戸田恵梨香、永野芽郁W主演ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系 毎週(水)後10・00~11・00)の担当美術デザイナー・樫山智恵子さんのインタビューが到着した。
本作は、元警察官の泰三子が講談社「モーニング」で連載中の「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」が原作。戸田恵梨香演じる元エース刑事・藤聖子と、永野芽郁演じるひよっこ新米警察官・川合麻依の凸凹交番女子ペアを通して、身近なようで意外と知らない“お巡りさん”の笑いあり涙ありのリアルな日常を描く。
ドラマのシンボルでもある藤、川合、ハコ長・伊賀崎(ムロツヨシ)が働く町山交番。一見、どこにでもありそうな交番だが、実は生田スタジオの敷地内に建てられた美術セットだった。
<担当美術デザイナー・樫山智恵子さん インタビュー>
◆“町山交番”はどこにあるんですか?
生田スタジオの中に作りました。いわゆる“オープンセット”と言います。交番はこの話のメインなので、監督と、まずは交番をどうしよう、ということで、台本を読んで打ち合わせをして、こちらからもいろいろ提案をさせていただきながら、交番内の装飾も含めてイチから作っていきました。
◆リアルな交番内について
最初は監督から「明るい感じにしたい」ということだったので、机の上の飾りなども考えていたんですが、監修の方に伺ったところ、机の上には何も置かない、と。私物はもちろん、パソコンも使い終わったら引き出しの中にしまうそうなんです。なので、思っていたよりもシンプルにはなりましたが、窓を多めにして明るくしたり、背景の掲示物にもこだわったり、よりリアルな交番の空気感を感じていただけるようになったと思います。
◆指名手配犯のポスターについて
掲示物も全て作ってるんですよ。指名手配犯はドラマスタッフさんに写真を撮らせてもらって(笑)。交番によくあるちょいダサなポスターもいろいろ貼ってます。「町山君」というキャラクターは、顔に「町山」と入っている独特なデザインですが、監督の意見がふんだんに盛り込まれてます。オリジナルグッズにもなってますが、飾りの面でもいろいろと活躍してくれてますね。
◆こだわったポイント
交番の外観をどうしようと思ったとき、ドラマ的にはオシャレなほうがよかったりするかもしれないんですが、このドラマにおいては、どこにでもある感じにしたいなと。オシャレでもない、近所にありそうな雰囲気の交番にしたいという点にこだわりました。
このドラマをやり始めてからは、もう交番はクセで見ちゃいますね(笑)。警察官の方を見ると頑張ってるなあと思って見ちゃいますし、女性警察官は特に思います。
◆刑事課の工夫
刑事課はむさくるしい感じを出したくて、実は天井を低めにしたんです。特に刑事課は役者さんたちの背が高くていつも天井が見切れているので、狭苦しい感じに見えているのではないかと思います。逆に取調室は冷たい感じにしたくて無機質な内装にこだわりました。原作の泰三子先生が刑事課を見学に来てくださったんですが、「懐かしい」とおっしゃってくださって。本当によかったです。
◆川合の部屋と藤の部屋について
川合ちゃんのお部屋にはいろんな色がありますよね。そこは彼女の明るいキャラクターを反映させています。マンガ好きというキャラだったので、ドラマにも「ツンデレ先輩と甘えん坊幼馴染のアゴクイ大戦争」というマンガが出てきましたが、本棚にはズラッと恋愛マンガが並んでいたり(笑)。逆に藤さんは大人っぽい部屋になっているので、2人の対比を感じていただけると思います。
◆ドラマの今後
美術担当としては、視聴者の方にセットと思われたくないという気持ちがあるのですが、特にこのドラマにおいては、ドラマの役者さんたちの邪魔にならないセットを作りたいと思っています。このドラマの主人公は藤と川合の2人ですが、いろんな登場人物がそれぞれ主人公みたいな感じがするドラマだと思うんです、群像劇だなと。9話で終わってしまうんですが、みんなこれからも活躍するんだろうなって思えるドラマになっているんじゃないかなと。そう感じさせてくれるところがこのドラマのとても気に入っているところです。
『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』
日本テレビ系
毎週水曜 後10・00~11・00