いっぽう、有村演じる早季子は、そんな頑固で融通が利かない兄をさりげなくサポートするしっかり者。愛情深い性格で、児童たちからも慕われている。日本に上陸後、捕虜になってしまった3人の面倒を実家の旅館で見ることになるが、アベーレに一目ぼれされ、熱烈なアタックを受けることに。しかし、この恋沙汰が速水の逆鱗に触れ、速水たちとイタリア人たちの間に大激震が走ることになる。
価値観、人生観、言語、全てが異なる日本人とイタリア人。衝突を繰り返し、トラブル続きの日々を送る速水たちだが、どんなにつらい状況であっても人生を謳歌しようとするイタリア人の前向きな姿勢と愛情深い心に接しているうちに、速水の凝り固まった心も次第に和らいでいき、国境を越えた確かな友情が生まれていく。
コミカルな会話劇が繰り広げられるいっぽうで、戦火の足音は日に日に大きくなり、両者の間に芽生えた友情は無情にも引き裂かれていくことになる。時代に翻弄され、命の危機にさらされた彼らを待ち受ける運命とは…。
台本を読んだ時の感想について、二宮は「戦時中のお話なのですが、人間と人間のいろいろなものを感じる話だと思いました」と。有村も「実際に存在したイタリア、ドイツ、日本と渡り歩いた潜水艦を舞台に、イタリア人兵士たちと日本人の間に繰り広げられる物語を全体的にポップに描いていて読みやすく、ある種漫画を読んでいるような、そんな印象を受けました。しかしながら、当時の時代の中にある理不尽さや時代が持つ狂気も感じられるので、メッセージ性のある台本だと思いました」と振り返る。
久々となるドラマでの共演については「バラエティ番組などでご一緒する機会がありましたので、自然と懐かしさはなかったです」と二宮。対する有村も「変わらない二宮さんがそこにいてくださり、安心して現場にいることができました。以前とは少し話せることも変わって、個人的に時間の流れを感じ、感慨深かったです」と安堵感を漂わせた。
最後に、有村は「その時代にある社会情勢などは調べなければわからないことも、こうして作品に携わらせていただくことで学ぶことが多いといつも感じます。ぜひ皆様もご覧になって、少しでも何かを得ていただけたらうれしいです」と。
二宮も「ぜひ、人間模様を楽しんでいただきたいなと思います。戦争というものよりも、そんな最中にこんな人間がいたのか、というところを感じていただけたら」と視聴者へのメッセージを寄せている。両名と、監督・馬場康夫からのコメント全文は、次ページに掲載。