大政、佐藤にも花束が贈られた。