◆これまでも被疑者役で多彩なゲストが登場してきました。迎える立場として心掛けていることはありますか?
この作品の本当の主役は、私たちではなくゲストの方。私たちはあくまでそのお芝居を“受ける側”だと思っていて。ゲストの方にしてみれば、固定されたレギュラーメンバーの中に新しく飛び込まなければならない上に、被疑者として厳しく取り調べられるわけですから、何重もプレッシャーが掛かってくると思うんです。だから、どんなふうにこられても私たちが受けますから好きにやってくださいということを、ゲストの方にはしっかりお伝えするようにしています。私はともかく、キントリの他のメンバーを演じる“おじさまたち”は百戦錬磨の役者さんばかりですから。私たちがグイグイ行くより、ゲストの方に好きに暴れていただいて、それが魅力的に映れば映るほど作品自体が面白くなる。そんな思いで、毎回ゲストの方をお迎えしています。
◆これまで連ドラ4シーズンと、今作含めスペシャル2本が制作されました。8年にわたってシリーズを重ねてきて、どんな思いがありますか?
一つの役をこれだけ長く演じさせていただくのは初めてで。それだけで幸せです。一緒に作ってきたスタッフやキャストの皆さんと深く関われているということでもありますから。毎回さまざまなゲストの方とがっぷり四つに組んでお芝居させていただいていますが、それだってなかなかないことですし、この作品でなければ三田佳子さんや桃井かおりさんなど素晴らしい先輩方ともご一緒できなかったと思います。その方たちのお芝居を一番の特等席で拝見できて、とてもありがたいです。
◆天海さんにとって、真壁有希子はどんな存在ですか?
右も左も分からない状態からキントリに配属された有希子と、取り調べのシーンに手探りで臨んでいた私自身。この8年間、同じくらいの戸惑いと挑戦の中で一緒に進んできて、一緒に成長してきたという自負はあります。分身と言うほど大それたものではないですが、私の人生の中でこれだけ長く一緒にいる役柄ですから、とても大きな存在ではあります。
◆放送はお正月になります。天海さん自身の毎年のお正月の楽しみはありますか?
ここ10年くらいは、私の家に母親や親戚を呼んで一緒に年越しをするのが恒例になっています。その集まりに欠かせないのが、おせち料理。昔はおせちって本当に必要なのかなと疑問だったのですが、各食材にはいろいろな意味が込められていると知ってからは、すごく身になる気がして。今回のスペシャルも、言うなればおせちのようににぎやか(笑)。1人ひとり、欠かせない役者さんたちが集まって、一つのパッケージにぎゅっと詰まっている。視聴者の皆さんにとって、おせちのような楽しみになったらいいなと思います。
PROFILE
天海祐希
●あまみ・ゆうき…1967年8月8日生まれ。東京都出身。O型。最近の出演作は、ドラマ『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』、映画「老後の資金がありません!」「私は白鳥」(ナレーション)など。WOWOWオリジナルドラマ『松尾スズキと30分の女優2』(2022年3月放送・配信スタート予定)にも出演する。
番組情報
新春ドラマスペシャル『緊急取調室 特別招集 2022 8億円のお年玉』
テレビ朝日系
2022年1月3日(月)後9・00~11・05
photo/小澤正朗 text/海老原誠二