この春TBSでスタートした新たな深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」で、5月31日(火)から放送される『理想ノカレシ』(TBS系ほか 毎週火曜 深夜0時58分~1時28分 ※一部放送地域を除く)。大政絢演じる主人公・優芽子の高校時代の初恋の人・神宮寺望と、望とうり二つの謎の青年の一人二役に初挑戦するEXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE・佐藤大樹さんにインタビュー。憧れだったという一人二役の感想や、撮影でのエピソードなどを聞きました。
本作は、「TBS連ドラ・シナリオ大賞」第4回大賞受賞者の渡邉真子が原案、第5回の入選者である木村涼子が脚本を担当し、仕事に家事に頑張る、恋を夢見る全ての女性に送る“王子様育成”ラブストーリー。アラサー女性のリアルな恋愛観と、こんなことがあったら、という夢のような恋愛模様をオリジナル脚本で送る。
◆『理想ノカレシ』はオリジナル脚本ですが、原作がある作品との違いや、演じていて楽しい部分などはありますか?
ずっと原作がある作品をやらせていただいていますが、原作のファンの方に失礼のないように原作を読み込んで、容姿やアニメのしゃべり方に似せている部分が多かったです。でもオリジナル脚本は、自分が好きなように演じられるメリットが大きいなと思いました。衣装合わせの段階から監督に自分の意見を伝えたり、監督の思う役の像と付け合わせたりして、衣装や髪形などイメージを決めていきました。キャラクターを自分で作れる楽しさみたいなものは、オリジナルならではだと思います。
◆佐藤さんからアイデアを出したことはありますか?
言葉遣いを特に意識しています。年下男子を年上の女性が見た時に、少しでも守ってあげたいとか、自分のそばにおいてあげたいとか、かわいいと思ってもらえるように、かわいらしい言葉遣いを最初は意識していました。台本では祖母のことを「ばあちゃん」と呼んでいたところも、「おばあちゃん」にしたいと言いました。あとは、優芽子さん(大政)との会話で、最初は敬語を増やしたいとか。後に物語が進んでいってタメ口が増えていった方がドキッとするんじゃないですかね、と意見を自分から監督に言わせていただきました。
◆現場で作品を作り上げていっている感じなんですね。逆に、オリジナルで難しかった部分はありますか?
少し前まで『liar』(MBS/TBS)というドラマをやらせていただいていましたが、僕が演じた市川一哉というキャラクターはほぼ笑わない役でした。そのドラマをやっていたら笑顔を忘れてしまって(笑)。『理想ノカレシ』で僕が演じさせていただく役はどちらも爽やかでにこやかなイメージなので、笑い方ってどうだったっけな…と頬の筋肉のトレーニングを夜な夜なやりました(笑)。
それと、台本を読んでいて、ここはどういう表情で言っているんだろう、というところが、原作があると漫画などを見てキャラクターの表情を参考にすることができたのですが、オリジナルだとそれができないので、自分にとってもチャレンジでした。でもそこが楽しい部分でもあります。
◆ラブストーリーということで、キュンとくるシーンも多いと思いますが、実際に撮影されている中でドキドキした場面などはありましたか?
公園でデートするシーンがあるんですけど、糖分補給と言って二人でキャラメルをなめるんですよ。優芽子が僕に「食べる?」と言ってキャラメルを出してきて、優芽子の指の上のキャラメルをぱくっと食べるところがあって。それは、台本を読んでいる時から照れるな~と思っていたんですけど、実際撮影した時もやっぱりめちゃくちゃ照れて、食べた後大政さんにすごく謝りました(笑)。今までいろいろと恋愛作品をやらせてもらいましたけど、そういう少女漫画のような分かりやすいキュンキュンするシーンがなかったので、キスシーンよりもそういう方が照れますね。
◆佐藤さんご自身がプライベートでやられてキュンとくる女性のしぐさはありますか?
めちゃくちゃ変わってるって言われるんですけど、おいしいご飯食べに行ったりして、テレビの食レポとかでもそうなんですけど、口に含んだまま「おいひぃ~」って言う女性いるじゃないですか。嫌いって言う人もいるかもしれないんですけど、僕は全然好きで(笑)。飲み込むよりも前に先にこっちに感想を伝えようとしてくれている一生懸命な感じとかがすごく好きで。テレビとか見ててもいいなーと思いますね。
◆本作で佐藤さんは一人で二役演じられますが、佐藤さんご自身が役と似ている部分などはありますか?
