百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)の距離が近づいていくさまが描かれた第5週「勉強はじめました」の放送を終えた、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合ほか)。6月21日(月)からは、第6週「大人たちの青春」が放送を開始する。
第5週の冒頭で映し出されるのは、お盆休みを終え、気仙沼から登米へ帰るため、お土産をたくさん抱えた百音がBRT(バス高速輸送システム)ターミナルへと向かう姿だ。すると、道中にある造り酒屋でなにやら話し込む亮(永瀬廉)が。
「親父が来ても酒は売らないでください」と店主に頭を下げる姿を見て、百音は思わず店の外に隠れてしまう。そのまま亮の後をこっそり追い、結局はバレるも、亮の持ち前の明るさにほっとしたようにも見える百音。ごく普通のことのように「貸して」と百音が抱えていたカキの箱を持ってあげる優しさに、彼がモテ男と言われる所以を感じられる。
そのままBRTターミナルまで一緒に向かうが、亮の「俺も(百音の)じいちゃんのカキ食いたかったな」というせりふと共に回想で描かれるのは、酒に酔って街で大騒ぎし、警察に取り囲まれている父・新次(浅野忠信)とそれを介抱する亮自身の姿だ。
しかし、その真実を知らず、周りからのうそを信じている百音は「仕事があったんじゃしょうがないね」と。対する亮は一瞬戸惑う様子を見せるも、きっと百音に心配をかけまいと「ああ、そう。船の仕込みで」とひょうひょうと作り話を続けていく。
BRTターミナルに着くと、ふと冴えない表情を浮かべる亮を気にかける様子の百音。足早に去ろうとする彼の後ろ姿に向けて、「なんか困ってるなら、メールとか電話とか、聞くから」と意を決して呼びかける。
百音の言葉に対し「やめよ。ごめん、そういうのは俺いいわ」と振り返り、「じゃあな」と見送るその表情は屈託のない笑顔だった。この約5分間のやりとりで見えた亮の強さと優しさ、どうしようもない切なさに、きっと多くの人が胸を締め付けられたのではないだろうか。
そして、百音が乗り込んだバスには、なんと同じく登米へと向かう菅波が。不愛想な彼との間に気まずい空気が流れるも、百音は気象予報士の仕事に興味を持っていることを打ち明ける。
次第に、乗り込んでくる学生たちに押し込まれ、ぴったりと隣同士になってしまう2人。距離が物理的に縮まったことで心の距離もどこか縮まったような、ここから何かが始まるのではないだろうか…と思わされる淡い一幕だった。
登米に着いた百音は、サヤカ(夏木マリ)の指令で広葉樹を使った新商品の開発担当に。そんな中である日、林業を教えに行った小学校で学習机を作るアイデアを思いつき、森林組合の仲間たちの協力も得てサンプル作りを始めることにする。
仕事は充実し始めた百音だが、そのいっぽうで気象の勉強は行き詰ってしまっていた。菅波のアドバイスを受け、子ども向けの絵本から目を通し始めるも、まったく理解が追いつかない。そんな彼女を見かねた菅波は、勉強を教えることを決意。
そこから見えてくるのは、今まで寡黙なイメージが強かった菅波の新しい顔だ。「モネに対する先生然としたテンションの高い姿なんかは面白いのでは」と坂口自身も語っていたように、彼のさまざまな表情が見えてくるのも今後の見どころのひとつだろう。
第6週では、百音はよねま診療所に通うジャズ喫茶の店主・田中(塚本晋也)と言葉を交わすように。なんと田中は、百音の父・耕治(内野聖陽)と古くからの知り合いだったのだ。
そんなある日、森林組合を訪れていた田中が突然倒れてしまう。菅波の処置によりなんとか一命をとりとめるも、その様子を見ていることしかできなかった百音。その夜、気象の勉強をしていて目に入ったのは「気象予報士はいのちを守る仕事です」という一文だった。
さらに、先ほど放送された『まだ間に合う!おかえりモネ』(NHK総合・見逃し配信あり)内で、亮の母・美波役を坂井真紀が演じることが発表に。美波がどのように描かれていくのか、今後の展開からも目が離せない。
番組情報
連続テレビ小説『おかえりモネ』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか
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