コムアイ「共有し合うところから作り上げられた」生理に向き合う女性を描く『雨の日』

ドラマ
2021年10月27日
左から)コムアイ、辻愛沙子

特集ドラマ『雨の日』(NHK総合)とトークドキュメント『ハロー!生理 世界で聞いた5つのストーリー』(NHK総合)が、11月3日(水)に放送される。それに先駆け、オンラインミニトーク&取材会が開催され、コムアイ、辻愛沙子、家冨未央プロデューサーが参加した。

生理やPMS(月経前症候群)の悩みを抱えて生きる人々の葛藤を、女性クリエーターたちが当事者としてのアイデアを結集して紡いだ『雨の日』と、世界各地の生理をめぐるプライベートな対話を、“のぞき見”感覚で見つめる『ハロー!生理 世界で聞いた5つのストーリー』。

そんな2つの番組の放送を前に、ミニトーク&取材会が開催され、『雨の日』で主人公・小島ヒカリ役を演じるコムアイ、クリエイティブディレクターの辻愛沙子、『雨の日』プロデューサーの家冨未央の3人が参加した。

まず、ドラマ『雨の日』について、コムアイは「企画をいただいて、ぜひやりたいと思った」と。「これからもずっと記憶に残るようなお仕事でした。ジェンダー関係なくいろいろなお話をしたのですが、自分のこととして今一度生理を考え直したり、打ち明け合う姿があったので、共有し合うところから作り上げられたものだと実感しています」と振り返る。

「特に、撮影中はロケバスの中などでも頻繁に生理の話をしていて、男性側から“こういうことがわからない”と伝えてもらえるようなやり取りができたことはすごく豊かだったなと。興味を持って理解しようとしてくれたことがうれしかったです」と現場でのコミュニケーションも明かした。

続けて「生理に関するトピックが増えて、特にここ最近、意識が変わってきたことを顕著に感じる」と語る辻は、「そういったコンテンツが増えてきていることに希望を感じるいっぽうで、デフォルメされていることが多いなと思っていたんです」と。

「(本作では)ステレオタイプを描くことに留まらず、女性が生きていく中でいかに笑顔を作らなくてはいけない瞬間が多いのかが具体的に、そして当たり前に描かれていて。生理の話題を増やしていくことの、さらに一歩先に進んでいる」と作品をアピール。

辻の話を受けて、コムアイも「現実では私たちの生活の中で当たり前にあることなのに、ドラマの中では生理は描かれないですよね。そのシーンによって表現できる気持ちがあるはずなのに。飛ばされたり隠されることは不思議ですよね」と問題提起を。

また、数々の作品の現場を見てきた家冨は「みんなで生理の話をしている現場というのはすごく優しくて。相手の気持ちを思いやることが当たり前にある現場というのは、こんなにも尊いんだという発見がありました」と話す。

さらに、「『雨の日』というタイトルのように、生理現象はまさに天候のように予測がつかないですよね」とコムアイ。「でも、荒天があることで山の栄養が海へと循環するように、へこむこともあるけれど、これも恵みなのだと受け止められたら仕方ないかと思えたり。自分の感覚で捉え方は決められるので、そこに希望を見出せました」と心境の変化を述べた。

最後に、家冨は「自分の知識とスキルで、できる限り表現し続けることがベストだと思っています。人間同士のやり取りの中に、生理現象という壁が立ちはだかることが無視されない、ストーリーラインを描き続けることに覚悟を持てた」と。辻も「言いたくないと思わされてしまっている社会に『言える』という選択肢を増やして、話しやすくなるきっかけをつくることが大事だと思っています」と語る。

コムアイは「みんなで考えれば変わっていくこともあるので、話したいし共有したい。本人だけの問題にせず、気にかける意識を作っていくためにも、こういった作品や番組が必要だなと感じました」と話し、取材会は締めくくられた。

番組情報

特集ドラマ『雨の日』
NHK総合
2021年11月3日(水)後10・00~10・55

『ハロー!生理 世界で聞いた5つのストーリー』
NHK総合
2021年11月3日(水)後10・55~11・15

©NHK

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