今もっとも注目される実力派女優・松本まりかが5月14日(金)よりスタートする「WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て」で、連続ドラマ初主演を務めることが決定した。
本作は、ドラマ・舞台・小説の3つのコンテンツで展開されるオリジナルシナリオの連動プロジェクト。舞台版は、4月23日(金)より下北沢・本多劇場にて上演。舞台版を手掛ける劇団・ゴツプロ!は、2016年の旗揚げ以来、右肩上がりで動員数を伸ばしており、東京・大阪のみならず台湾でも公演を成功させている。旗揚げ以来、男性キャストのみで公演を行ってきたが、舞台版「向こうの果て」では初の女性キャストとして小泉今日子がゲスト出演することが決定している。
小説は、4月に幻冬舎より発売予定。ドラマ版・舞台版の脚本と小説を書き下ろすのは、ゴツプロ!の座付き作家でもある脚本家・竹田新。心揺さぶられる濃厚な人情劇に定評があり、高い支持を得てきた。
物語の舞台は、昭和60年の東京。痴情のもつれから、アパートの一室で放火殺人が発生する。逮捕された池松律子(松本まりか)と、死亡した小説家・君塚公平は幼なじみだった。事件を担当する検事・津田口の取り調べにも、どこか浮遊しているような態度でするりとかわしていく律子。津田口は事件の真相を追って、これまでに律子と関わってきた人物達と接触し始める。
次第に明らかになってくる律子の数奇な人生と、彼女を取り巻く男たちの姿。しかし、彼らが口々に証言する律子の印象は、全てがバラバラであった。津田口は事件を深追いするほどに、徐々に律子という人物そのものに傾倒していく。やがて津田口は、律子と公平が幼少期を過ごした昭和30年代の青森・津軽に、この殺人事件の真相を解くカギがあるとにらみ始める。律子と公平の父親たちが津軽民謡の同じ一座で活動していたこと、そして、そこで起こったある事件。律子はなぜ公平を殺したのか。2人の過去に一体何があったのか。全ての真相が明らかになる時、閉ざされていた因縁が解き放たれる。
本作の監督を務めるのは、第44回 日本アカデミー賞9部門受賞で注目を集めている映画『ミッドナイトスワン』(20)をはじめ、Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」(19)、映画『下衆の愛』(16)など話題作を手掛けてきた日本映画界が注目する俊英、内田英治監督。
<松本まりか(池松律子役)コメント>
◆オファーを受けた際の感想を教えてください。
松本 かなり骨太な作品だなと、その中でどっぷり生きられる役が来たなと思いました。台本を読んでみると、体がうずき、自分の細胞が目を覚ましていくような感覚でした。人間の本質に目を向けるようなハードな内容に驚きましたし、ポップな作品が多い今の時代に、ここまで真逆なものを作れることがすごいなと感じました。生半可な気持ちじゃできないなと思います。こういう作品をやってみたかったですし、ずっと求めていたような作品です。
◆本作が連続ドラマ初主演になります。
松本 もちろん、連続ドラマ初主演というのは、普通に考えたらうれしくて喜ぶべきことですよね。ただ、今は主演ということ以上に、作品の大きさを感じています。この「向こうの果て」という作品の主人公・池松律子を演じられることが私にとってすごく意味を持つだろうなと思っています。
◆演じる池松律子についての印象を教えてください。
松本 彼女のことを理解するのは前途多難だなと思っています。接する相手によって見せる顔が全然違うんですが、多重人格ではないし、意識的に演じ分けているわけでもない。彼女の奥にある核心に触れないと、チープな表現になってしまうなと思っています。台本を読めば読むほど深みにはまっていく感覚です。それでも、彼女を演じたいという気持ちがメラメラと沸いてくるんです。タイトルは『向こうの果て』ですが、律子が見ている景色は絶望でしかないんです。だからこそ、その先を見ていないと生きられない、ものすごく死を近くに感じている女性だと思います。今回、「死んでるように生きてる」というセリフがあるのですが、私自身、数年前まで死んでいたように生きていた時期があって。今は、ありがたい環境に身を置けているなと思いますが、当時はお仕事もなくて自分は生産性や存在価値がないと思い込んでしまったことがものすごくきつかったんです。
生きる楽しさみたいなものを見失っていたんですよね。そのせいか、生に対しての執着や、求めるものの理想はすごくあるんです。そういう意味では、彼女のことが分かる気がしています。
◆三味線の稽古はいかがでしたか?
松本 難しくてまだまだですが、三味線の稽古はすごく楽しいです。三味線を演奏する方って、みんな体を壊して辞めてしまうらしくて。自分の体を滅ぼしながら、命懸けで表現しているのがすごいなと思いました。極めれば極めるほど、体に負担がかかってしまうそうなんです。三味線を弾くと、すごく集中できるんですよね。楽しくて夢中で時がたつのを忘れるくらいずっと弾いていたいです。
◆舞台版では同じ律子役を小泉今日子さんが演じられます。
松本 小泉さんと同じ役を演じられるというのは、恐れ多いですし、身の引き締まる思いです。この作品が決まった時に、うれしいメールを頂いたのですが、今日までそのメールが本当に作品に向き合う力になりました。こんなに人に感動や力を与えてくださる方なんだと改めて感じています。もちろん、舞台も見に行きます。生の舞台で小泉さんが演じる律子がすごく楽しみですし、早く見たいです。
◆視聴者へのメッセージをお願いします。
松本 令和の時代に、こんなにも人間の本質をえぐりだす作品はなかなか見られないと思います。今では希薄になってしまった人と人との結びつきや、人間ドラマは、本当の意味で琴線に触れる作品になると思います。私自身、まだ演じる律子がどんな女か分かり得ない部分ばかりで挑戦でもありますが、彼女は接する相手それぞれからは全然違う顔を持つ女に見えています。どんな女に見えるのか、本当の律子はどんな女なのか。ラストも衝撃的なので、ぜひ最後までご覧ください。
<内田英治監督コメント>
◆主演・松本まりかさんの印象を教えてください。
内田 彼女がまだ10代のころ、私の作品『ガチャポン』に出演していただいた。くしくも、彼女にとって初めての映画出演、僕は初めての監督作品だった。そして今作。松本まりか、初めての連続ドラマ主演作品だ。この巡り合わせを、単なる偶然とは思えない。きっと素晴らしい作品になるだろう。
◆本作への意気込みをお願いします。
私は《昭和》という時代に人一倍の憧れをもっている。劇団ゴツプロ!を初めて観劇した時、そんな少年時代を強烈に思い出した。昭和の感情が詰まったゴツプロ!の作品がドラマになると聞き、それはそれは喜んだ。このドラマには昭和という時代が育んだ、果てしないパワーと悲しみが詰まっている。
『WOWOWオリジナルドラマ向こうの果て』
5月14日(金)よりスタート
毎週金曜よる11時 放送・配信(全8話)[第1話無料放送]
[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]
TELASAでは、各話終了後配信スタート
出演:松本まりか
原案:ゴツプロ!第六回公演『向こうの果て』
監督:内田英治
脚本:竹田新
【番組サイト】 https://www.wowow.co.jp/drama/original/mukounohate/