比嘉愛未 インタビュー
◆今回の出演のお話がきたときの率直な感想は?
『オリエント急行殺人事件』も『黒井戸殺し』も見ていましたので一ファンとして、出演させていただけるのはうれしかったですし、何よりも三谷さんの作品で、萬斎さんと共演できるのはなかなかないチャンスだと思いました。私が今までやってきた作品とはまた違う作品との出会いだと思って、“これは絶対やりたい!”と、すぐにお返事させていただきました。三谷さんの舞台も好きで見させていただいていましたので、純粋にうれしかったですね。
◆台本を読まれての感想。
固くシリアスになりがちなサスペンスものも三谷さんが書かれるとどこかユーモアがあって、本当に“言葉の魔術師” だと思いました。一人一人のキャラクターがしっかりと浮き立っていて、本当にいとおしいキャラになっていて、でもそれぞれがけんかをせずにうまくまとまっているという印象でした。誰が犯人なのか、最後の最後まで分からない、さすがの展開になっていて、一視聴者としても早く見たいです。
収録ではあるのですが、謎解きのシーンでは、ライブで舞台をやっている感覚で集中してその場に臨めました。ドラマでは貴重な体験だと思います。
◆今回の役を演じての感想。
沙羅は、本堂家の人々に対しても関心を持ち、勝呂の事件捜査にも自分から積極的に協力する人なので、人なつっこさもあり、でも本当はどういう人なのかつかめない。いい人そうに見えて実は…というようにいろいろな表情をだせたらと思いました。
昭和30年という時代において、自立した女性の医者は珍しいと思うので、衣装も他の人とはちょっと違って、トラディショナルというかメンズっぽいパンツを着てみたり、そういうファッションセンスでも一歩先をいっていて。でも何よりも沙羅の持つ“正義感”を一番大事に演じました。
萬斎さんと二人のシーンも多かったのですが、私自身がすごく楽しんでお芝居できました。本当に紳士な方なのですが、チャーミングで、ついつい目で追ってしまいました。でもその中に鋭さとか、観察力、最後には決める爽快感。それがこの作品のシリーズの大事な見どころでもあるので、主人公がそういう愛されるキャラクターだというのは大事なことだと思いました。
肩書がたくさんあってもどこか親しみやすさもある…やっぱり三谷さんは素晴らしい本を書かれるな、これからもずっと続けてほしいシリーズだなって思います。
◆撮影現場はいかがでしたか?
(城宝)監督とは『マルモのおきて』(2011年)以来ですが、無理なくキャッチボールができるので、自然と現場が始まって、自由に演じさせていただきました。今回キャストの皆さんのキャラクターも豊かなので、自分がそこにどうなじめているのか、放送を見るまでは安心できないですね。
熊野古道は一度行ってみたかった場所だったので、ロケの日は夜明けと共に早朝にマネージャーさんと一緒に、撮影の前に大斎原の鳥居を通って本宮大社まで歩きました。その空気感を実際に味わうことができたのは役作りにも生かすことができたと思います。作品の祈願もすることができましたので大丈夫だと思います(笑)。
◆視聴者へのメッセージをお願いします。
三谷さん、萬斎さんのこのシリーズ3回目のこの作品で、今までのファンの方ももちろんですが、初めて見る方も絶対楽しめると思うので“誰が犯人なのか?”一緒に体感しながら自分もドラマの世界の中の一員のような気持ちでぜひ楽しんで見ていただけたらと思います。