グループをやっていると、年上の男性といる機会が多くあるんですよ。EXILEにいる時もそうだし、仕事でお世話になっている方も基本年上の方が多いので、年上と会話する方が楽ですね。先輩にたくさんかわいがってもらっているので、そういう面では年下男子という役は僕と近い部分があると思います。
◆年上の方にかわいがられるのは、このお仕事を始めてからですか?
自分で言うのは恥ずかしいですけど…(笑)。僕の初恋の人は幼稚園の先生だったので、言ってしまえば小さい頃から年上の女性を転がしていたのかもしれないですね(笑)。年上の人と話すのが好きです。
◆ドラマの出演が決まった際、「こんな役やってみたかった」とコメントされていましたが、具体的にどういうところに魅力を感じられましたか?
年上の女性と恋愛をする作品は近年たくさんあって、僕もドラマの一視聴者としてすごく楽しく見させていただいているので、20代のうちにそういう作品をやってみたいなと思っていました。いわゆる子犬系というか…そういう雰囲気の役柄は演じてみたかったです。
◆一人二役も憧れだったとコメントしていましたよね。
そうですね。俳優だと誰しも憧れるんじゃないかなと思います。一人二役っていう肩書きもカッコいいですし。神宮寺は学生の役なのですが、学生役は20代のうちしかできないかもしれないですし、もしかしたらもうないかもと思っていたタイミングだったので、すごくうれしかったです。
◆制服はいかがでしたか?
着るときまではしっくりくるか不安だったんですけど、着てみたらまだまだいけるなと感じたので、需要があるうちは頑張りたいと思います。
◆二役それぞれどういう人物像を思い浮かべて演じ分けていましたか?
優芽子と出会う青年は、最初不気味だなと思っていたんですよ。お金を貸してもらって、後日会社まで来て、ちょっと図々しいというか…。恐怖すら感じる部分もあるんですけど、それでも近くにいたいなと思う小動物っぽさとか、放っておけない雰囲気とか、そういうところをすごく意識しています。ただ、ピュアな青年だと思ったので、お金はなくてもスニーカーが少し汚れているとかだけにして、服装のバランスも監督と相談しました。
神宮寺の場合は、ザ少女漫画に出てくるような、憧れみたいなものを自分が体現したいなと思って、ビジュアルやしぐさを意識しました。
◆一人二役は初挑戦ということですが、難しかったことはありましたか?
神宮寺をやった時に、学生時代の優芽子に対して、例えば頭ぽんぽんとかをやらなきゃいけない場面があったんですけど、本当の17歳の菅田(愛貴)さんに、10歳上の僕がそういうことをするのは「さすがに照れるな」と思いました(笑)。あと、カメラ目線をしないといけなかったりとか、なかなか普段のドラマではないようなキラキラしたシーンをやらせていただいたので、そこは照れたという意味でも、大変だったかなと思います。
それと、めちゃくちゃ「こんなに苦戦するんだ」と思ったのが、神宮寺がサッカーのゴールを決めて女の子たちにガッツポーズをするというシーンで、僕もサッカー経験者なので、すんなりできるだろうと思っていたんですけど、ゴールを決めるまでに8、9テイクくらいやってしまって。僕のせいで。それは苦労しましたね。
あと、あるシーンで優芽子の回想をはさんで、観覧車の中で謎の青年と神宮寺が交互に出てくるところがあるんですけど、そこの使い分けが難しかったです。なにより、物理的に大変だったのは、僕が観覧車を降りた後、観覧車が一周するまでに神宮寺になって戻ってきてくださいって言われて(笑)。スタッフさんとダッシュして早着替えして髪型を直して…っていうのはすごく思い出に残っています。
◆演じる上で身近なところで参考にした人はいますか?
僕の1個下の弟がすごくだらしなくて。彼が引っ越す時は全部僕が手伝っていて、昨日も電話をしたんですけど、ちょっとむかつくけど放っておけないみたいな。俯瞰で見て「なんでこの子放っておけないんだろうな?」と思った時に、「こういうことだったのかな」と参考にしていますね。神宮寺の場合は、岩田剛典さんですね。がんさんが学生役をやっていたらこんな感じだっただろうなというイメージで演じています。多いときは週4とかでがんさんとご飯に行ったりしていて、かわいがってもらっているので、会話や立ち振る舞いを吸収しています。
◆岩田さんにはドラマで参考にしていることは伝えていますか?
ドラマに出ることはがんさんに伝えていて、「ドラマに出るのすごいね、続いてるね」と言っていただいたのですが、そこでがんさんを参考にしていることは一切伏せていますね(笑)。記事が上がったらバレちゃいますけど、喜んでくれると思います。
◆二つの役を通して注目してほしいポイントはありますか?
言っても髪型は少ししか変わってないし、顔もこのままで。一緒じゃん、と思われたら悔しいなと思うので、立ち振る舞いや言葉遣い、細かい違いを見せていけたらと思っています。
◆言葉遣いなどで特に意識したことはありますか?
神宮寺は、優芽子より少し上の目線で物事を見ている印象があったので、いやみにならない程度に若干上から。ほんの少しだけSっ気が入っているイメージで演じています。
謎の青年の方は、完璧ではない人間で、未完成だけど、イラつかない程度の未完成。放っておけないなと思わせる絶妙なレベルのところを、僕もまだ探しながらですが、意識しながら演じてみています。
◆優芽子は、初恋の相手をずっと理想の男性だと思い続けていますが、佐藤さんは高校時代や若い頃と今とで、理想の彼女像は変わったりしましたか?
いや、変わってないですね。お互いに尊敬できる人がいいなとずっと思っていて、仕事の面でもプライベートでも。僕は家事、特に料理をやらないので、家に帰ったらおいしいご飯を作ってくれる方がいいと学生時代から思い続けています。
◆もし好きになった彼女が、料理が苦手な優芽子みたいなタイプだったらどうしますか?
料理教室に通ってもらいます(笑)。料理のYouTubeを見てもらいますね。
◆彼女が佐藤さんの料理を食べたいと言ったらどうしますか?
そこまで言われたら作ります(笑)。僕も理想の彼氏になれるように。オムライスを作りますね。
◆『理想ノカレシ』ということで、佐藤さんの理想の男性像を教えていただきたいです。
一番は、仕事に真っすぐ向き合っている人だと思います。それと、周りへの気遣いがきちんとできる人。それは異性でも同性でもそうなんですけど。あと、背中で語ってくれる人はカッコいいなと思います。僕の父とか、HIROさんとか…。
◆結構年齢高めの方を想定していますか?
そうですね。将来的に言うと。身近な年齢の方で言うと…それもがんさんかな。AKIRAさんも。いろいろなことへの気遣いができたり、チームのことをマネージャーさんやメンバーに発信してくれていたり意見を言ってくれたり、後輩もサシ飯に連れて行ってくれたりとか。年を重ねてもずっとできる人なので、僕の中で理想だなと思います。「男の中の男」のような感じで。
◆ちなみに佐藤さんは後輩をご飯に連れて行ったりすることはありますか?
事務所内だったら一番行っていると思いますね。後輩好きなんですよ。自分が今まで一番下の立場だったから、後輩ができることがすごくうれしくて。でも、後輩から誘ってくれることの方が多いですね。「今日ご飯行きましょう」って。
◆本作は、男性から見ても、理想の彼氏になるための勉強になるような内容だと思います。佐藤さんは本作から学んだことはありますか?
大政さん以外、演出チームは男性が多くて。「見ている女性は何が一番キュンとくるんですかね」と僕も相談したりしていました。なので、女性の心に刺さる男性像の勉強にもなっています。優芽子に対して、急に距離を近づけるシーンがたくさん出てくるのですが、図々しくない微妙なラインを勉強していますね。大政さんに、「これ以上来られたら嫌ですよね」と相談しています。国民の理想の彼氏に近づきたいと思います(笑)。
PROFILE
佐藤大樹
●さとう・たいき…1995年1月25日生まれ。埼玉県出身。A型。FANTASTICS from EXILE TRIBEのメンバーで、EXILEと兼任して活動中。近作に『liar』(MBSほか)など。
番組情報
ドラマストリーム『理想ノカレシ』
TBS系ほか
2022年5月31日(火)スタート
毎週火曜 深夜0時58分~1時28分(※一部地域を除く)
先行有料配信:「Paravi」「U-NEXT」にて5月24日(火)正午配信予定
※5月31日(火)の地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」「GYAO!」「Yahoo!」にて無料1週間見逃し配信)
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